noters（７）　GOEMONと呼ばれた鬼

太閤秀吉さまの御世のこと。
京を騒がす鬼がいた。

鬼は徒党を組み、あらゆる悪事を行った。
欲すれば秘密裏に盗み、あるいは力尽くで強奪ぞ。
女子供も容赦せぬ。

太閤さまが はるか海の向こうの世界へと手を伸ばしなさるあいだ、
鬼どもは我もの顔で夜の都を闊歩し、踊る。

やつらの欲望は留まりゃせぬ。
公家衆、町衆、武家さえも恐怖に怯え、
百鬼夜行に出くわさぬことを祈るのみ。

増長した鬼の頭目に耳元で、ある者が囁いた。
「成功すれば そなたたちが百年暮らせる金銀財宝を」

新たに築かれた伏見の城へ、向かう鬼の頭目は、
欲目に眩み、過信に気づかず。
今宵狙うお宝は、寝所に おわす太閤さまの首ひとつ。

音も立てず入り込んだ その時のこと。
香炉の鳥がさえずった。

あれよあれよ と鬼は囲まれ、逃げ場は失せた。
観念しろい、極悪め。

怒り心頭の太閤さまは、鬼の一族 郎党 残さず全て命を奪った。
三条河原に薪をくべ、狂い煮立つ釜の油の中へ
ざんぶと放り込まれたのが鬼の頭目の末路。

鬼の名は 「石川五右衛門」

noters！！

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この作品は明石 白さんの書かれた原作を基に 一部、久保マシン（Y）の解釈も加えて漫画化したコラボ作品となっています。尚、原作バージョンが、同日の同時刻に明石 白さんのnoteにUPされています。併せてお楽しみください。

明石 白さん原作バージョンはコチラで読めます ↓

noters｜明石　白｜note

注）明石 白さんの「noters」マガジンと（現在、コラボ以外の作品も収納している）久保マシン「noters」マガジンとは、多少、内容が異なっています。

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＜明石 白 ＆ 久保マシン・コラボ作品＞
原作：明石 白
漫画、アレンジ：久保マシン（Y）