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本を読まない本好きの話

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「本好き」と名乗るには、読書人たちに対して申し訳ないのですが、でも、多分、好きなんです。
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2023年11月の記事一覧

フェルディナント・フォン・シーラッハ「刑罰」

フェルディナント・フォン・シーラッハ「刑罰」

「犯罪」「罪悪」、そしてこの「刑罰」で三部作が完結する短編集。

 作者のシーラッハは刑事弁護人であり、これらの短編の主な語り手はやはり弁護士である。

 確かにミステリであるが、論理に基づいた「謎解き」はほとんど無い。人の感情や社会の不合理こそが謎、なのである。

 しみじみやるせない気持ちになりたい方にオススメ(そんな人いるのか…)

20231130

 

内藤 了「アイズ 猟奇死体観察官・児玉永久」

内藤 了「アイズ 猟奇死体観察官・児玉永久」

 1日で読んだ。心待ちにしてたとかそーゆーんじゃないけど…だって藤堂比奈子シリーズのスピンオフだよ?

 いや、もう忘れてるけどサ…読みながらだんだん思い出してきた(細かいとこはアレだけど)

 ストーリーは…うん、このシリーズの中ではフツーてか、最初はもっと色々凝ってた気がするけど、今作はキャラ(特に永久くん周り)とその後に焦点が当たってる感じ?

 ホント、キャラが愛しいんよな…だんだん思い出

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フェルディナント・フォン・シーラッハ「罪悪」

フェルディナント・フォン・シーラッハ「罪悪」

 「犯罪」に続く第2弾。連作短編集と位置付けて良いのか…弁護士である「私」が語るさまざまな顛末。解のあるものもあれば曖昧なままなものもある。やはりミステリ、なのだろう。ラストの1編まで予断を許さない。

20231120

自分の人生には誰がいるのか?
書籍「グッド・ライフ〜幸せになるのに、遅すぎることはない」

イ・ジョンチョル「カデギ: 物流倉庫でミックスコーヒーをがぶ飲みしながら働いた話 」(KGB)

イ・ジョンチョル「カデギ: 物流倉庫でミックスコーヒーをがぶ飲みしながら働いた話 」(KGB)

 先日届いた本。

 なんというか、推して知るべしである。

 選ぶのが面倒臭くて全てポチったが、キッカケはKGBシリーズ2冊目の「カデギ」である。

 日本でも2024年問題やAmazon・ウーバーなどの配達員に関するニュースなど、人ごとではない感がある。

 といっても、カデギは社会問題を大上段から論じている訳ではなくて、アルバイトの目線から淡々と、したたかに生きる人々を描写したグラフィックノ

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多くの人が「いい」と言ってるけど、私には全く響かない(寧ろキライ)。

フェルディナント・フォン・シーラッハ「犯罪」

フェルディナント・フォン・シーラッハ「犯罪」

 やっとぜんぶ読んだーーー。

 いやーーー、沁みるというか切ないというか。

 もう、誠実に生きるしか無いじゃんねぇ。。