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【学習お悩みQ&A第1回③】家庭での学習の心配事にお答えします!

この記事は、下期リンク記事の続きとなります。
※この記事は、深澤英雄先生(神戸市の小・中学校で38年間教壇に立ち、教職大学院の特任教授を4年半務める。現在は和歌山大学教育学部の非常勤講師として学生の指導に当たる。)をお招きして、久保田学園グループ代表久保田勤とグループ講師宮後が対談を記事にしたものです。

集中力がない・学習習慣がつかない・親がそばにいないと勉強しない その③


家庭で学習するってそもそもなかなか難しい!

久保田:前回、前々回と、”集中力がない”・”学習習慣がつかない”・”親がそばにいないと勉強しない”問題を解決するには、「ルールの設定」が大切だというお話を伺いました。

深澤:前回、前々回とはありがとうございました。これまでに、このようなお話をしたのは、まずもって家庭で学習するというのは、子どもにとって至難の業だということを保護者の方にわかっておいてもらいたいからなのです。

久保田:確かに、そうですね。学校や塾は勉強に集中できる環境が整っています。共に学ぶ仲間もいますもんね。家庭では勉強よりも休息したいという気持ちが勝るかもしてませんね。

深澤:そうなんです。家は、漫画・テレビ・ゲームなど誘惑もたくさんあります。教えてくれる先生もいるわけでもありません。保護者のみなさんも、仕事から帰って家でくつろいでいることでしょう。本来そんな中でも一人で勉強しなければならないんです。

久保田:私も成績アップ、ひいては子どもの成長のためには家庭学習はやはり欠かせないことだと考えています。子どもの成長を望む保護者のみなさんもやはり家庭学習は大事だと思っている方が大半だと思います。やはり子どもに家での勉強をがんばってほしいと願う方が多いと思います。

深澤:もちろんそうだと思います。だからこそ誘惑が多く、本来休憩する場所である家庭でも勉強しようとしている子どもを応援、支援していこうと思っていただきたいんです。誘惑に負けないようにしている中で、さらに頭ごなしに”勉強しろ”と指示命令してしまうと、余計に我慢を強いることになってやはり続かなくなってしまいます。

久保田:応援、支援していく気持ちで子どもに接することがたいせつなんですね。そのような接し方をするためにも、前回までのお話にあったように話し合いでのルール作りが大切だということなんですよね。

深澤:その通りです。子ども・保護者、お互いが落ち着いた気持ちにの時にゆっくりと話し合いをしてルールを決めていくのが、勉強が習慣化していくための秘訣だと思っています。

久保田:気持ちが安定しているというのは大切ですね。私も経験あるんですが、子どもに”勉強しなさい!”っていうときは、大体自分がイライラしてしまっていることがほとんどです。

深澤:イライラしている状態で子どもに指示命令してしまうと、ほぼ逆効果ですね。反発を招くことも多いと思います。反発がなかったとしても、親にいつ怒られるかわからないという状態で勉強するものはつらいものでもあります。

安心して学習できる環境作り

久保田:勉強時間、勉強場所、学習の予定、休憩とのバランス、親のサポートや声掛けについてこれまで伺ってきました。ルール決めることも大切だが、親のサポートも大切ということですね。

深澤:そうですね。それらは前回までにお話した通りです。。ルールは必要ですが、ルールを決めたらその通りになるかというとそういうわけではありません。状況にあわせて変更していったり、軌道修正していくことが大切ですが、そこにルールに対する安心感と信頼が大切だと思います。

宮後:ルールに安心感は大切ですね。交通ルールなどもよく考えれば、安心して道路を使うためにありますもんね。ルールがなかったら怖くて道をあるけなくなってしまうかもしれません。縛り付けるだけがルールじゃないですもんね。勉強も同じかもしれません。ルールがないと、かえって安心して勉強できないかもしれません。

深澤:その通りだと思います。ルールという基準が大事だと思います。叱るにしても明確な基準が大切です。ルールのない叱り方の代表例を一つ紹介します。兄弟がいらっしゃる場合でよくあるケースなのですが、”お姉ちゃんは勉強してるのになぜしないの?”という叱り方をしてをしてしまうケースです。これに子どもは猛反発したり、自信を完全に失ってしまうこともあります。。

久保田:たしかに教育において、人と比較するのはあまりよくないといわれますね。子どもは”自分は自分だ!”と思っているのに、人と比較されてはどうしようもないという気持ちになりますよね。

深澤:比較はあくまで、過去の自分との比較であることが大切です。人と比較されても人は変えることができません。ですが、自分自身であれば変えることができます。昨日、”ルールよりも10分遅く勉強を始めた自分”なら反省して改めることができます。ですが、”成績優秀な姉”との比較だと、どうしようもありません。そこにはルールがありませんよね。ですがなんとなく比べる相手は存在していまいます。そうすると”自分はできない人間なんだ”と自信を失ってしまうんです。

久保田:子どもは学校など様々な場所で他人との比較にさらされています。最初から自分に自信のある子どもならば”なにくそ!”とがんばるケースもあるにはあります。ですが、この比較が子どもに自信を持たせたり勇気づけたりすることはあまりありません。自分自身を成長させるには、”過去の自分との比較”であると気づいてももらうことはとても大切です。

宮後:過去の自分との比較できるようになるためにも、ルール作りが大事なんですね。ルールを守って勉強しているというのは安心感もありますし、基礎的な自信を持つことができるようになる気がします。

深澤:その通りだと思います。その上で、もし仮にテストの結果が良くなかったということがあれば、より点数を取れるようにルールの反省をすればよいのです。悪かったのはやり方であり、やり方を変えればもっと良い結果がでるはずだ!と考えればよいのです。

久保田:確かにそうですね。あくまでやり方を反省するのであって、自分自身が悪かったんだと考える必要はないというのは大事ですね。そして、やり方やルールの部分を保護者と子どもで話し合い、励ましあいながらルールを変えていってまた学習していけばいいわけです。。

宮後:たしかにそれうですね。勉強のルールとは、学習の過程にあたる部分だと思います。”結果”でなく”過程”が大事にするという勉強の基本が身につくんですね。これはすごく大切な考え方だと思います。

次回の質問

久保田:今回は、保護者の方のご質問に様々な角度から深澤先生からお話しいただけました。次回はどういう質問の予定ですか?

宮後:次回は、
 ”宿題を早く済ませようとして、内容の理解が心配”
 ”塾や学校の宿題を親が全くチェックしないと、ごまかしてしまう”
 ”やり直しをするように言うと子どもが怒り出す”

について、お話伺おうと思います。深澤先生次回もよろしくお願いします。

深澤:また、次回もよろしくお願いします。