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「いい年」は「良い年」だ!

その後
わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。
あなたたちの息子や娘は預言し
老人は夢を見、若者は幻を見る。
旧約聖書 ヨエル書 3章1節 (新共同訳)

こんにちは、くどちんです。キリスト教学校で聖書科教員をしている、牧師です。

先日、40歳の誕生日を迎えました~! ぱんぱかぱ~ん!

↑ 見てください! なんと! 担任クラスの生徒さんたちが! お祝いにと言って推しグッズをくださったのです~!!! 誕生日を心に留めていてくれただけでも、お祝いしてくれるだけでも嬉しいのに、私の喜ぶもの好きなものを考えて準備してくださるなんて……(´;ω;`)ウッウッ 感激し過ぎて、その日一日カタカタ震えているような状態でした。人は嬉し過ぎるとずーっとどきどきするんですよ、皆さん。知ってましたか? 私はこの度初めて知りました。感謝。

私は年を取ることに対して嫌だと思ったことがほとんど無くて、高校生の頃から「初老」とか「白秋」とかいう響きに憧れさえしていました。

今も「ようやく憧れの40歳だぜ!」という気持ちです。かっこいい50歳目指してこの10年を大切に重ねていきたいと思います。

「アンチエイジング」ということが求められるのもすごく分かるけれど、「かっこよく年を取る」ということももっと求められて良さそうなものだと思います。とりわけ女性に対してはなぜか「年を取る=価値の下落」みたいな眼差しが当然のように向けられがちで、そういうものに対して常々「キー!」と思っている私。

それなのに。そんな私ですら。たとえば「BTSにハマったんです」という話をする時に、枕詞のようにして「『いい年して』BTSにハマったんです」と言ってしまいそうになることがあるのです……。

言いかけて自分でハッとして、「なんだよ、『いい年して』って! 何かを好きになるのに年齢も何も関係ないだろうよ! ばかばかばか!」と心の内で自分をつねっております。うーん。もちろん私の愚かさゆえではあるんだけれど、やっぱりその根底のところに「年を取った女はおとなしくしていろ」という呪縛を感じているのかな……。根深いぞ、ジェンダーと年齢の問題。

たまたま先日読んだ本がその辺りを上手く描いていました。

私は単行本で読みましたが、中身は同じかな? 巻末に収録されていた書き下ろし作品「描かれた若さ」が、先に述べたことをえぐく(←褒めてる)掬い上げた物語になっていて、面白かったです。この作家のみならず、最近は女性作家が女性にかけられた呪縛を辛辣に言語化し、それを通して呪いを解いていくような作品が増えたような気がして、面白く頼もしく感じます。

誰しも老いるし、老いれば衰える。でも、その衰えを負とするか正とするかは、見方によって変わる部分もあるのではないでしょうか。

冒頭に引用した聖書箇所は、旧約聖書の中でもマイナーな「預言書」と呼ばれるジャンルの文書の一部です。私がこの言葉と初めて出会ったのは大学生時代、まさに自分自身が「若者」と呼ばれる年代のど真ん中にいた頃でした。

その時私は、「老人は夢を見、若者は幻を見る」という言葉に対し、「逆じゃないの?」と思いました。老人が見るものこそが幻。若者が見るのが夢。そう思ったのです。

これも若さゆえの不遜だったと今は思います。「夢」という言葉に「未来」を見出していた私は、おそらく「老人には未来が無い」と短絡的に考えたのですね。「夢」は若者の専売特許であると。老人はぼんやりとした輪郭の「幻」を見るのだと。

それは違う、と今なら思えます。たくさんの経験を重ね、酸いも甘いも嚙み分けた老人こそ、正しく夢を見るのです、きっと。

私自身まだ老人の域には達していないものの、年を重ねるにつれ、一枚また一枚と薄皮が剝がれていくように、「余計な思い煩い」が取り払われていくのを感じます。もっと若かった頃は人目を気にしたり、必要以上に誰かと比べて自分を卑下したり、とにかく「自分はおかしく見えてないか」「自分は人より劣っていないか」とびくびくしていた。でも30歳を超える辺りから、「人なんて本当にいろいろだし、人生に正解も不正解も無いし、自分が何に満足して何を良しとして生きるかが一番大事だな」ということがぼんやりとした指針になっていきました。もちろん、一足飛びに他者評価を気にしなくなったわけではないし、今でもそういう劣等感がちくちく自分を刺すことはあります。でもだいぶ減った。

そういう意味で、「年を重ねた方が、憂き世の余計な思い煩いから解放されて、本当に自分が目指すべき姿を夢見ることができる」と思えるのです。

「いい年してBTSにハマった」のではなく、「BTSにハマったと素直に言って存分に楽しめるような『良い年』になった」のです!(結局そこかい(笑))(いや、もちろん他のこともね!)

BTSの「Lights」という曲(日本語詞です)に、リーダーRM氏が歌うこんな言葉があります。

幸せの価値なんて自分で決めてしまえばいいんじゃない
そしてまた今日もgrow up

そう、「いい年して何やってんの」ではなくて、「自分が幸せだと思えるものを自由に選べる、いい年になった」のです。そうして「老化」ではなく、また一歩「grow up」したのです!

そんなわけで、40歳、目いっぱい幸せを味わえるように楽しく歩みたいと思います。Love myself(・∀・)♪


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