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スイスステージの妙、早速の頂上決戦。

 皆様こんばんわ。Kubocciです。本日もWorldsについてまったり喋っていきたいと思います。なお、この記事はある程度lolの知識がある人に向けてのものとなっております。ご了承ください。

 2023 Worlds Swiss Stage

 今大会初めて導入されたこのシステムは、あまりにも早く優勝候補同士を引き合わせた。それもLCKとLPLそれぞれの1位と2位が潰しあう、誰もが見たい好カードであるとともに、各リージョンのファンであればまだ出会ってほしくない決戦である。

 昨年度までのシステムでは、Play-In Stage後たった二試合で同リージョン、それも高順位のチーム同士が当たることはあり得なかった。これは今年のWorldsを象徴する試合となることを意味している。それぞれのチームが、BO1という規格の中でライバル相手にどのような攻勢を繰り出すのかに注目が集まった。
 今回の記事ではこの2試合の中から秀逸だったプレイをいくつか紹介したい。

 まず先に行われたのはGen.G対T1。この試合はBANPICKから意外な展開となった。これまで一切出てこなかった、アカリ・カジックスの登場である。GENはFakerにオリアナを明け渡し、その回答としてChovy選手のアカリをぶつけたのである。(ちなみにカジックスに関してはIn-Gameを見ても筆者には正解だったかわからなかったため有識者の意見を聞きたい所存です)

 このピックが実際どうだったか、結論として、Chovy選手以外にはこのマッチアップは不可能であろうということだ。
まずはレーン戦、当然だが主導権はオリアナにある。集団戦においてもオリアナはボールを使った索敵性能が非常に高く、アカリが単独で行動しようとも本隊の方をショックウェーブで狩ってしまえば問題ないという強みがある。場合によってはもうWorldsでは見られないマッチアップとなってもおかしくないというのが筆者の感想だ。

試合時間4分、Faker選手のオリアナに大きなファーストブラッドが入る

 最初に紹介するのはGENが1stドラゴンを獲得するまでの流れだ。まず4分、少数戦の結果オリアナがファーストブラッドを獲得し、ただでさえ苦しいマッチアップがより重くのしかかった。6分、先の戦闘後、復帰してくる互いのジャングラーはボットサイドからジャングルクリアを行い、トップサイドにいた。これはお互いのチームがある程度把握していた状況である。Chovy選手はここでウェーブを引く、ないし押し付けられることを選択する。これは敵のジャングラーがキャンプをクリアし、自由に動ける時間帯であり、gankのリスクがあったためである。この動き自体は基礎であるが、ここでのGENのチームとしての判断が秀逸だったので取り上げさせてもらった。
 このタイミング、トップのDoran選手がダメージトレードを仕掛けたのだ。上記の通り、ジャーヴァンがいることを把握していたにもかかわらずである。これはジャーヴァンをトップガンクへと誘導するためである。なぜそうだと言えるのか。結果、GENはフリーで1stドラゴンを獲得することに成功しているからである。この時のOner選手の思考はどうなっていたか。まず、ラプターのところにChovy選手がワードを刺してあることは把握していたはずだ。よってラプターをスキップしクルーグへと向かう。これによりカジックスの復帰に対して遅れていたリコールの時間を取り戻しトップないしミッドへのカウンターガンクを狙うことができる。クルーグを狩り終えた後、青バフ近くの入り口にコントロールワードを刺して次の行動を思考する。このタイミングで敵のトップレーナーが奥までダメージトレードをしに来ているのである。自然と足が向かってしまう。しかしそのころにはカジックスはすでにリコールしており、ドラゴンへと直行。結果フリーのドラゴンへとつながったのである。

集団戦開始時、ラカンが捕まってしまう

 GENvsT1からもう一つのシーンを紹介していく。23分試合の流れを決定づけた集団戦だ。ドラゴンを狩っていたGENにT1は勝負を仕掛ける。ゾーニングをしていたラカンをジャーヴァンのドラゴンストライクで捕まえ、一気になだれ込もうとした。そこに突っ込んできたのはChovy選手のアカリ。プロトベルトともに真っすぐ突進し、敵の眼前で煙幕を展開。オリアナのボールをその中心へと誘導する。同時にラカンはヘルスが消し飛ぶ前にアルティメット、みんな俺に夢中を発動。敵のフロントラインを拘束する。これを見たDoran選手はランブルのアルティメット、イコライザーを敷く。ボールの位置が見えたキャリー陣はショックウェーブに細心の注意を払いながら射程に入っていきダメージを出し切った。
 瞬時の判断と高度な連携が合わさった素晴らしい集団戦だった。中でも素晴らしかったのは反転の口火を切ったDelight選手だ。捕まったのがベイトだったかは判断しかねるが、彼がGumayusi選手を捕まえたことが勝負を決めたと言っていいだろう。今後の活躍にも期待したい。


JDG対BLG 衝撃のBANPICK

 続いてJDG対BLGについて。こちらのゲームはGEN対T1以上にBANPICKから衝撃の展開となった。なのでこちらではまず、BANPICKでどのような駆け引きが行われたのか考察していく。

 まず1stBANフェイズ、レッドサイドのBLGはカリスタをオープン。世界最高ADCと名高いRuler選手相手にかかって来いというBANだ。罠である可能性も高い中(というかカウンターのポッピーやタリヤがBANされていない)堂々と飛び込むJDG。待ってましたと言わんばかりのタリヤとヴァイのピックである。並みのプレーヤーであればこの時点でカリスタは機能停止するだろう。返しにJDGはジャーヴァン、レナータをピック。最高の相方であるレナータをひっさげRuler選手の不敵な笑みが見えるかのようだ。それでもキルプレッシャーをかけられるブリッツクランクを選択するBLG。2ndBANフェイズへ突入する。
 お互いに握らせたくないレーナーをBANしてのピックフェイズBLGとしてはトータル4BANを割いたミッドレーンを中心にゲームを運ぶ計画だろう。今大会最有力のザヤがBANされたため、4thピックにカイサを選択する。対するJDG、トップを先出ししなくてはならない結果レネクトンを選択。このためにグウェンはBANしていた。注目の集まるJDG5thピックすでに有力視されているチャンピオンは軒並み消えていた。タリヤに対して何を出すのか。飛び出したのはヴェックスだった。タリヤに対してはもともと出せるピックではあるがパワーが足りないのではないかと疑惑があった。そしてBLGはラストピックにエイトロックスを選択。すべてのチャンピオンが出揃った。

 余談だが、今大会、スイスステージにて現状最もBANされているのがカリスタだ。16試合のうち12試合でBAN、この試合を含め3試合でPICKされている。驚異の登場率を誇っているが、実はこの試合が行われる時点での成績は2戦0勝。すなわちオープンする時点で返しは用意されているということであり、加えて非常に運用が難しいチャンピオンであるということである。
 大会で初めて登場したヴェックス。最強のADCの手に渡る最強の矛、カリスタ。そしてカリスタに向けて用意されたカウンター。ここからどんな試合展開になるのか、多くのLoLファンが固唾をのんで見守った。


試合時間8分、Ruler選手に延びる魔の手

 試合の流れを大きく決めてしまったのは試合時間わずか8分のことだった。BLGはRuler選手を沈めるべく、4人で仕掛ける。そして完璧なタイミングで放たれるブリッツクランクのフラッシュインロケットグラブ。フラッシュの落ちているカリスタ。誰もが当たったと思った次の瞬間。
 なんと完璧なサイドステップで躱してみせた。最強のADCはすかさず反転。そうはさせじと裏へと回ろうとしたヴァイの目の前にはジャーヴァンとヴェックス。Elk選手の決死のフラッシュインもあり1キルは回収したBLG。しかし死体の上にまたがったのは1キル2アシストを獲得した復讐の槍、カリスタだった。
 その後、試合は世界最高の技術を持つADCと最高のチームメイト、そして圧倒的な金額差によりJDGがBLGを蹂躙し、LPL最強同士の戦いはわずか24:35という短さで幕を閉じたのである。

 
教訓ーRulerにカリスタを渡してはいけない。

 以上、2試合の紹介でした。スイスステージ、ほかの試合も非常に盛り上がっておりますので機会があればまた記事にしたいと思います。
 また、水曜日にはBANPICKの統計をまとめたものを投稿しようと思っております。そちらも見に来ていただけると幸いです。
 明日からもますます盛り上がっていくWorlds、しっかりと味わい尽くしていきましょう。ではまた。

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