イーサスキャンって何？どうやって使うの？
ブロックチェーンのまさに「広告塔」と言っても過言ではないイーサリアムは、ブロックチェーン界隈の議論において、間違いなく最大で最も重要な暗号資産の1つです。
しかし、多くの初心者、中級者、そして熟練したブロックチェーンユーザーはでも、時折イーサリアムのブロックチェーンを理解する難しさに悩むこともあるかもしれません。今回の記事を読めば、少しでも理解の助けになるかとおもいます。
この記事の情報は、イーサリアムのブロックチェーンに関するすべての疑問を魔法のように振り払うことはできませんが、間違いなくあなたのブロックチェーン体験をより楽しくするための助けになります。
イーサリアムの新しい教育シリーズへようこそ。これは、イーサリアムブロックチェーンおよびその他多くのブロックチェーンの内部動作についてすべてを理解するための啓発活動です。
ブロックチェーンエクスプローラーとは？
イーサリアムのようなブロックチェーンは、オープンソースで分散化されているため、インターネットに接続できる環境であれば、誰でも必要なときにいつでもその内容を調べることができます。
そこで登場するのがブロックチェーンエクスプローラーです。このプラットフォームは、ブロックチェーンの基礎知識を学ぶ際にとても大事な土台となり得ます。
とはいえ、Moneroのように分散化よりもプライバシーを優先するブロックチェーンは、情報へのアクセスを制限する可能性があります。しかしそれ以外では、ほとんどのブロックチェーンはリクエストに応じて情報を確認することが可能です。
ネットワーク活動をピアリングしたり精査したりするための、人気はあるがあまり使われていないツールの1つが「Etherscan」です。
イーサスキャンの基礎知識
このブロックチェーンエクスプローラーは、ユーザーがリアルタイムでトランザクションを確認したり、ウォレットアクティビティ、その他全てのイーサリアムブロックチェーン上のあらゆるものを確認できるようにするツールです。イーサスキャンをより簡単に理解するには、ブロックチェーンのためのGoogleである、として考えてみてください。
この使いやすくて信頼できるブロックチェーンツールは、ユーザーがイーサリアムのブロックチェーンの細部にアクセスするためにサインアップを要求することもないため、イーサリアムのためのGoogleと例えられることが多いです。
イーサスキャンの誕生について
イーサスキャンは、イーサリアムをよりオープンにし、一般の人々がアクセスできるようにするために、現在のCEOであるMathew Tanが率いる小さな開発チームによって作られた非営利のプラットフォームです。
"我々のミッションは、イーサリアムのブロックチェーン上のすべてのトランザクションを可能な限り透明でアクセス可能な方法でインデックス化し検索可能にすることで、ブロックチェーンの透明性を促進することです。"とチームは述べています。
ブロックチェーンエクスプローラーは、イーサリアムと同時期の2015年に、マレーシアのクアラルンプールで立ち上げられました。
イーサスキャンは月間500万人のユーザーを誇り、イーサリアムブロックチェーン上のイベントや事象の「真実」として利用されています。
イーサスキャンはイーサリアムのアーカイブとしても機能していて、新規参入するイーサリアムやブロックチェーン愛好家のためにも歴史的データを保存しています。
ネットワークは完全に独立しており、イーサリアム財団から資金提供や管理を受けていないため、イーサリアムに関する公平なスタンスを維持することが可能です。
イーサスキャンを理解する
イーサスキャンの基本的な機能は、他のブロックチェーンエクスプローラーと同様です。ユーザーはブロックチェーン上の取引、ウォレットアクティビティ、スマートコントラクトなどを調べることができます。
イーサスキャンは上部の検索バー、またはウェブサイトのホームページ上のメニューオプションを選択するだけで、ユーザーにこのすべての機能を提供します。
ブロックチェーン技術は、すべての活動に対して透明性を提供し、ユーザーにデータを照会する手段を提供します。イーサスキャンは、このデータの集約と視覚的なインターフェース、つまり検索エンジンとして機能します。
それだけでなく、そのユースケースは、一般的なブロックチェーンエコシステムの進化に伴い、より多くのデータやサービスを含むように、年々拡大しています。
前述の通り、ユーザーはイーサスキャンでアカウントを作成するか、作成をせずにプラットフォームを利用するかを自身で選択することができます。アカウントを持たないからといって、ユーザーがアクセスできるデータ量が制限されることは一切ありません。
また、開発者はAPIサービスに簡単にアクセスし、分散型アプリケーション（dApps）を構築したり、データフィードとして機能させたりすることができます。これについては、後ほど詳しく説明します。
ユーザーアカウントをサポートしているため、Etherscanはウォレットサービスプロバイダーであると考える人もいますが、そうではありません。
また、ウォレットアドレスはイーサスキャン上で統合することはできません。しかし、イーサスキャン上でイーサリアムアドレスを入力し、取引やアクティビティを追跡することができます。
なぜイーサスキャンは利用される？
基本が分かったところで、「なぜ」という疑問が頭をよぎったのではないでしょうか。ブロックチェーンエクスプローラーを使うべき理由を答えることは、自立した考えを持つブロックチェーンユーザーになるために必要なことです。
ブロックチェーンを探索し分析する方法についてより多くの知識を得ることで、ブロックチェーンユーザーや愛好家としてより良い視点を得ることができます。それ以上に、イーサスキャンの使い方を知ることで、間違った判断やコストのかかる判断をせずに済み、さらに先手を打つことができるのです。
例えば、クジラの活動を監視することで、取引所に出入りする大量の暗号資産の動きについて常に最新情報を得ることができます。ほとんどの場合、この知識や情報は、市場の上昇を先取りするために使用することができます。
また、イーサスキャンからの情報を使用して、トークンの作成者がトークンで行っていることについて詳細な精査を行うことができます。この精査により、スキャムやラグプルを回避することができます。
イーサスキャンの使用方法
イーサスキャンのウェブサイトにアクセスするだけで、簡単に調査を開始することができます。特定のウォレットの詳細やトランザクションを表示するには、ユーザーは特定のウォレットアドレスまたはトランザクションIDを提供する必要があります。
イーサスキャンでは、ユーザーは目的のアドレス、トランザクション ID、ブロック、トークン、Ethereum Name Service (ENS) を素早く検索することができます。前述の通り、Google の検索バーに単語を入力するのと同じように簡単に行うことができます。
また、ホームページでは取引履歴の閲覧や検索、イーサリアムネットワークの現況の確認が可能です。さらに、ユーザーは、追跡するアカウントのウォッチリストを作成し、メモを取ったり、通知をオンにしたりすることができます。
ユーザーがイーサスキャンで行える機能を以下にまとめます。
イーサスキャンでトランザクションを検索する
イーサスキャンの最も一般的な使用方法の1つは、特定のトランザクションを表示および追跡することです。ブロックチェーンエクスプローラーで特定の取引を調べるには、検索バーで取引IDを入力するだけです。
取引詳細を開くと、その契約に関連するすべての取引が表示されます。これには、鋳造、送金、販売、焼却、ウォレットの設定など、さまざまな取引が含まれます。これらすべてのデータとアクティビティはブロックチェーン上でタイムスタンプまでされています。
トランザクションハッシュの監視
トランザクションハッシュは、ブロックチェーン上の取引の進捗を追跡するために使用されます。トランザクションを監視するには、問題のトランザクションハッシュをコピーして、Etherscanの検索バーに貼り付けるだけです。そうすると、トランザクションの詳細が次々と表示されます。表示される情報には、取引状況（失敗または成功）、それが送信されたブロック高、取引コスト、取引のガス価格、送信者と受信者のウォレットアドレスなど、多くの情報が含まれています。
ウォレットアドレスを調べる
ユーザーは、特定のウォレットの取引状況やウォレットの残高が時間とともにどのように変化したかを簡単に見ることができます。ウォレットの情報は、ウォレットアドレスを入力し、"分析 "を選択することで得ることができます。
ガス代を調べる
イーサスキャンは、イーサリアムネットワーク上でGweiで測定されるガス代を調査するためにも使用できます。ガス代は、イーサリアムの取引手数料の重要な部分であり、ユーザーは取引が確認されたブロックまで追跡することが可能です。ネットワーク上の各ブロックは特定のガス代を特徴とし、既存のネットワークトラフィックやその他の条件に基づいて変化します。
ユーザーは「ガストラッカー」の機能を通してガス料金を追跡し、既存のガス代を確認して取引についてより多くの情報に基づいた意思決定を行うことができます。
また、ガストラッカーは、ネットワークの混雑状況を予測するための指標となり、その結果価格の変動が起こる可能性があります。ユーザーは、ガストラッカーを使用して、特定のスマートコントラクトを通すための必要なガス代を確認することもできます。
NFTを表示する
イーサスキャンは2022年に新機能をリリースし、ユーザーがイーサスキャンから直接NFTを見ることができるようになりました。この新機能により、ユーザーは基礎となるNFTのすべての情報の内訳を知ることができ、より良い取引の意思決定が可能になります。
また、この新機能により、初心者や初級者がNFT空間をナビゲートすることが容易になり、NFTの所有権と取引の透明性が高まります。これにより、NFTの売り手がNFTの本来の所有者であり、詐欺でないことを確認することが容易になります。
また、NFT保有者は自分のコレクションを1つのページで確認することができます。イーサスキャンを開き、検索バーにウォレットアドレスを入力すると、そのアドレスが表示されます。トランザクションバーで「ERC721 Token Txns」をクリックすると、即座にNFTのリストが画面に表示されます。さらに「Details」をクリックし「View NFT」をクリックすると、NFTの詳細とプロパティが表示されます。
DAppのトークンapproveを確認する
DAppに接続することで、自動的にウォレット情報とDAppへのアクセスが提供されます。そのため、どのDAppとやり取りを行なっているか、そのプロジェクトに自分のウォレットにアクセスさせたいのか、正確に把握することが不可欠です。
DeFiプロジェクトに触れる前に内容を吟味すれば、潜在的な落とし穴からあなたを救うことができますが、信頼できるプロジェクトがその目標と使命に忠実であるか、妥協されていないことを確認したいものです。イーサスキャンは、そんなあなたをサポートします。
DAppに関する必要な情報の提供とは別に、イーサスキャンはユーザーが分散型アプリケーションのウォレットアクセスを取り消すことを可能にします。ユーザーは、ユーザーが信頼しなくなった特定のDAppをブロックするオプションを提供するToken Approval Checkerポータルを通過することで、ウォレットアクセスを取り消すことができます。
Token Approval Checkerオプションでウォレットアドレスを検索し、ウォレット上で承認されたスマートコントラクトのリストを確認し、「Revoke」アイコンをクリックするだけで、ウォレットへのDAppのアクセスを終了させることができます。
イーサスキャンでスマートコントラクトを表示する
イーサリアムはDeFiの王者であり、最も大きなブロックチェーンエコシステムであり続け、分散型金融の分野では不可欠な存在となっています。そのため、イーサリアムはスマートコントラクトの最も好ましい選択肢です。
イーサスキャンを使用してスマートコントラクトとそのインタラクションを検索することは、間違ったコントラクトに送信して資金を失うことを避けるための良い方法です。
このブロックチェーンエクスプローラーを使えば、スマートコントラクトの履歴を調べたり、所有権を確認したりすることが簡単にできます。
エアドロップを見つける
最近イーサスキャンにエアドロップの詳細とサポートを提供する機能が新たに搭載されました。ユーザーはすべてのエアドロップを見つけることはできませんが、Etherscanではどのエアドロップがアクティブかどうかの概要を見ることができ、それによってユーザーがエアドロップを見つける可能性を大きくすることができます。この機能は、特定のエアドロップを取得する資格を確認する場合にも有効です。
DEXのアクティビティを追跡する
イーサスキャンのユーザーは、お気に入りの分散型取引所に関する情報を調べることができます。イーサスキャンは DEX のアクティビティとパフォーマンスを統計的に表現します。
DEXのチャートは、好みの指標や形式に合わせてカスタマイズでき、ダウンロードすることもできます。
ERC-20トークンのアクティビティの確認
イーサスキャンはユーザーが市場でお気に入りのERC-20およびERC-721トークンを追跡することを可能にします。検索バーにトークン名を入力するだけで、現在の価格、現在の時価総額、トークン保有者の総数、取引数、トークンに記載されているコントラクト、そのトークンを含むすべての取引など、詳細なトークン情報を取得することが可能です。
このようなユーティリティは、ユーザーが新しい暗号資産の発見や、投資の意思を決定しようとしているときに便利です。
ユーザーはホルダーを見ることでプロジェクトのトークン分配構造を見ることができ、そのトークンがクジラによる不当な操作や不均等な分配の影響を受けやすいかどうかを評価しようとするときに便利です。
NFTを発行する
イーサスキャンはNFTの愛好家がお気に入りのNFTを発行するために使用することができます。これはトークンのローンチを取り巻く盛り上がり、がミンティングウェブサイトに大量のアクセスを引き起こし、ウェブサイトの速度低下、応答不能、クラッシュの原因となるような場合に特に有用です。
ユーザーは、イーサスキャン上のプロジェクトのスマートコントラクトから直接、NFTを発行することができます。LootなどのいくつかのNFTプロジェクトは、このコントラクトを通じてのみ発行されています。
イーサスキャンを使用してNFTを発行するには、まずウォレットに十分なトークンがあることを確認し、イーサスキャンの検索バーでスマートコントラクトのアドレスを検索します。「Connect to Web3」アイコンを使用してウォレットをプラットフォームに接続する必要があります。その後、「mint」をクリックし、取引の詳細を入力し、取引を確認すると、ウォレットにNFTが振り込まれます。
APIを使用する
イーサスキャンのもう一つの重要な特徴は、そのアプリケーションプログラミングインターフェース（API）サービスです。この機能は、ブロックチェーンのエキスパートユーザーや開発者にとって便利であり、ブロックチェーンの初心者や中級者にとっても教育目的で有用です。開発者はブロックチェーンエクスプローラーでアカウントを作成し、そのAPIを使用して分散型アプリケーションを作成することができます。
NFTの愛好家は、イーサスキャンでDAppを作成することもできます。DAppは専用のNFTトラッカーページを持ち、そこでイーサリアム上のすべてのNFT取引とアクティビティを追跡するからです。
イーサスキャンはまた、開発者がそのサービスをアプリやウェブサイトに統合することも可能で、その場合、イーサスキャンから直接情報や統計を表示することができるようになります。
APIによってユーザーがウェブサイトに表示できる情報には、特定のアカウント情報、コントラクト、トランザクション、ブロック、イベントログ、Geth/Parity Proxy API、その他のブロックチェーン統計などが確認できます。
ブロックチェーンの追跡
イーサスキャンの最も一般的な用途の1つは、イーサリアムに関する情報を表示することです。ブロックチェーンエクスプローラーを使用して、毎日のトランザクション、ユニークアドレス、平均ブロックサイズなどの市場指標を含むイーサリアムエコシステム全体のチャートと統計情報を表示し、概要を導き出すことが可能です。
このような情報は、イーサリアムの専門家や愛好家にとって非常に貴重であり、特に巨大なブロックチェーンがProof of Work（PoW）システムからProof of Stake検証方式に移行していく中で、非常に重要です。
イーサスキャンの制限事項
イーサスキャンはユーザーに計り知れないメリットを提供する一方で、欠点がないわけではありません。1つは、プラットフォームによって提供される情報は、特に初心者や初心者の一部にとってあまりの多さに圧倒される可能性があります。
ほとんどのトレーダーが経験する別のドローダウンは、イーサリアムはアクティブな取引チャートを提供していないことです。ユーザーはアクティブな取引チャートにアクセスし、イーサスキャンの統計情報を表示するには、画面を切り替える必要があります。
また、暗号資産の取引はプラットフォームから実行することができないため、投資または取引サービスとしては不向きです。
最後に
イーサスキャンは使いやすく、無料のブロックチェーン分析ツールであり、使い慣れた人にとってはほぼ不可欠なものとなっています。プラットフォーム上のほとんどのツールは、基本的に説明がしっかりとあるため、短期間で学習し、マスターすることができます。このため、ブロックチェーン分析のスキルを向上させたいユーザーには最適なプラットフォームです。
現在、市場には他のブロックチェーンエクスプローラーがありますが、イーサスキャンはほとんどの競合他社が使用したテンプレートであることを考えると、多くの点で先行しています。このため、習得したイーサスキャンを扱うスキルは、他のブロックチェーンのエクスプローラーでも活用することができます。
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