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旅と言葉と感情【熊本キャンプ】

自分の感情を、その場ですぐに言葉にすることができない。何か目の前のことに感動した時や、誰かに感想を問われたとき、自分の頭の中にはぐるぐる言葉がうずまいているのに、それを口に出そうとすると注ぎ口のつまったボトルのように言葉が出てこなくなってしまう。しかも、それが感情の起伏が大きいときほどよくある。実に困っている。

先日、九州は熊本に訪れました。目的は、一年以上ぶりに会う友達(剛くん、ゆばる)と初のキャンプをすることでした。このnoteでは、時系列に撮った写真を載せながら、なんとか言葉にできた感情(その時に浮かんでいた感情や今改めて写真を見て思ったことなど)を添えていきます。写真がかなり多いので、心して読んでください。




旅の朝は早い。この日は5時半に家を出発して空港を目指しました。移動中に電車と並走する瞬間があり、急いでかばんからカメラを出して撮りました。

飛行機から見る光はいつも見るそれとは違い、特別なものを感じる。

目をこらすとはるか向こうに飛行機が飛んでいました。画面中央の白い点。

熊本空港に着きました。窓に顔を張り付けているとあっという間です。




もう三回目の阿蘇。ですが、何回来ても飽きることはないと思います。阿蘇の地に立つと、音がとても少ないことに気づきます。風が耳元を過ぎる音、草がこすれる音、自分の足音、たまに通るヘリコプターのプロペラの音。安心するような、緊張を感じるような、本当に独特な場所です。


すすきにまみれながら草千里を歩き回りました。



阿蘇山の火口付近へ。生物がほとんどいない、文字通り異世界です。噴火にそなえたシェルターにはヘルメットが用意されており、生々しい緊張感がありました。

風。

余談ですが、どこかに旅したときは、自分がそこにいたことがわかるような写真を撮ることにしています。影や鏡の写りこみ、自分の足跡なんかを写しておくことで、写真を見返したときにその場の記憶がより鮮明に思い出せる気がしています。

いくつも石が積んである異様な光景。安全祈願のためだそうです。

阿蘇山の迫力に圧倒されながら、火口周辺を歩きました。ずっと緊張感があり、落ち着く場所ではなかったですが、普段歩いているところとは何もかもが違う、異様な場所でした。
若干尻込みをするように次の目的地に向かいました。



剛くん自前のテントの中は、すごく落ち着く空間でした。秘密基地という言葉がぴったりで、わくわくしました。この日は12月にしては暖かい日でしたが、日が傾くとさすがに少し肌寒く、入れてくれたココアが沁みる。

夜ご飯は焼き肉と鍋です。めちゃめちゃおいしかった…「アウトドアスパイス」という謎の粉がかかったお肉が最高でした。鍋の具材はシンプルに肉と白菜と白ねぎ。これもまた、寒い夜に相性ぴったりで、体の芯まで温まりました。

夜。初めて寝袋で寝ました。想像してたより、寒さは平気でした。


朝。ニワトリって本当に朝から鳴くんですね。目覚ましのスヌーズかってくらいずっと鳴いてました。家に一匹飼っといたら起きるのが苦手でも、嫌でも起きられるようになるかも。いや、やっぱりやめとこう。

朝はおいしいコーヒーをいただきました。エチオピア。覚えた。


朝のキャンプ場はひんやりした空気が心地よく、時間を忘れてぼーっとしていると鼻先が冷たくなります。

はじめてモルックというスポーツをやったけど想像以上に楽しい。
阿蘇を運転するのは難しかった。

薄曇りのキャンプ場をあとに、車を走らせました。



二年前に一度来たことがある場所に来ました。上色見熊野座神社。初見では絶対に読めないと思いますが、「かみしきみ くまの います じんじゃ」と読みます。場所自体は静かでしたが観光客がちらほらいました。

転ばぬ先の竹


赤牛丼。うまい。漬け物もうまい。

ご飯がおいしいとそれだけで旅が一段といいものになる。


剛くんとはここで別れ、車で空港に向かう道中のことでした。

パラグライダーから見る世界ってどんななんだろう

日が傾きかけた空をどうしても止まって見たくなった僕たちは、近くの見晴らしのいい場所に寄り道をしました。

虹!!

言葉では(写真でも)表現することができない、すばらしい眺めでした。

日が沈むまで、日が沈んでもいつまででも眺めたくなる景色でした。飛行機の時間が迫っていたので、名残惜しい気持ちで泣く泣くその地を後にしました。



帰りはあっという間です。旅の終わりの、物寂しい気持ちはいつまで経っても慣れません。

空から見たどこかの街の光。


その場でしっかりと口にできなかった、しなかった感情は、頭の中で反芻するうちになんとか形になります。必ずしも言葉にする必要はないですが、もし誰かにその感情を伝えたくなったとき、写真はその糸口になるなあと感じました。道中もそんなことを思いながら、それを最後まで口にすることはなく帰路に着きました。

つい最近まで灰色の毎日を送っていたので、今回の旅でした経験は一段と心に沁みました。一年の締めくくりに素敵な思い出ができてほくほくでした。

それでは!



【今日の一曲】
最近リピートしまくってる。