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ろうそくに火を灯すような仕事。

今の仕事は、人知れずそっとろうそくに火を灯すような仕事なのかもしれない――ふとそう思いました。それどころか、過去の仕事を振り返れば概ねそうだったような気がします。

その取り組みの内容に関わらず、何かが始まって普及するかどうかよくわからないビジネスに身を置いていたように思えます。それはERPのある分野だったり、防災でのSNSの活用だったりしました。ここ数年はERPへの機械学習技術の組み込みと人事領域でのデータサイエンス活用を模索してきました。

微かな手掛かりを元に有望なろうそくはないかと探し回り、失敗や空回りを続けながら概ねうまくいかないわけですが、たまに良いろうそくを見つけてそっと火を灯す。そんな仕事のように感じました。ただ、それは大きなムーブメントを起こすようなものではなく、在野研究と言ってもよいかもしれません。

一方、その領域がメインストリームになる、あるいは、そこに高速道路が建設されて花火が打ちあがり始めると猫のように身を引いていく傾向があります。派手なものが苦手なのか、それとも単にろうそく探しが好きなのかよくわかりません。

ここまで考えてみて、ある人物にそっくりだと気づきました。それは私の父です。

父は地方で長年にわたって施設園芸農業を営んでいるのですが、実に様々な試みをしてきました。それは家族にとっては大変なこともあり、なぜそんなに新しいことに手を出すのだろうと疑問に思うこともありました。今にして思えば、父も在野研究に勤しんできたのかもしれません。

私は農業を継ぐことなく、ある意味対局にあるような仕事をしてきました。しかし、その中の歩き方を見れば、親子で似ている点があるように思えます。不思議なものですね。

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