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"ふたりは同時に親になる - 産後の「ずれ」の処方箋 -"を読んだ

予定日まであと25日。

去年のクリスマスに妻から書籍を4冊もらった。正確には「一緒に読もう」ということで、年末年始に一冊ずつ交代で読んだ。

もらったのは本題の一冊と、下記の三冊。

最後の「リーダーの仮面」については、仕事関連ということで、自分のブログに感想を書いた。

ちなみに僕は活字が苦手ではないけど、一行・一単語しっかり読まないと進めない性分で、読むのが遅い。野球漫画で言うと、応援団の「かっせ!かっせ!」や、投打の「カキーン!」という効果音すら読んでしまうレベル。


本題の一冊

読みながらの率直な感想

これから親になる人だけでなく、育児をしている人、特にパパ向けに書かれているような印象。(ママ向けの章や記述もある)

全体的に「産後のママは身体的・精神的な変化が劇的で、強制的に"親"になる」のに対し、「パパはそれがない(少ない)ため、"親"になったと気づく機会がない」または「ママのサポートの立ち位置に回ってしまう」といったスタンスで始まる。

まだ育児を経験したことのない僕だけど、「パパは育児に関心が薄くて、外で仕事してっからいいだろ!と考えています。」みたいな前提で始まることが多く、途中まで「は?」って感じでした。

本当に世の中そんなパパばかりなのか?そこまでパパの立場を「ダメ」なものとして形容する必要ある?と。(読者のターゲット層にズバッと刺さるようにかもしれないが。)


"イクメン"という言葉

育児のほんの一部をやるだけで「イクメン」を名乗る男性の出現や、それらを手放しで持ち上げる風潮に疑問を感じるようになったのです。
(ふたりは同時に親になる P.92)

と書かれていて、ここは同意できる。「イクメン」とは言うが、「イクウーメン」とは言わないし、そのイクメンってただのパパなのでは?

・・・何度も言うけど、僕はまだ育児を経験したことがないので、「昼間は仕事をしているのだからそんなに簡単なことじゃない!」と世の中のパパ達に言われるかもしれない笑

でも各々の事情はあるにせよ、「ママは育児・家事」、「パパは仕事で稼ぐ」という前時代的な考えはやっぱり古いとは思う。


読みながら付箋を貼った箇所

読むのがゆっくりなので、こういう感想を書くときは読み進めながら付箋を貼ることにしている。

第2章 産後のママのリアル

それまでとは正反対の人格に変化しなくては乗り越えられないような、そんな環境に身を置くことになるのが産後の女性の現実なのです。
(ふたりは同時に親になる P.40)

産後のママのリアルを説明した章より。時間的、身体的、精神的、社会的という4つの分類で詳細が後述されている。

いろいろな人の話やブログを読む中で、最初の3つはそれなりに理解しているつもりだったけど、最後の社会的な変化、というところは「なるほど。」と素直に納得した。

でもママはすでに、お金が必要なら稼げばいいという「共稼ぎモード」ではなく、何をどうしても収入が限られているという「緊縮モード」なのです。パパだけが変わらぬ金銭感覚でいることは違和感でしかなく、立場が下だと見せつけられているような感覚にすらなります。
(ふたりは同時に親になる P.70 第2章)

もちろん個人差はあるとは思うし、「パパだけが変わらぬ金銭感覚」という部分は同意しかねるけど、これまでバリバリ自分で稼いできた人(ママ)にとってみれば、そういう気持ちになることもあるのかな、と。


第3章 パパのリアル、パパの事情 / 第4章 ふたりは同時に親になる①

第3章の章題になっている部分は本書を読んでみていただければと思うけど、「パパにはどういう言動やスタンスが求められているか」という点に関して、続く第4章も併せて引用。

そこで出番になるのがパパによる「ラインケア」。もちろんパパは上司ではありませんが、同じ家庭を作る仲間としては職場の同僚のようなものです。
(ふたりは同時に親になる P.126 第3章)
実はこれが大きな落とし穴です。ママが欲しいのは育児・家事にともに立ち向かう「仲間」です。孤独な戦いと疲労から救ってくれるのは、懸命な応援とか上から目線のアドバイスなどではなく、ママと同じ側に選手として立って、ともに戦ってくれる「チームメイト」なのです。
(ふたりは同時に親になる P.148 第4章)

おそらく本書で最も重要というか、声を大にしてパパに伝えたい部分ってここなんじゃないか、とすら思った部分。

冒頭にも書いたけど、本書は全体的にパパが「ママのサポートの立ち位置に回ってしまう」というようなことが繰り返し述べられており、それに対する考え方の解決案、解決提案。

続くP.159にも書いてあるのは「手伝おうか?」はNGワードである、ということ。(育児に限らず、夫婦ふたりでやるべきことに対する、使い古されたNG指摘すぎる・・・)


逃げ恥のすゝめ

言わずもがな、2016年にTBSで放送された人気ドラマで、2021年に新春スペシャルとして復活。その新春スペシャルでは、妊娠・出産がひとつのテーマとなっている。

ドラマ冒頭、検査薬で陽性を確認したみくりが平匡にそれを伝えるシーンと、産婦人科で妊娠したことを知り、二人で帰り道に話すシーンがある。

特に後者では、「手伝おうか?」に匹敵するNGワードこと、「サポートします!」が使われ、それに対する全女性の「二人の子だろ。サポートってなんやねん。」という叫びが赤裸々に描かれている。

おそらく男性で「あーあ、言っちゃった。」という感覚を抱いた人も多いのではないだろうか。ひらまさああああ!

ただ、この「パパはサポート役に回りがち」という点が、パパに関する第3章だけでなく、続く第4章にも同様なことが書かれているのはママのスタンスに対しても注意があるからかもしれない。

ママとはまったく違うアプローチをするかもしれませんが、それに文句を言ったり揶揄したりするのはなし、すべてをパパの自由な裁量に任せます。
(ふたりは同時に親になる P175 第4章)

なお、育児に関しては、ママもパパも初心者であり、スタートラインは一緒。もちろん昼間に仕事をしなければならない、というパパにとっては、その習熟度の上昇率はママのそれには及ばないかもしれないけど。


読了後の感想

第5章 ふたりは同時に親になる②

パパが実際にたずさわる育児・家事の分量だけが問題なのではなく、夫婦二人が、「親」になったことで生じる変化をどれだけ共有できるかが問題だということです。
(ふたりは同時に親になる P.218 第5章)

実際のところ、「パパが全然家事をやってくれない!」という思いを持っているママにしてみれば、単純に「いえ、まずは分量が問題です」というケースはあるかもしれない。

けど、妊娠・出産によって生じた変化を二人で受け止め、二人で解決策を探していく、というプロセスが大事なのだと思った。

「自分がやったほうが早い。」
「自分がやっても指摘されるし、やり直される。」
「自分は仕事で稼ぐことが役割だ。」

妻がやったほうが早くて効率的とか、夫が稼いでその収入でアウトソーシングしたほうが快適とか、人によって、家庭によって、環境によって異なるのは当たり前。

単純に家事・育児・仕事を二分することはできないから、「ここはこうしよう」「それはこうしてほしい」「あれはこうするのはどうか」といった話を二人でして、二人で納得感をもって決めるのが一番いいのかもしれない。


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