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【完結】健康的で清潔で道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

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友人たちとのオンライン読書会記録です。各回5千文字程度。 テキストは『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』熊代亨 https://honto.jp/netst…
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#スクールカースト

快適な社会の新たな不自由 #2

◆労働者に期待される能力のハイクオリティ化(後半)こにし 「風の人」のような流動的な働き方と、日本の伝統的な雇用慣行は相性が悪い。流動性を残さない正社員の部分と、流動的な非典型雇用(日本でいう「非正規雇用」という概念は、時間でしか区別しない海外の学会では理解されない)に従事する部分を分けて、ピーク時には非典型雇用者を雇って、ピークが過ぎると放流するという雇用調整をしている。 そうした慣行があるので、非典型雇用労働者は社会的に安定的な仕事に就けない者として、魅力的な仕事であり

リスクとしての子育て、少子化という帰結 #3

◆法を知らぬ子どもを法の庇護へと押し込める◆ガキ大将も不良もいなくなったこにし ここは二つの節を合わせて話しましょうか。このあたりが具体例に入っていくので。正直いまは学校に関わっていないのでなんとも言えないのですが、確かに生徒に手をあげる教師の存在は問題化するだろうと思いますね。 うえむら P141には「体罰はむしろ反社会的行動を促す」とありますからね。反社会的行動に直接的に繋がるかは分からないけれど、少なくとも傷にはなりますよね。今月の『現代思想』増刊号は『総特集 小松左