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聴くという事

看護師がよく口にする言葉、傾聴。耳を傾ける。気持ちを聴く。訴えを傾聴する。

嫁ちゃんは二時救急を受け入れている病院の外来で勤務している。そんな嫁ちゃんから来院した患者の話を優しく聞けなかったという言葉をよく耳にする。

嫁ちゃんが夜勤や休日勤務していた愚痴を聞く時必ず言う言葉、病院が開いてるうちに来いや!病院は受付時間が基本的に決まっていて、外来を訪れると表記されているしサイトを見ると絶対に書いてある。平日だと仕事してるから受診出来なくて・・・って病院もあなた方の仕事と同じで平日の決められた時間に受け付けております。勤務時間外に仕事を頼まれたらどう思うだろう。しかも言い訳は勤務時間内だと仕事してて忙しそうだから仕事が終わってから頼もうと思って・・・。

コレが罷り通る世界、病院。

何かしら特別な場合に受診出来る様に開いているのであって、この時間だと空いてると思って〜とかクソしょうもない理由の人相手に開けているのでは無い。

けれど、受診に来たからには訴えを聞かなければならない。どういった理由で受診したのか。ココで聴くが現れる。嫁ちゃんが優しくなれない気持ちも分からなくはない。救急車で重傷者が運ばれてきている中、平日昼間に来るべき人が当たり前の様に居るのだから。

1週間前からお腹が痛いんです。

昨日の仕事帰りに車で指挟んで腫れてて・・・

それでもね、白衣の天使はこう聴かなければならない。

「それは大変ですね!痛いですね。どの辺がどの様に痛いですか??」

この時なんでこんな時間に来んねん!や、もっと早よ来いや!とは思ってはいけない。本当に1週間や1日間痛みに耐えて過ごした時間を労うのだ。そうすると、患者から真実の痛みについての訴えが話してもらえやすい。疑いの目や猜疑心のある相手に話をするより気持ちを分かってもらえている相手の方が話はしやすい。

話を聴くとはこういう事なのだ。

長々と前振りがあったがここからが本題である。

子どもたちの訴えを聴けているか。

まだ幼い子どもは言葉だけで表現している訳では無い。身体全体を使って全力で今の気持ちを表現している。訴えているのだ。

昨晩上の子が着たいパジャマのズボンが無く、嫁ちゃんと上の子が探している場面があった。嫁ちゃんは上の子に辺りを荒らされるのが嫌らしく、触るなと大声を出している。上の子は良かれと思って一緒に探しているのだが、まぁ嫁ちゃんから見ればあちこちを荒らしている様に見えるだろう。嫁ちゃんが早い目にズボンを発見し渡したから散らかされずに済んだが、中々見つからなかったら上の子は多分引き出しから何から色々な物を出していただろう。

この後嫁ちゃんはこの子先が思いやられるわ。全然言う事聞けへん、と言った。

この場面、嫁ちゃんの立場なら上の子を褒めていただろうなと見ていて思った。けれど、上の子は嫁ちゃんに怒られた上に貶されていた。

何故父と母の違いで両極端な結果になるのだろう。嫁ちゃんには上の子の気持ちが分からないのだろうか。確かに散らかされるのは回避したい。なら一緒に探すと言った時に触るなと言わず、何処をどう探そうと言ってやれば良い。いきなり大声で触るなと言われても理由が分からない。何故自分のズボンを探している母親と一緒に探して怒られるのか。

嫁ちゃんは聴く能力が少し低いと思われる。アドバイスもどうせ私なんかと卑下しがちだし、責められていると考えてしまう傾向がある。だからといって言わない訳にもいかない。早朝に空いているという理由で来る患者に優しい気持ちで接する様に卑下しない、責めていないと思って貰えるように話す必要がある。

本当に聴くという事は難しい。

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