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「BPaaS」について質疑応答形式でご説明します

こんにちは。Chatwork株式会社経営企画室IR部です。

こちらのnoteでは、投資家の皆様への情報発信の強化とフェアディスクロージャーを目的に、IRに関する情報をお伝えしていきます。
コーポレートサイトのIRページと合わせてご覧いただけますと幸いです。

今回は、当社が次なる成長の柱として重要戦略に掲げている「BPaaS」について、質問形式の形をとりながらご説明いたします。

以下の資料についても合わせてご参照ください。
2023年12月期 通期決算説明資料

1. BPaaSって何?

BPaaSとは Business Process as a Service の略で、ソフトウェアの提供を行うSaaS(Software as a Service)ではなく、お客様の業務プロセスごと巻き取って、お客様の代わりに我々がSaaSを使って、お客様のDXを推進するサービスを意味しています。

2. BPOとの違いは?

BPOは、顧客企業様の労働作業を代替して行うサービスであるのに対して、BPaaSは「SaaSによるDXされた業務プロセス」を提供します。
経費精算の業務を例にとってご説明しますと、

BPO:DXしたい経費精算業務を外部へ委託し、その業務を代行してもらう。委託先の内部でデジタルツールを活用するケースもあるが、顧客にそのプロセスが戻らないケースが主流。

Chatworkが提供するBPaaS:顧客企業様の経費精算業務の全体像を把握し、最も適した型(テンプレート)から合うものを選択したうえで、顧客ごとに「業務効率化」が促進される業務設計を実施。DX化に必要なシステムを導入し、そのシステムの運用までまるっと依頼することが可能。顧客企業の本質的なDXを実現できる業務代行サービス

という違いがあります。

3. BPaaSってこれから伸びる市場なの?

企業活動には、企業のコアビジネス(顧客への価値提供)以外に必要な経理業務や社員への給与支払いなどの事務作業(ノンコアビジネス)が多く存在しています。大きな課題となっている中小企業の生産性向上には、このノンコアビジネスのDXを推進し、業務効率化を図ることが必要ですが、多くの中小企業の方にとって使い勝手が異なる多数のSaaSプロダクトを使い分けることは困難です。
私たちは、BPaaSを通じて中小企業のノンコアビジネスを効率化し、お客様には安心して、より多くの時間をクリエイティブなことに費やし、付加価値をあげ、生産性を向上させてほしいと思っています。それこそが、生産性向上が進まない中小企業市場の「本質的なDXの実現」に繋がり、中小企業の生産性向上の鍵になると考えています。

BPaaSの市場規模は極めて大きく、コミュニケーション領域を含む中小企業のノンコア業務にかかっているコストは42.4兆にのぼります。これは最終的な潜在市場規模(TAM)ですが、すでに顕在化し、今まさにあるBPaaSのコアターゲットだけでも2,983億円の規模と試算しており、中小企業に限定するだけでも、非常に魅力的な市場であると考えています。

4. なぜビジネスチャットを運用しているChatworkがBPaaSを展開するの?

これまで培ってきた圧倒的な顧客基盤と、ビジネスチャットという高価値なプラットフォームがあるからです。
Chatworkは2023年12月末時点で43万社、約664万超のユーザーという、圧倒的規模の顧客アセットを保有しています。また、簡単なUIと社外と接続しやすい特徴により、DXに消極的な中小企業様であっても紹介経由で利用が進むなど、ユーザー数が伸び続けています。
さらに、ビジネスチャットはコミュニケーションツールであるため、他SaaSと比較して圧倒的に滞在時間が長く、顧客との強力なタッチポイントを持っています。
私たちがこれまで事業の柱として展開してきたビジネスチャットこそが、中小企業に対してBPaaSを効率的に展開し、ユーザー企業様のDX化を進めるプラットフォームになると確信しています。

5. 今後BPaaSを拡大させていくにあたって、どんな戦略を立てている?

BPaaSは今まさに始まったばかりの市場であると考えています。
私たちは、ビジネスチャットで培ってきた圧倒的な顧客アセットとプラットフォーム性を生かして、今後数年で圧倒的な競争優位性を獲得していきたいと思っています。

具体的には、サービスの「広さ」と「深さ」を構築すること。企業のノンコア業務には非専門領域(秘書業務や事務業務)と、専門領域(士業やプロフェッショナルな知見が必要な業務)がありますが、その双方に対応できるサービスを構築していきたいと考えています。すなわち、幅広いサービスラインナップ(広さ)を取り揃えることで非専門領域へ対応し、深い知見が必要な業務に関しては専門的なサービス(深さ)を提供して参ります。
非専門領域に関しては、すでにサービス開始しています「Chatworkアシスタント」を通じてサポートを行っています。
専門領域に関しては2023年2月のミナジン社を子会社化し、人事労務領域のBPaaSを提供開始しています。今後もM&Aやアライアンス・自社立ち上げを通じて専門領域を拡充し、中小企業にとって必要な、あらゆる業務に対応できるサービスの構築を目指します。

またいくら素晴らしいサービスでも価格が高すぎると中小企業にとって大きな負担となります。
私たちは、中小企業の幅広い課題に対して個別にコンサルティングを行う(=高価格)のではなく、業務を型化してサービス提供することで、中小企業にとっても、我々にとっても高効率な(=安価で多くのお客様に提供できる)サービスを展開していきます。

具体的には、とある会社の「雇用契約をDX化したい」というご要望に対し、私たちの中で型化された業務プロセスの中からテンプレートをお示しし、それに沿ってDX化していただく、というイメージです。SaaSが組み込まれ、DX化されることが明確化されたテンプレートを迅速に安価に提供させていただくことで、中小企業の負担を減らし、我々にとっても高効率・高収益なサービスを展開しようと考えています。

以上、私たちが次の成長の柱としている「BPaaS」についてご説明をさせていただきました。
私たちは2024年2月に開示した中期経営計画で、「中小企業No.1 BPaaSカンパニー」を中期ビジョンとして掲げました。また、2024年7月に社名を「株式会社kubell」へ変更することも合わせて発表しています(2024年3月27日に開催される株主総会で承認されることが条件)。

kubellという社名には、働く人の心に宿る火に、薪を「くべる」存在でありたいという想いをこめています。「ビジネスチャットの会社」に止まらず、BPaaSを中心とした「働く人を支援するプラットフォームの会社」へと進化し、日本中の企業の働き方のアップデートに貢献して行けるよう、全社一丸となって取り組んでまいります。

株主・投資家の皆様におかれましては、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。