私は潔白か?

 友達がよく見ると話していたある人のvlogを見てみたら「みんな他人のことは考えずに自分のことだけに集中したらいいのに。世界平和を祈る」みたいなことを言っていて、誰もが自分のことしか考えずにいたら世界平和なんてとうてい叶いませんよと画面の前で静かに思う。
 あなたが今学生をやっていられるのは女性らの勉学の機会を獲得するために戦った先人たちがいたからで、あなたが今その水で何気なく食器を洗えるのは今のところ行政が上下水道を管轄しているからで、あなたが今ガザの人々が飢餓で苦しんでいるのに満腹食べられるのはこの国は戦争をしませんと動いてきた人達がいるからで……。

 おおよその人が上記のような考えをして生きていることがわかるから、こうしていちいち「それは違うよ!(ダンガンロンパ)」と反論して、失望して、気疲れしているのが馬鹿らしくなるときもあるけれど、私をこうして駆り立てるものはなんだろう? と自分自身でも疑問に思うけれど、それでも私はやはり、自己責任論や消費に溺れる資本主義を批判したり友や後輩をケアしようとするミン・ユンギ(BTS SUGA)のような人を誰よりもかっこいいと思う。

クソみたいな世の中で
クソみたいに生きるわけにはいかないから
目を見開いて現実を見ろ
頼むから向き合ってくれよこのおかしな善意に
黄色いメディアが生み出すノイズ
誰かの利得のためのチョイス
俺達でやり合うことには何の意味もない
矛先は上に向けろよ

Polar Night - Agust D (BTS SUGA)

 音楽以外の関心は? と聞かれて「世界平和」と答える人の歌詞が上記。

 誰もがいっぱいいっぱいだ。だからこそ手を取るんだ。
 世界は、社会は、あなたの知らないところで勝手に回っている機械みたいなものではない。あなたも歯車の一員なんだ。あなたが目を反らし続けたら苦しむのはまずあなただ。
 世界にはデフォルトで格差や差別構造があるのだから、それをなくそうと動いたり反差別を声高に宣言したりしないとその不均衡に加担することになってしまうのだ。中立なんて存在し得ない。
 私たちは無関心で生き続けるのではなく、お互いに憎み合うのでもなく、手を取り合って、上へ、つまりこの社会を統治している政権へ目を向けないといけないのだ。

 この時代が過渡期だと信じているから諦めずに声が出る。やっぱり笑顔で死にたい。私は誰かの気付きになれているだろうか(ならなくてもいい)。
 最近は不吉な夢も見る。シュルレアリスムに触れるのに第一次世界大戦を抜かすわけにはいかない。三木清『人生論ノート』を読んで、難しくて同じ行を反復する。そんな日々。
 私は潔白か? 自信など毎秒ない。それでもやめない。

全ては変化するものだろう
どう変わっていくのかは俺達の行動次第かもな

저달 - Aguts D (BTS SUGA) https://youtu.be/YZ0Exxdj7YQ?si=dfo-vdSaEhdnR-K-

(2024/3/20)

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