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「9枚の白紙カード」 ~ 解答・解説編

まずは、「9枚の白紙カード」の問題本体ではなく、ヒントとして出した1~9のカードを三分配して、三竦み(さんすくみ)になる分け方について考えてみましょう。 9枚のカードを三枚ずつ三つに分ける方法は、 $${{}_9C_3 × {}_6C_3 ÷ 3! = \dfrac{9!}{6! 3!} × \dfrac{6!}{3! 3!} ÷ 3! = \dfrac{9!}{(3!)^4} = 280}$$ (通り) あります。手で調べるのには、骨が折れそうな数ですが、280通りの

    • 「9枚の白紙カード」 ~ ヒント編

      「9枚の白紙カード」のヒントを出します。その前に、問題の要旨を。 三人に白紙のカードを三枚づつ配り、各カードに数字を書いて貰います。 その数字は、 ・0以上の実数であること ・三つの数字の合計は9以下であること を満たしてもらいます。この状態で三人の間で試合を行って貰い、結果が、 ・AとBの試合において Aの 勝:負:分≒1:2:0 ・BとCの試合において Bの 勝:負:分≒1:2:0 ・CとAの試合において Cの 勝:負:分≒1:2:0 であった場合、カードにはどのような

      • 「9枚の白紙カード」 ~ 出題編

        数理パズルを考えてみました。題して「9枚の白紙カード」。 興味のある方はチャレンジしてみて下さい。 まずは、このパズルに登場する「試合」について説明します。 「試合」は二人で行います。必要な道具は数字の書かれたカード。 二人は、同数のカードを用意します。(ここでは3枚です) 両者向き合って座り、カードを伏せた状態で横に並べます。 それぞれ開くカードを指定し、同時にひっくり返します。 カードの数字を比べ、1以上大きければ勝ち、1以上小さければ負け、 差が1未満であれば引き分

        • 2048年を非閏年に ~ 蓄積される年27秒のずれ

          私の投稿は、何らかの形で「整列」に関係したものが中心です。 最初は原始ピタゴラス数、次は(0,1)範囲の有理数、その後、60の倍数の角度を持つ三角形、数列みたいな感じです。 今回は、その流れとは全くはずれた、単発の話題を記したいと思います。 ほぼ四年に一度、閏年があります。オリンピックのある年と、閏年はだいたい一致します。「ほぼ四年に一度」というのは、例外があるからです。 現在多くの国で採用されているグレゴリオ歴では、 ・西暦を4で割って、割り切れる年は原則閏年 ・ただし

        「9枚の白紙カード」 ~ 解答・解説編

          有限自然数列のナンバリング案3

          引き続き、有限自然数列のナンバリングについて考えたいと思います。今回は第三案、前二回とは全く異なったアイデアに基づきます。 概要は次になります。 1.何らかの方法により、有理数に番号を与える。 2.有理数を正規連分数展開し、現れた数列に1で与えた番号を当てる。 二点大きな問題があります。1で「何らかの方法」と書きましたが、どのような方法でもあり得ます。方法の数だけ、ナンバリング案があると言えます。プログラミングすることを前提にすると、 有理数 ⇔ 番号 の変換が簡単である

          有限自然数列のナンバリング案3

          有限自然数列のナンバリング案2

          前回に続いて有限自然数列のナンバリングについて考えます。 今回は、第二の案です。 定式化第二案 ・数列 $${\{1\}}$$ の番号を $${1}$$ とする。 ・番号 $${k}$$ が与えられてある数列に対し、最終項が、 $${1}$$ 大きいだけの違いを持つ数列があった場合、その数列 の番号を、$${2k}$$ とする。 ・番号 $${k}$$ が与えられてある数列に対し、新しい項として、 $${1}$$ を付け加えただけの数列があった場合、その数列 の番号を、$

          有限自然数列のナンバリング案2

          有限自然数列のナンバリング案1

          有限自然数列 有限自然数列とは、項数が有限で、各項が自然数(正整数)である数列を指します。有限自然数列と分類される全ての数列に対し、唯一の番号を与え、  数列  ⇔  番号 という一対一の対応付けを実現しようというのが本稿の目的です。 今回はその定式化案その1です。 定式化(番号設定のルール) ・数列 $${\{1\}}$$ の番号を $${1}$$ とする。 ・番号 $${k}$$ が与えられてある数列に対し、新しい項として、 $${1}$$ を付け加えただけの数

          有限自然数列のナンバリング案1

          連分数の独自メモ ~のび太算を使った評価法~

          連分数とは、 $${x_0+\dfrac{y_1}{x_1+\dfrac{y_2}{x_2+\dfrac{y_3}{x_3+\dfrac{y_4}{x_4+\dfrac{y_5}{x_5+\dfrac{y_6}{x_6+\cdots}}}}}}}$$ のような形の繁分数のことで、特に、下のように、$${y_1,y_2,…}$$等が全て$${1}$$で、$${x_0,x_1,x_2,…}$$等が全て正整数である場合、正則連分数と呼ばれる。 $${a_0+\dfrac{1}

          連分数の独自メモ ~のび太算を使った評価法~

          のび太算考

          小学生の頃、算数の問題で「最大公約数を求めなさい」という問題がありました。「70と56の最大公約数は?」とか、「72と120の最大公約数は?」とかです。普通は、両方に共通な約数を見つけ、それで割り、さらに割り切れるものはないかと、繰り返します。 (70,56)の場合は、共通の約数7が見えるので、それで割って(10,8)。さらに2で割って(5,4)。これ以上はないので、7と2の積14が最大公約数と解ります。(72,120)の場合は、いきなり12が見えます。それで割ると(6,1

          のび太算考

          原始ピタゴラス数、(0,1)有理数、60の倍数の角度をもつ三角形のナンバリング 

          これまで、原始ピタゴラス数、区間(0,1)の有理数、60の倍数の角度を持つ三角形に対し、一定のルールを定めてナンバリングしてきました。今回は、それらをまとめて表示するプログラム、及び、それら一部の情報から、他のものを表示するプログラムを示します。 まずは、原始ピタゴラス数、有理数、60の倍数の角度を持つ三角形を、それらに与えられている番号順に表示するプログラムです。 必要な情報を全てメモリに確保し出力しています。一覧表示する時は、この方法が効率的で、プログラム自体もシンプ

          原始ピタゴラス数、(0,1)有理数、60の倍数の角度をもつ三角形のナンバリング 

          区間(0,1)有理数の整列 ~ナンバリング   元祖・のび太算の利用

          $${\dfrac{2}{5} + \dfrac{1}{2} = \dfrac{2+1}{5+2} =\dfrac{3}{7}}$$ これは、誤った計算です。マンガドラえもんの中で、のび太の答案にありそうな間違いで、このような計算を「のび太算」と呼んでいたと記憶してます。確認のため検索したところ、全然見つからず、それどころか百マス計算か何かで同様の名前が使われていて、そちらの方ばかりがヒットする。 「のび太算」の命名者は、分母同士の和を分母に、分子同士の和を分子にするこの

          区間(0,1)有理数の整列 ~ナンバリング   元祖・のび太算の利用

          60の倍数の角度を持つ三角形の整列  ~ ナンバリング

          60の倍数の角度を持つ三角形を通し番号付きで列挙します。 番号は元々(0,1)区間の有理数に与えられたものですが、これまで書いてきたように、(0,1)区間の有理数と60の倍数を持つ三角形を無理矢理1対1対応させ、流用したものです。 各行最後に4つの数字が載っていて、そのうち一つが括弧で囲まれています。これを除いた三つの数字で三角形を作ると、60度または120度または180度の三角形が作れます。行中の 「鋭」は60度の角度を持つ鋭角三角形 「純」は60度の角度を持つ鈍角三角

          60の倍数の角度を持つ三角形の整列  ~ ナンバリング

          「60度または120度」改め、「60の倍数」の角度を持つ三角形の整列

          昨日は、$${\dfrac{1}{\sqrt{3}} < t < 1}$$ の有理数のナンバリングをどうするかというところで終了しました。 結論から言うと、あきらめました。 $${\dfrac{1}{\sqrt{3}} < t < 1}$$に属する有理数を次々と生成し、番号を割り振ることはできるでしょう。しかし、$${\sqrt{3}}$$という無理数が含まれているため、新しく作った有理数を採用できるか廃棄せねばならないかは、無理数との大小比較を通して行う事になり、ナンバ

          「60度または120度」改め、「60の倍数」の角度を持つ三角形の整列

          60度または120度の角度を持つ三角形の整列問題は特定区間の有理数の整列問題

          $${A(0,\sqrt{3}),B(-1,0),C(1,0),D(x,0)}$$   但し、$${0 < x < 1}$$ とすると、 $${\overline{AB}=\overline{BC}=\overline{CA}=2, \overline{BD}=1+x, \overline{CD}=1-x, \overline{AD}=\sqrt{x^2+3}}$$ です。そして、  $${\overline{BD}^2+\overline{CD}^2+\overlin

          60度または120度の角度を持つ三角形の整列問題は特定区間の有理数の整列問題

          続・迷走中

          昨日の問題の解答です。問題は、次 ある二つの数$${m,n}$$があります。$${m}$$は奇数で、$${n}$$は偶数です。 $${m-n、m+(n/2)、m+n}$$ 等全てが平方数になるのはどのような時か まず、$${m-n}$$と$${m+n}$$が平方数であるから、それぞれ、 $${m-n=a'^2,m+n=b'^2}$$ ($${a',b'}$$は整数)   ・・・(★) と置くと、 $${m=(1/2)(a'^2+b'^2),n=(1/2)(-a'^2+b

          続・迷走中

          迷走中

          問題です ある二つの数$${m,n}$$があります。$${m}$$は奇数で、$${n}$$は偶数です。 $${m-n、m+(n/2)、m+n}$$ 等全てが平方数になるのはどのような時か 今日は、これで、ご勘弁を 解答は恐らく明日。 #数学がすき