変態女は緑色

#フォロワーが5秒で考えたタイトルからあらすじをつくる
からうなぎ大好きさんが考えた題名

僕の通う学校の近くにある用水路にいる変態
変態と言うのは用水路の近くで良く見張っているうなぎと言うおじさんから教わった
うなぎおじさんは勿論本名じゃない
うなぎの話ばかりしているからうなぎのおじさんと呼んでる
そのおじさんがあの女は変態だと教えてくれた
全身緑に染めた異様な姿で、普段は用水路を眺めているけど、子供が近づくとその子の匂いを嗅ぐ
気持ち悪いし、吐き気がするほどどぶ臭い
そして変態女のいる用水路は通学路でないから避けてる
それに
「あいつに関わるな。死ぬぞ」
うなぎのおじさんも注意していた
でも皆の噂はあの変態女だった
「この間匂いを嗅がれて気持ち悪かった」
「大人に言っても逆に怒られた」
「隣町の子が用水路に引きずり込まれそうになった」
沢山の噂が飛び交い、大人達にも相談したのに
「用水路に近づいちゃダメ!」
「何でそんな所に行ったの!」
皆違うことで怒ってくる
「何で大人はあのヘンタイを放っておくの?」
「それはおかしい人だからだよ」
女を見張るうなぎのおじさんはいつも笑ってる
「匂いも臭いし、変態だし。大人は兎に角関わりたくない」
たまに上級生が石を投げつけ、からかう姿も見かける
それでも変態女は匂いを嗅ぐだけで怒ったりしない
代わりにうなぎのおじさんが叱り付け、学校に言いつける
「みんな知らんぷりの癖に怒るって変じゃね?」
友達のK君はずっと変態女にケンカを売ってた1人だ
「あの変態女は絶対誰かを襲うんだ!」
K君は誰より勇敢だ
僕はK君を尊敬している
「俺が変態女を退治してやる!」
K君は用水路に行き

「K君は昨日、学校近くの用水路に落ちて怪我をしました。皆さんは用水路の近くで決して遊ばないで下さい」
先生が朝の会でK君が勝手に落ちたと知らせた
「K君はそんなドジじゃない!」
皆言っても誰も僕の言うことを聞かなかった
「K君は用水路に引きずり込まれたんだ。もうあそこに近づいちゃダメなんだよ」
皆弱虫だ
K君のカタキをうちたくないの?
「坊主、やめときな。変態には近付かない方が利口だ」
誰も分かってくれない!
うなぎのおじさんも弱虫だ!
こうなったら僕1人でもあの変態女を退治する!
用水路に行くと変態女は用水路を見ていた
女に気づかれないよう近
づく
相変わらず臭い
しかも汚い
髪は水に濡れてるし、水草や藻が絡んでいる
もしかして用水路で泳いだ?しかも顔まで緑…緑?
全体的に相撲取りみたいに太って…
「キモッ!」
あまりの気持ち悪さに変態女を突き飛ばす
ドボンと音がして変態女が落ちた!
やった!
冬の今ならあいつは死んでる!
「うおおおおーっ!」
僕は思わず叫んだ
僕がやっつけた!
K君を怪我させたあいつを!
皆を苦しませたあいつを…
うん?
何かあの変態女にしては小さい
用水路に落ちたのは僕と同い年位の

子供

「誰かー!誰か助けて!人が落ちた!」
いつもは居るはずのうなぎのおじさんがいない
僕は大声をあげたが誰もいない
いや、いた
鼻に付く臭いドブの匂い
「オマエカ…」
ブルブルと震える声
「オマエガオトシタノカ」
ドンッ
膨れ上がった変態女の手が僕を押す
「オマエガ私の息子をツキトバシタンダナ?」
僕じゃない
言いたいのに冷たい汚い水が口いっぱいに入って
手足をいっぱい動かしても下の方に沈む
苦しくて、冷たくて…
助けて…

「おーい!見つかったぞ!」
用水路で見つかった死体
体内にガスがたまり、肥大化
そして全体的に緑の肉体
「グリーンマン…またか…」
変態女に魅入られ、死した者が最後になる姿
「あれほど関わるなと言ったのに」
悔しげに呻くうなぎのおじさん

の隣に変態女

「…ぇた…ぇた」
「お前の息子は1人で用水路に落ちたとあれほど言ったじゃないか…」
雪が積もった日、用水路側で遊んでいた子供が足を滑らせ、落ちた
その死体が見つかり、半狂乱になった母親は子供は同級生に殺されたと思い込み
同級生を自分の体もろとも用水路に飛び込ませた
「お前さんが死んでから何年経ったと思ってる」
死んでもなお子供達と共に用水路に飛び込んでいく
「俺はお前に言っただろう」
あの日女の子供が滑って落ちた日も、女が子供の同級生と共に飛び込んだ時も何も出来なかった
「俺はここでお前が子供達を連れていくのを止める」

うなぎのおじさんは今日も用水路に居る
学校で噂の緑色の変態と一緒だ
子供を見ると直ぐに近寄ってブツブツ言ってる変態女
こっちにやって来た
うなぎのおじさんが逃げろと叫ぶ
「また間違えた…次は間違えない…」
女は緑に膨らんでいる

変態女は緑色

終わり

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