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旭岳登山を断念


旭岳登山口は、中腹の温泉街から始まる。
ここから徒歩でもロープウェイでも行ける。
ロープウェイは山頂まではいかないが、終点は整備された遊歩道が山肌を縫って周回し高山観光を満喫できるので、多くの人がここから帰る場合が多い。

朝8時半、着いた時には土砂降りの雨。
登山者の姿はない。「旭岳ビジターセンター」の駐車場には常駐職員の車だけ。

雨の中を強行軍するほどの根性はない。
雨が晴れあがっても霧が立ち込める。
以前、白樺の倒木を集めたらしい「SOS]の文字を上空からヘリコプターが見つけた。
降りて捜索したらテープレコーダーなどが見つかり、すでに数年前に遭難した者の痕跡だった。

山は深い。登山をあきらめて、もと来た道を戻った。

旭岳のすそ野は田園地帯が広がっている。

稲穂の成長はこれからだ。

写真を撮ろうとしてあぜ道に足を踏み込んだら、足元の草が跳ねた。
跳ねたのは草ではなく、アマガエルだった。
                      (旅日記:8月1日)


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