私の中の佐藤君

#フォロワーが5秒で考えたタイトルからあらすじをつくる
から鬼童丸さんが考えた題名

いのち短し 恋せよ乙女
あかき唇 褪(あ)せぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日(あす)の月日は ないものを [6]

いのち短し 恋せよ乙女
いざ手をとりて かの舟に
いざ燃ゆる頬(ほ)を 君が頬(ほ)に
ここには誰れも 来ぬものを

いのち短し 恋せよ乙女
波にただよい 波のよに
君が柔わ手を 我が肩に
ここには人目も 無いものを

いのち短し 恋せよ乙女
黒髪の色 褪(あ)せぬ間に
心のほのお 消えぬ間に
今日はふたたび 来ぬものを

ゴンドラの唄(ゴンドラのうた)
1915年(大正4年)
作詞 吉井勇
作曲 中山晋平

乙女の命は短い
それは生き死にの問題ではない
乙女は恋によりその甘い時代を終え
醜く浅ましい恋と言う欲望に身を貶めるのだ

「私の中の佐藤君は清らかな美しい少年です」

私達の憧れ佐藤君
純白の愛すべき少年
遠くから漂うあの香り
控えめながらも熱を帯びれば香りは高まり私達を魅了する
「はぁー!今日も素敵!」
なんの魅力もない凡人にすぎない私は遠くから眺めるだけで
「そんなに思いこがれてるならドーンと言っちゃえば~?」
意地悪な友人の笑顔
「あんたみたいに美人ならドーンと言っちゃってます~!」
友人…いや人生の親友でもある彼女
何で私と一緒にいてくれるのか不思議だ
琥珀に輝く瞳、柔らかな微笑が惜しげもなく注がれる
「あんたは良い女だよ。どれ、おぢちゃんが揉んであげよう」
両手をワキワキと動かす
外見と違い、中身がスケベ親父っぽい…もとい気さくな人柄も魅力で
「冗談はさておき、私はあんたが大好きだから」
額を合わせる
「あんたのためなら何でもする」
「ありがとう。私もだよ」
額を合わせた後頬を擦り合わせる
私達の愛情に似た友情表現
「大好き」
この笑顔が好き

好きだった

「何で!何でだよ!」

親友…いや親友だったあの女は佐藤君を自分の中に受け入れた

「あんたのためだったんだよ?」

「私の中の佐藤君は穢らわしい獣そのものです」

私の大事なあの子
あの子は私の事を好きでいてくれる
私もあの子が大好き
だけど
「私は佐藤君の事が大好きです」
あの子の心をあいつが奪った
「何で!何で!何でだよっ!」
私の大好きなあの子があいつに侵食されていく
「あのケダモノ!あの子は私だけのあの子なんだよ!」
そばにあったものを払いのけ
髪をかきむしる
「許さない!許さない!許さない!」
私のあの子を穢すんじゃない!
「俺としては君の方が好きなんだ」
軽率な男
甘ったるい匂いに吐き気をもよおす
「じゃあ私の中に来なよ」
あの子を守るため
だから
「佐藤君は私の中で溶けたよ」
「うわああああーっ!」
あの子を壊すことになっても

「何で!何でこんなことするんだよ!」
泣き叫ぶあの子を抱き締める
火照ったこの体からはあの子が大好きな佐藤君の匂い
「私の中に佐藤君はいる」
大好きなこの子の為に
「今私をあんたの中に入れたら佐藤君もあんんたの中だよ?」
私は全てをこの子の前にさらけ出す
「これが私の全て」
全てを脱ぎ捨てありのままの姿を見せる
青ざめた顔
冷たい唇に、火照った私の唇を当てる
「大好き」
だから佐藤君ごとあんたの中に入りたい

「あ"ー染みるぅ~!」
いつもの喫茶店
紅茶を頼み、砂糖を入れ、一気に飲み干す
「こういう寒い日は暖かい紅茶に砂糖ですな」
ポットの紅茶を注ぎ砂糖を3個
「あんたダイエットはどうした」
目の前の友人があきれた様子でケーキを口に運ぶ
そういう貴様こそどういう了見だ!
「ダイエット中だからケーキ控えてんじゃん、
と言うか人の目の前で喰うな!」
「知るか!その割には紅茶に砂糖をドバドバと…」
紅茶を飲んでるのか、砂糖を飲んでるのかどっちかにしろと友人に叱られるも
「だってぇ~!お紅茶ちゃんごと砂糖君を私の中に入れたいと言う衝動に駆られたんだもん」
「もんじゃねーわ…」
新たに砂糖入りの紅茶のカップを近づける
芳醇な紅茶の香りに砂糖君の甘い誘惑
「私の中砂糖君とお紅茶ちゃんが溶け合う~!」

サトウ君は私の中

終わり

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