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付加価値を考え直してみる

この週末は令和6年度中小企業診断士試験の1次試験が実施されました。
連日暑い日が続きましたが皆さんお疲れ様でした。一か月後に1次試験の合否判定が出ますが、今年2次試験も含めて合格を目指している方は頭を切り替えて2次試験に万全に臨めるように準備を進めてください。

さて前回の記事では、自社の「10年先を見据えた構想」をテーマに技術の進化を振り返ってみましたが、現状の自社のエンジニアの課題の一つに関して考察してみます。


自社の課題

BtoBのSIerである自社の課題の一つは付加価値の向上であると以前から言われていました。

自社の経営陣は昔から付加価値の向上を従業員に向けて発信していました。
また、売り上げに対する営業評価の一つとして粗利率(売上高総利益率)を指標としているのですが、これも付加価値を判断するためだと推測しています。

付加価値とは

付加価値はどう計算するものでしょうか。
上記ページの情報から計算式などを引用すると以下の通りとなります。

付加価値=売上高-生産に要した材料費や外注費など

これは概念的にほぼ粗利に近い数値になるはず。つまり、付加価値の向上とは稼ぐ力、他社との差別化や収力アップにつながるということです。
なお、実際の計算式の詳細は以下のようになるようです。

・控除法(中小企業庁方式)
付加価値額 = 売上高 − 外部購入額(材料費、購入部品費、運送費、外注加工費など)

・加算法(日銀方式)
付加価値額 = 人件費 + 経常利益 + 賃借料 + 租税公課 + 金融費用 + 減価償却費

なお、日本国内の経済活動において生み出された付加価値の総額がGDPとして算出されます。
これは、いわゆる「日本の稼ぐ力」としての指標とされています。

付加価値を上げるためには

では次に付加価値を上げるためにはどうしたらよいのかを考えます。
ここでは原価100円の材料でパンを製造するパン屋さんを例にしてみましょう。

パン屋Aは100円の材料で普通のパンを製造して300円で販売していたとします。

それに対してパン屋Bでは、
どこにでもある300円のパン」ではなく、
本場フランスで30年修業した職人が丹精込めて焼き上げた、今SNSで大評判の1000円のパン」を目指すことで、同じ100円の材料ですが、製造したパンを1000円で販売することに成功しています。

これをもう少し深堀してみます。
パン屋Bの戦略を実現するためには、値段が高くても売れる特殊要因が必要であることは間違いありません。

例えば
・味・品質:第一に味が良いこと
・差別化:他社がまねできない材料、技術
・希少性:一日数量限定の希少性
・ブランド:店舗、職人の知名度を生かした認知度
・流行:SNSなどで好評を得ている注目度

これらの要素でパン屋Bのブランド価値の向上につながることになります。その結果、他社よりも高い値段で付加価値の高い商品を販売することができるということになります。

振り返ってこれらの内容を自社(SIer)に置き換えると以下のようになります。
・味・品質:サービス品質が良いこと
・差別化:他社がまねできない商材、技術、サービスを実現していること
・△希少性:一日数量限定の希少性 ※これは強力に該当するものがない
・ブランド:社名の知名度を生かした認知度
・△流行:SNSなどで好評を得ている注目度 ※これは強力に該当するものがない

前述のように付加価値の高いサービスの実現で稼ぐ力を高めていくことが自社の課題となっています。そのために上記で挙げた内容に注意して業務を推進することを啓もうしていく必要があると考えました。

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