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【1月編】漫画家9℃の月推しマンガ4選2022

こんにちは、漫画家の9℃です。

こちらは
マンガ好きの漫画家が、先月発売新刊の中からおすすめタイトルを紹介する
という記事になります。

第12回ということで…こちらのマガジンは祝1周年となりました!
飽き性の自分がここまで続けてこられたのは、見に来てくださる皆さんと、何よりも毎月どんどん出てくるオススメしたくなる面白マンガのおかげです。
これからもゆるく続けていければと思います!

まずは今回推したい作品のタイトルから。
1月発売新刊の中から、今回は4作品選出させていただきました。こちらです!

こまったやつら~民俗学研究会へようこそ~(1)
なないろ探訪記(1)
とくにある日々(1)
おいしい煩悩(1)

ちょっと不思議で、でも身近にあるような…?
個性派新連載揃いのラインナップです。


以下、作品タイトル(巻数)・著者・レーベル(出版社)・あらすじ・セールスポイント、という感じで紹介していきます。
電子書籍ストアBookLive!のリンクを貼っていますが、「書影がすぐ見れる」「登録なしでブラウザ試し読みができる」「私が普段使いしている」という理由です。

それでは紹介させていただきます!


こまったやつら~民俗学研究会へようこそ~(1)』 著・吉川景都
…ヤングキングアワーズ(少年画報社) 

ある理由から今までほぼ友達ができなかった桑子は、大学進学のための上京を期に変わろうと決意。しかし"やつら"はやっぱり付いてきて…!?
故きを温ねて新しきを知る「民俗学」との出会いで広がっていく、教養と人の輪の物語。

昭和の末を舞台にしたこちらの作品。懐かしさに溢れつつ(生まれていなくても…)、それでいて時代の変わり目である令和初期の今にも通ずるところを感じます。
賑やかかつさっぱりとした読み味で描かれ、個性的かつ人情味のあるキャラクターを通して触れていく伝承や祭祀へのアプローチは、世界・社会の見え方を大きく変えてくれるかもしれません。


なないろ探訪記(1)』 著・日生マユ
…BE・LOVE(講談社) 

しっかりしているようで、どこか心が抜け落ちているような少女・カナ。
亡くなった父親が人生をかけていた研究について追い求めるうち、カナは生態系を守る大学研究室の面々と触れ合い、ひとつずつ”自然の奇跡”に触れていく。

幼いけれど無知でも無垢でもない、等身大の少年少女の描写力が突出した作家さんです。不安定に揺れ動く感情を丁寧に描き、かつ優しく解してくれるため気持ちよく読み進められます。
「研究すること」のその先に何が待っているのか、主人公の成長と共に自然の儚さと強さに引き込まれる作品です。

前述のオススメ作品は文系アプローチでしたがこちらは理系です。偶然ですが…
ほとんどの人が知ることがないまま消えていくかもしれない存在、消えていった存在に出会うきっかけをくれることも漫画読みの醍醐味かなと思います。


とくにある日々(1)』 著・なか憲人
…わいるどヒーローズ(ヒーローズ)

今日は何が起こるかな。何を起こそうかな。
青春なんだから、なにが起こったって不思議じゃないもんね。
…”起こったら不思議でしかない”ことしか起こらない、共感できないのに元気になれる学園日常コメディ。

静かでシンプルにそぎ落とされたタッチとセリフ運び、予想だにしない展開を効果的に魅せてくる構図センスで描かれる新感覚コメディです。
大口を開けて笑うというよりは、じわじわとニンマリしてしまうような味のあるギャグ…というかもはやこれはギャグなのか?と戸惑うくらいの新感覚っぷり。
シュールではありつつ、キャラクターの優しい個性も光っており、彼女たちが楽しそうなだけでなんだか嬉しいような心地よさもあります。


おいしい煩悩(1)』 著・頬めぐみ
…コミックフラッパー(KADOKAWA) 

誰しも持っている、わがままで自分勝手でよこしまな気持ち。
人よりちょっとだけそんな"煩悩"の多い主人公・かんろの前に現れたのは、煩悩のまま生きることを唆してくる謎のイケメン!?
そして決まって彼女を助けてくれるのは、頼れるミステリアス後輩くん。だけどなんだか、彼も一筋縄ではいかない曲者で…!?

表紙のイラスト・装丁のかわいさ吸引力がすごい作品ですが、中身もまた然り。
ヒロイン及びイケメンくんたちの華やかさだけでも満足感がありつつ、加えてスピード感ある表情豊かなギャグとのギャップがご機嫌にハマっています。
テンポよく欲にまみれて転落していくヒロインの愚か可愛さを楽しみつつ、イケメンたちの質の異なる”ご褒美”展開も浴びて、ほんの少しだけ普段の自分を顧みる…こちらの情緒も元気に振り回していく、お得感たっぷりの注目作です。


今回の紹介は以上になります。

このnoteではなく、pixiv FANBOXのほうで載せたものなのですが、
独断と偏見で選ぶ2021年マンガ賞の記事を書きました。

noteよりも若干内輪向け文章ではありますが…noteでオススメしきれなかった作品を中心に紹介しているので、よかったらこちらも是非!

それでは、今月も楽しいマンガ生活を!

9℃

ありがとうございます!これからも頑張ります。