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映画『水曜日が消えた』を観て

ハッピーエンドで驚いた。

多重人格、それも7人が決められた曜日だけ1人の身体を分け合う形で同居する主人公。音楽が好きだったり、芸術センスがあったり、飲み会や女好きだったり性格や行動パターンがかなり違う7人で、細かいトラブルはたくさんありながらも上手く多重人格とつきあってきた。しかし、ある日突然「水曜日」の人格がいなくなって・・・という話。

ストーリー的には完全にミステリーで、しかも展開的に1週間を半分ずつ分け合った人格どうしとの対決、しかも相手はワルっぽいという流れで、普通に戦って苦労した挙げ句、ヒロインの助けを得て勝利して1つの人格にまとまる話かと思ったら、完全に裏切られた。良い意味で。こういう展開もあるとはね。

こういう多重人格モノは、だいたい善の人格と悪の人格との戦いで、悪の人格がムチャクチャやってくるけど最後は勝利してカタルシスという話か、あるいは、うまくいったように見せて実はまだ悪の人格が残っていそうな(あるいは悪の人格が善のフリをしている)シーンだけ見せてラストといったパターンが多いと思うんだけど、これは、ほのぼのとした温かい気持ちで終わって感心した。原作も同じ展開なのかな?

ストーリーのアイデアとしては面白いけど、脚本としては、主人公が人格が別れる原因とか、全ての人格を知るヒロインがなぜ主人公に関わるかとか、なぜ医者もあえて人格を統合しようとしなかったとか、一番大事な、なぜ残った2人の人格が自分だけ残ろうと思わなかったのか、とか、描写されてはいるんだけど、少し納得感が少ないところはある。

主人公は中村倫也(いっつも、矢口真里と離婚した人と間違える)で、もともと演技が上手いとされていて、本作でも高く評価されていた。確かに7人の人格の使い分けは上手だなと思う。声や動作、表情の使い分けとか。ただ何か表面的な薄い感じがあるんだよね。他の作品も観てみたいと思った。

ヒロインの石橋菜津美と深川麻衣、どちらも存在感あって悪くないとは思うけど、まだ経験値不足かなという感じ。次作以降に期待。

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