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「クボタ食堂」

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自作レシピ集
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2020年8月の記事一覧

【第2皿】 「わたしのハッピーの分水嶺。」

これはまずい、溶ける。 「見ろ、化粧が泥のようだ…!」(見ないで) 本来なら今日はお盆休みだったはずだったのが、よりによって急きょ対面の打合せが入り、この冗談みたいな日差しの中、赤坂にあるオフィスビルまで出向いてきた。 どうやらこの業界の人の元にはご先祖様は帰ってこない世界線らしい。 自宅から電車だと30分かからない程度の距離なので、久々のこの状況だし自転車で向かうことにした。(あとでこれはミステイクだと後悔する事になる) Bianchiのスポーツタイプ、軽くて取り回しの

【第1皿】 「わたしの美味しい夏。」

ムダに長いZOOM会議が終わって、いったんノートブックを閉じ、ふーっと息をついた。 あの人なかなか話終わらないんだよな…。わたし的にはPDFに全部要約して出してるのに何故に一から説明させるかね。ぶつぶつ。 少し換気しておこうと閉めきったサッシを開けると、狂わんばかりの蝉の鳴き声と共に、むっとした熱気が飛び込んできた。 ベランダに出てみると室外機の排熱と相俟って、地獄みたいな状態になっている。これはまいっちゃうな。たまらずにヘアゴムで髪をまとめ、プランターの子達の様子を見てま

"美味い!" 自己肯定のススメ。

どうでもよい事だが、僕はOだ。 血液型の話である。 よくA型でしょう。と言われがちで何故だか几帳面なタイプだと思われている節があるが、いやいやどうして、いたって大雑把な人間である。(なんなら一家揃って仲良くO型だ。) 大抵の事はだいたいでものを進めてしまうし、料理なんてまさしくそれで、基本的に目分量だし手順も脊髄反射に近い。失敗も辞さない。 (それが故に、レシピを書くと脳内が整頓されてグリッドに沿うという逆説的な効果が生まれる。) 自分は料理が好きというより、己に忠実と