大の大人だからたまごっちを育てよう
90年代を象徴するアイテムのひとつといえば、間違いなくたまごっちでしょう。
この言葉を聞いて懐かしい!と思った人はとっくに大人になっています。
たまごっちというのはバンダイから発売された携帯ゲーム(デジタルペット)で、画面に表示されたたまごっちと遊んだり餌をやったりして育てていくゲームです。
卵から生まれ、数日で育ちそして死んでいく何ともはかない生命ですが、たまごっちは今も生きています。
たまごっちは昨年で生誕20周年(!)を迎え、新作もバンバンリリースされているのです。
だから、たまごっちは今もお店で売られています。子供の頃、品薄で買えず指をくわえていた人も今なら堂々と買えてしまうというわけです。
現在販売されているのは「たまごっちm!x」という機種です。
これはなんとカラー液晶で、本体もかなり分厚くなっています。(電池はボタン電池ではなく、単4電池を使います)
ただ、ゲームの基本は初代と全く変わらず、餌をやったり遊んであげたりうんこを掃除したりしながらたまごっちを育てていきます。(もちろん、世話しないでいると死にます)
操作方法も初代から全く変わっていないので、一度触った記憶のある方ならすんなり操作できるはずです。
プレイの流れですが、卵からかえった幼児期→身体の小さな反抗期→いろいろなかたちに分化する思春期→大人にあたるフレンド期の4形態(フレンド期以降はないみたいです……)を育てていきます。
従来より育成スピードが速まっており、幼児期から反抗期までは1時間、それ以外は1日で変身します。
で、このたまごっちm!x最大の特徴は結婚と子作りが出来ること。
結婚したたまごっちが産んだ子が、親の特徴を引き継ぐのです。
結婚要素自体は前のたまごっちでもありましたが、今回は交配させることで親の形や色を引き継いだ自分だけのたまごっちが作れます。
組み合わせの妙で想定外に酷い見た目のたまごっちが生まれたりもしますが、何度か見ているうちに愛着が湧いてくるような気がしないでもありません。(どうしても気に入らなければさっさと結婚させてしまえばよい)
とはいっても引き継ぐのは外見だけなので、「いかに自分好みの見た目のたまごっちを作るか」というのがゲームの目標になってくるわけですね。
上手くいくかどうかは運の部分が強く、予想通りに育たない方が多い。その分、かわいい見た目に育った時の喜びはひとしおというものです。
これがですね、自然の摂理を弄んでいるような背徳感をもたらしている。
理想の一匹を作るために育成を管理し、結婚相手を選び、家系図を構築していく。
そこにたまごっちの意志は介在せず、ただただプレイヤーの好きなように人生を生きていく。
家族構成はちゃんと見られるようになっていて、これはロマサガ2の歴代皇帝を見るシーンが好きな人にはたまらない要素でしょう。
ウェブサイトに登録しておけばいつでも閲覧することが可能で、シェアしたり他のプレイヤーの家系図を閲覧したりすることもできます。
このおかげで、「俺の一匹」「俺の家族」を堂々と見せ合いっこできてしまうのです。
ここで筆者の家系図を見ることができます。
自分しか知らない人生史を覗き見、そして神として操作していくような楽しさがこのたまごっちの魅力といえましょう。
もちろん通信要素もあって(兄弟姉妹や友人とたまごっちを通信させて遊んだ人も多いのでは?)、通信相手のたまごっちと遊んだり結婚したりも可能です。いろいろ混ざった状態のたまごっちと結婚すれば、より変な見た目の子供が産まれるかもしれない?
たまごっちといえば育て方によって変身するキャラが違うというゲーム性がありましたが、本作では交配のほうにウェイトが置いてあるので育て方をわざと違えてもそこまで変化が生じるわけではないようです。
だからマメにえさをやってマメに遊ぶという「最適解」を選び続けることになるという単調さも生まれてしまっているのですが……でもゆるくプレイしていても時間がとれなくても十分に楽しめる要素はいっぱいあります。
世話ができないというときにはシッターや親に預けることもできますし、初代に比べれば機嫌と腹減りもゆっくりめです。
しかし「たまごっちを本当に生きている生き物のように扱う」というのはたまごっちの基本コンセプトなので、「好きなときに好きなだけ遊ぶ」というプレイスタイルは不向きです。
ペットに好きなときにだけ餌をあげるだけでは飼育が成り立たないのと同じです。
ではなぜ、大の大人がそんな手間のかかるたまごっちを持つことをオススメするのか。
それは、たまごっちに凄まじい生活リズム矯正機能があるからです。
たまごっちは朝起きて夜眠るので、生活が不規則ぎみになりがちな人は強制的にたまごっちの生活に合わせることになります。
放っておくと死んでしまうので、必死にならざるを得ない。
これほど強烈な生活リズム矯正マシーンはあるだろうか。
だから、オススメしたいのは寝たいのについつい夜更かししてしまって……とかどうしても朝起きられない……とかの悩みのある人へ、です。
本当にバチッと生活リズムが改善されるので嘘だと思って試してみてください。
最新式はどうも……と思う方には初代の復刻版もありますのでそちらもどうぞ。ただしこちらは本当に復刻版なのでシッターなどの救済措置のないシビアなゲームです。
さあ、掌の上で他人の人生を思い切り転がしてみませんか。
ここまで読んでいただいた方におまけとして、攻略TIPSを書いておきます。
朝マルシェを駆使して節約しよう
結婚にはゆびわ(500G)が必要なのである程度は資金をキープしておきたいところ。そこで利用したいのが一日一回、朝にこうえんに行くことで利用できる朝マルシェ。ここではアイテムが半額で売られており、通常タウンでは売られていないものも売られている。1回につき1つしか買えないが、有効に使えばぐっと楽になる要素なので駆使しよう。
温泉マラソン
アニバーサリーバージョン以外でいけるぱっちの森の温泉では、1000Gが貰えるイベントが発生することがある。何度も足しげく通えばたちまち金が貯まる。ぱっちの森はフレンド期になった状態で庭に出るだけでアンロックされるのでそこまで条件が厳しいわけではない。
遺伝傾向のコントロール
似せたい親の出身地のアイテムを使うほど、その親に似やすい傾向があるとのこと。街が狙いの親の出身地に近くなるのが目安だろう。しかし、友達とアイテムで遊ぶのもカウントされているらしいので、狙いの交配相手の好感度稼ぎをしている際にはフレンド期まで目当ての親に似せることを優先するなどして気を付けるべきである。
初回育成のおすすめ
お世話ミスを7回以上することでなるキャラには初回育成でしか進化できない。特にこだわりがなければ、この限定キャラを狙うのもありだろう。
お世話ミスの回数は進化しても引き継ぐ。おにぎりを1つだけやる→呼び出しを無視→サインが消えたらおにぎりを1つ与えるを繰り返すのが楽。
逆光源氏作戦
結婚させたい狙いの相手と幼少期から遊ばせて好感度を上げると効率的である。成長してからまとめてやろうとすると結構めんどくさいし、愛情上げにもなるのでこまめに遊ばせるのがいいだろう。
好感度が最大までいっていると逆にプロポーズされることもある。この場合、通常必要な結婚指輪はいらないのでちょっとした節約になる。
通信はやるべきか?
巨大なたまごっちが置いてある店もある。これと通信することで限定アイテムが得られたり限定キャラと交配したりできる。大人にはとてもハードルの高い行為だが、恥をかき捨ててでもやる価値はある。
通信によってアンロックされる要素が多数あるからだ。交配やアイテムのバリエーションが増えるので通信するのはおすすめです。
筆者紹介
nyapoona (Twitter: @nyapoona)
サブカル寄りにカオスにやってます。
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