加藤龍太郎

作曲科の大学生

加藤龍太郎

作曲科の大学生

最近の記事

卒制に向けて日記書く、飽きたらやめる

 自分は「ノヴェンバー・ステップス」のコンセプトに共感を覚え、作品を作っていくということを決めた。  避けなければならないのは、自分の作品がそれの劣化コピーになってしまわないことだった。発想の起点となる作品が明確にあるからこそ、その作品を抽象的に落とし込み自分の表現に生かすために、徹底的に向き合わなければならない。   まずこの楽曲を形作っているメカニズムを解き明かしたく、遅すぎる進捗報告もかね、作曲の先生にお話を伺ってみた。  「武満徹は「ノヴェンバー・ステップス」作

    • 卒演に向けて日記書く、飽きたらやめる④コンセプト決まって、10月の制作計画

        自分はなんのために作曲をするのかということを考え、「自分が奏者として、自分から発せられる話し言葉的な音楽を楽しむため」ということに辿り着き、さらに使いたい楽器としてシンセサイザーとエレキギターを思いついた。  どのような形でシンセサイザーとエレキギターを生かそうかを考えた時に、エレキギターは言わずもがな撥弦楽器であるが、それに対してベンディングを用いたシンセサイザーは、音程が安定しない笛のように扱えることに気がついた。  音程が安定しない笛、撥弦楽器、西洋音楽の文脈で

      • 卒演に向けて日記書く、飽きたらやめる③自分の動機編

         10月2日、月曜日。今この記事を書くの、とっても面倒くさい。というのも、元々まだ若干散らかっていた思考をまとめるために日記を書き始めた結果、日記を書くよりも速く思考がまとまってしまったからだ。ここに書くのは、書いている今現在の考えに至った経緯であって、今自分がしているのは目的が手段を追い越してしまった後にその手段を埋める、的なとても面倒な行程。  しかし日記は記録として揃っていないと意味がないし、過程も大事にして卒業制作をしたいので、しっかりそれを記すことへの使命感と、新

        • 卒演に向けて日記書く、飽きたらやめる②音楽ジャンル探求編

           意味よりも、音それ自体に向き合いたいのだということに気づいた自分は、音それ自体に目を向けている音楽ジャンルを必然的に探すことになる。自分の少ない音楽の素養の中で真っ先に思いついたのはアンビエントミュージックだった。  アンビエントミュージック、日本語に訳すなら環境音楽は、自分が意味としきりに呼ぶ、線の美しさを最重要視した音楽とは違い、空間に音をどのように配置するかを関心の対象とした音楽だ。  例えば森における木のざわめきとか鳥や虫の声を録音したものすら、そのままアンビエン

        卒制に向けて日記書く、飽きたらやめる

          卒演にむけて日記書く、飽きたらやめる①オペラ頓挫編

           9月25日、日曜日。久しぶりに気持ちよく晴れた朝、目を覚ますと、同期の卒演リーダーからやんわりとした催促のLINEが。  そう。1月の卒演に向け、10月ぐらいまでには曲の形が見えていないといけないね、などと自分から話をしていたのに、一切書けていないのである。  ゴメン、T 君。強い意志を持ってガンガン書き進めるその姿を本当に尊敬している。  申し訳ありません、Y先生。先生がお聞かせくださった学部3年で曲が書けなかった時のエピソードを免罪符にしています。反省しています。  流

          卒演にむけて日記書く、飽きたらやめる①オペラ頓挫編