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分岐点

なう(2020/03/12 10:20:41)夜勤明け

本当は昨日に色々考えた事だけれど、9年前の昨日が色々な分岐点になったのは事実であるなぁと。

准看護師になる為に働きながら看護学校に通い、資格試験が終わって仲間内で卒業旅行へ行こうと計画していた。

そして、ちょうどその頃シトロエンのDS3をテレビのCMで観たのだ。

元々衝動買いするタイプだし、買い物は値札を見たいタイプではあったけど〜車を買った事は無かったしシトロエンの車が何処で買えるかも知らなかった。

車の免許は持っているものの、実家住みで親の車を借りれる環境では、車を欲しいと思わなかったし〜ワーゲンバスかっこいいなぁ位の車への感覚だった。

DS3のCMは空中ブランコの様にDS3が空中を行ったり来たりしているだけだったのに、もう頭の中は車を買う事のみ。

そして何となく見てただけなので、どこの何ていう車なのか全く分からない始末。シトロエンがCMでバンバン流れてるのなんか見た事ない。滅多に見ることの無いCM。1回きりのCMを元に探す探す!

すると、新聞にあったのだ!!実家の取っている朝日新聞に!!シトロエンのDS3という車。ネットで調べると、ボディとルーフの色を色々ある中から選べるのだ。水色から黄色、赤黒白など色んな色がある。ディーラーを見つけてすぐ試乗の予約をとる。

そんな中起こった。

看護師の人と一緒に患者の全身清拭をしていた。病棟が揺れたらしいが全く気付かず。テレビの周りが騒ぎになっており、清拭を終えてテレビを見てみると濁流が流れてきている映像が!

田圃や畑の向こう側から津波が押し寄せる映像が生中継されている。街の中を津波が襲っている映像が生中継されている。同じ日本で起こっている事とは考えられない。テレビの向こう側がすごく遠く、リアルに感じられない。テレビに映されている所に人が居ることが信じられない。でも、目が離せない。

その衝撃が醒めないまま、DS3の試乗へ。ボディは青でルーフは白いDS3。乗り心地とかでは無く、憧れの車の中に入った事に興奮し、目に映るモノ全てがカッコイイ。

この車が欲しい。

所か津波と原子力発電所の事故で物流が滞っているとの事。フランスから次の便がいつになるか分からない。車の優先順位は低く、今注文しても届くのはいつになるか分からない。

ボディが黄色でルーフが黒のタイプが欲しい。

そう思っていたものの、いつになるか分からない。高い買い物だし、給料もまだ看護補助の給料しか貰っていない。迷い無く車を買おうとしているのを戒められた様な気がしていた。

ところが、ディーラーから電話がかかってきたのである。地震が起こる前に発注していた分が1台だけコチラに向かっている。予定通りに到着するらしい、と。色を聞くと、ボディが黄色でルーフは黒。今なら確保出来るがどうしますか??

即答。

確保してください。買います。

不謹慎かもしれないが僕の人生において、9年前の3月11日のあの地震が分岐点になった事は確かである。

DS3、准看護師の資格試験、伊勢への卒業旅行。地震とは関係無いキーワードが何年経っても関東大震災を思い出させる。

あのリアルタイムの濁流は未だに頭の中を流れ続ける。

阪神・淡路大震災を乗り越え、関東大震災を乗り越えてきた日本人なら新型コロナウイルスの危機も乗り越える事が出来るはず!

そう思わずにはいれない3月11日だった。

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