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緊急事態宣言の思い出 〜サンライズ瀬戸 シングルDX乗車〜

以前から気になっていたサンライズ出雲・瀬戸のシングルデラックスに乗車してみることにした。これは日本で唯一残っている定期的に走る寝台列車。ミサワホームとコラボして1998年にグッドデザイン賞を受賞した車体も、おそらく今のが老朽化したら次はないんじゃないかと言われている。明らかに飛行機に比べて高いけど、引退がアナウンスされたら北斗星みたいに乗れなくなるし、コロナで予約が取りやすくて時間にも融通が効く身分である今しかない!と思ってちょくちょくネットで空き状況を調べていたら取れた。サンライズのシングルDXはプラチナチケットと言われていて、10時打ちとかの記事はざらに出てくる。でもいろんな日程を数日間、複数回チェックしてみて分かったんだけど、平日の便は前日になると結構空きが出ている模様。旅行会社がキープしている分が関係するんじゃないかって話もあるけど、飛行機と違って変更とキャンセルの融通がきくから、なんか商売っ気ないなとも思う。明日以降は1ヶ月先までどの日も予約できないけど、明日の便ならまあまあな確率で予約できるかも、ってねじれの状況。

緊急事態宣言下で、東京駅の飲食店街は軒並み20時で終わり。電車の出発は21:50。というわけで、自宅の最寄り駅を出るときにスーパーで買い出し。ネットで決済しても、駅で乗車券を発行しなきゃだし、かつ私はJR西日本のe5489(イーゴヨヤク。これもすごい名前)で買ったから、東京駅ホームの指定席券売機やみどりの窓口じゃダメで、JR東海の窓口を探してやっと発券。みどりの窓口では一回改札の外に出てJR東海の窓口行けと言われたけど、駅構内のJR東海行ったらお姉さんが都内のJR乗車分取り消してくれました。予想通り、JR東の職員は対応悪かった✨

発車間際にならないと出発ホームわかりません、ってアメリカのAmtrakかNJ Transitかよって感じだけど、おそらく東京駅の場合、東海道線の9番か10番ホーム。階段登ったらもう停まってて、入線は取り損ねた。シングルDXのある4号車は階段上がってすぐで、グリーン車的扱いなんだなって感じ。私の21番は角部屋でラッキーと思ったけど、部屋入った瞬間若干トイレの匂いが。特急列車あるある。事前に得た情報で、廊下と繋がっている通気口を閉める。すぐに車掌さんが来て切符のチェック。若くて結構いい感じ。

部屋は机があって、ベッドもあってアメニティ付き。この辺の説明は他のサイトに譲るけど、予想よりも結構狭くてびっくり。まあ、AmtrakのCoast Starlight号のSleeping Carに乗った時も、ソファを倒すとほぼ部屋を占領しちゃう感じだったので(だから三日間ひたすら横になって本読んだり外の景色見てた)、それよりは机に座ってこうやって文章も楽々書けるのはいいかもね。

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検札してもらった切符。今なら銀座の4つ星ホテルに7泊できる値段。

丸の内のビル群を横になりながら上に見る、ってのが新鮮。

張り切って買い込んだおつまみと、意外にも東京駅で買えたお弁当。今は駅弁もおいしくなった。ずっと昔に東北新幹線で食べた、はらこ飯のお弁当また食べたいなあ。ちなみにグラスは100円ショップで調達。

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結構揺れるけど眠気が…。ベッドサイド備え付けのラジオ(!)は繋がらなかった。11時以降は放送も終了し、本当に下界から隔絶されている感じ。鉄道は基本放置だけど、それはそれで、プライベート感があっていいのかも。フェリーで個室に乗った時もこんな感じだったかな。ちなみに列車内の自動販売機の水は全て売り切れで、水分補給はコーラか栄養ドリンクかコーヒでしなきゃダメでした。

寝る前にシャワーを浴びる。シングルDXの乗客は専用のシャワールームが使えるけど、使い方が若干難しいかもしれないので、事前に調べておくとスムーズかも。6分以内に終わらせないとダメです。中は結構広くて快適。ですが揺れるので気が抜けない。

寝るのもったいないないけど、岡山に着くのが6時半頃なので、それまで一旦寝ることに。電気を消すと真っ暗。何かを忘れたり、何かに乗り忘れたりして焦る夢を見た気がする。最近多い。

6時に岡山到着の放送で容赦無く起こされる。窓の外は木々と水田や畑で、太陽が眩しくて新鮮な感じ。サンライズ出雲と瀬戸の切り離しをみるために外に出る。残念ながら瀬戸が先に発車するので、離れる瞬間は見れず。「瀬戸はそろそろ出発しますよ〜!」と言われ、急いで部屋に戻るときにノビノビ座席エリアを通ったけど、ほとんど人がいなかった。

地図で見ると距離が結構ありそうだけど、ここから高松まではもう1時間程度。窓から瀬戸大橋の光景に興奮。色々と小さい島があり、直島にも行ったなあと思い出す。四国側に着くとヤシの木🌴のようなものも多く植えられていた。

あっという間に高松に。降りる人少なくて、ほんと数人?って感じだった。9時間お世話になった車体をパシャリ。

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通勤客とは逆方向に歩いて、駅二階のスターバックスからお見送り。ちなみに旅行の時のカスタマイズはグランデサイズのラテにショット追加して、モカソース・ホワイトモカソースをそれぞれ2ポンプずつ追加、フォームなし。昔のダブルモカマキアートをイメージ。好きだけど毎日は飲めない。

駅の目の前のJRホテルでデイユースを予約してあるので、そこにチェックインして寝台列車の旅は終わり。夜は普通にANAで帰ります。取りにくい特典航空券も前日に余裕で取れて7500マイル。

念願だったシングルDXに乗った感想としては、こういうことやってみたい、と思う人は是非できるうちにやっておいた方がいいと思った。乗車中のインスタStoryの反響も結構大きくてびっくり。おそらく、コロナの影響とか飛行機との価格差とかで、このサービスもずっとあるわけじゃないと思う。私は電車、特に寝台列車が子供の時からすごく好きで、大学受かって一番最初にしたのは北斗星に乗ることだった。だから片道これだけのお金を払ってもいいと思ったけれど、やはり乗車に際して注意というかコツは幾つかあるし、早朝から行動できる利点はあるけど、熟睡できるようになるまでは個人差はあるけどやっぱり慣れが必要な気がする。

良いところとしては、シングルDXに関してはやっぱりプライベート感があるということと、窓の作りが広くて景色がいいこと。それと個室にいたら移動時間はあっという間に感じるから、飛行機よりも疲れないかも。沿線に住んでいてお金にある程度余裕がある人が東京に用事を足しに行くとか、その逆には使えるかなと思った。通常は個室のチケット取るのは結構ギャンブルだと思うけど、新幹線にアクセスしにくい高松・出雲エリアに行くには良いオプションの一つだと思う。乗ってしまえばあとは自分の世界なので、揺れが気にならなければ仕事もできるし。あとはなんというか、部屋に昭和の残り香みたいなのが感じられると思う。昭和世代としては、なんとなくこうやって過去は消えていくのかなというノスタルジアを感じつつ、次のステージに進もうと思う機会になりました。笑

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早朝の高松駅。海水を引いた庭園があり、フェリー乗り場も。横には城址公園。




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