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空間デザイナー スキルアップの鍵は3DCGパース

弊社スタッフの場合

デンマークから来た弊社スタッフの空間デザインスキルがどんどん上がっている。5年前の入所時、最初に教えたのがベクタワークスによる3DCGパースの作り方。私のスケッチをもとにイメージを共有し、CGを作成するのが彼のメインの仕事になった。今では日本語も上達し、他にもたくさんできる仕事が増えたが、CG作成は今でも彼の主要な仕事のひとつ。そんな彼を見ていると、この5年でデザイナーとしてのスキルがかなりアップしているように思う。

CG作成は空間デザインプロセスそのもの

一般的にパースと言えば完成予想図として最後に作成されるもののように思うかもしれないが、弊社ではデザインプロセスそのものになっている。2Dプランと3DCGを同時並行で進め、プランと立体的なビジュアルを同時にチェックする。プランだけを優先してしまえばデザイン的に面白くない空間になるし、空間デザインだけを優先すると、プランの機能性や空間利用効率が悪くなってしまう。レンダリングして仕上がりをチェックし、改善してまたレンダリングするという反復作業は、自分の頭の中に描いた空間を仮想空間上に作り、イメージとのズレを修正していく作業。色、素材、ボリューム感、空間を構成する様々な要素を仮想空間上でシミュレーションし、それを繰り返すことで何をどう変えれば空間がどう変わるか、ということが感覚的に分かるようになる。これは空間デザイナーにとって非常に重要なスキルと言える。

香港 One Plus Partnership の場合

香港の友人でOne Plus Partnership という空間デザイナー夫婦がいる。以前一緒に食事をしたとき2人から聞いた話では、夫のAjaxは事務所の誰よりも3Dパースのスキルが高いと言っていた。世界のトップデザイナー本人が現役のCGクリエイター並みにCGを作っている。空間を縦横無尽にオブジェが飛び交う彼らのデザインを見れば、CGパースによるシミュレーション無しでは構築できないデザインだと分かる。

私の空間デザインプロセス

私の場合大学院時代にお世話になっていた遠藤秀平先生の事務所でベクターワークス(当時ミニCAD)の3Dを習得して以来20年程、3Dモデリングを続けている。プラン案を考え、それをもとに立体化した手描きのイメージスケッチを描き、スケッチをもとにCGを作成する。CGでビジュアルを確認し、良くなければプランを練り直す。そしてまたCGを作り、さまざまなシミュレーションを繰り返しながらCGと図面を往復し、ブラッシュアップしていく。この立体と平面の往復が精度の高い空間デザインを仕上げる重要な要素だと思う。

ワダスポーツ3Dデータ

https://note.com/ktx_archilab/n/nc34d8b9b11a7

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