たっきー

特別支援学校教員 保有資格:特別支援教育士(SENS)、ABAT(応用行動分析技術士)…

たっきー

特別支援学校教員 保有資格:特別支援教育士(SENS)、ABAT(応用行動分析技術士) 現在、応用行動分析学のスーパーバイス資格QBAを取得のために研修中 ABAの考え方を活用した学校現場で使用できる身近なコツを紹介します。

最近の記事

⑥ 活動を細かいステップに分解する(課題分析)

 複数の手順がある課題を教えるには、まずどのようなステップが含まれるのかを分析する必要があります。その方法を「課題分析:Task Analysis」と呼びます。  例えば、「サトミさんは片付けできる?」と尋ねられたとき、「だいたいできるよ」「ちょっと支援がいるかなあ」等と曖昧な答えしかできず、なんとなく指導をしている場合があります。効果的な指導支援にするためには、何ができて、できないのか、どのような支援があればできるのかを把握する必要があります。  課題分析はできるだけだれ

    • ⑤ 上手な手助け(プロンプト)の仕方(Ⅱ)

       ABCのつながりを成立させるために、手助け(プロンプト)を効果的に行うことが大切です。図に表すと以下のようになります。 プロンプトはAとBをつなぎ、Cに導くための役割であることが分かります。プロンプトを使いABCのつながりを繰り返し経験できるようにし、最終的にはプロンプトをなくしていきます。これまでは絵カードマッチング等の机上課題を例にABCをつなげていくことを説明してきましたが、手洗いや着替え等、複数の手順がある行動を教える場合はどうでしょうか。 複数の手順がある行動

      • ④上手な手助け(プロンプト)の仕方

         ABCの枠組みで未習得のスキルを教える場合、指示を出した後(もしくは同時に)、指示に応じれるように手助けをする必要があります。その手助けをプロンプトと呼びます。プロンプトには種類があり、子どもの行動(反応)を手助けする「反応プロンプト」と、環境を分かりやすくする「刺激プロンプト」に分かれます。 「反応プロンプト」は、言語プロンプト、モデリング、ジェスチャー(指さし等)、身体プロンプト、があり、順に間接的なものから直接的なものとなっています。 「刺激プロンプト」は、色や大

        • ③ABCの枠組みを使った行動の教え方(Ⅱ)

           応用行動分析学では、行動(B)の理由を直前のきっかけ(A)、直後の結果(C)から捉えていくことが基本となります。この考え方は問題行動の改善や望ましい行動を教えることに応用されます。今回は、ABCの枠組みを使って未習得のスキルを獲得する方法を解説します。  まず、「何かができるようになる」とは、どういうことなのか考えてみます。「横断歩道を渡る」行動ができるようになることを例に挙げます。 「Aきっかけ」では、青信号になったら渡ることを理解する必要があります。「B行動」では、横

        ⑥ 活動を細かいステップに分解する(課題分析)

          ②ABCの枠組みを使った行動の教え方(Ⅰ)

           前回は、応用行動分析学での行動の理由の捉えるため、ABCの枠組みで観察すること、そして、行動が増える(または、減る)のは、行動の直後の結果が影響していることを解説しました。  掃除をさぼるタカシくんの例で、ABCの枠組みで観察すると、以下のような状況が読み取れました。 Cの結果から、タカシくんの行動は友達からの注意(注目)や掃除をやらずに済んでいる(逃避/回避)というメリット(理由)によって維持されていることが推測されました。 では、ここからが本題です。タカシくんが掃

          ②ABCの枠組みを使った行動の教え方(Ⅰ)

          ①応用行動分析学における行動の捉え方

           応用行動分析学はApplied Behavior Analysisの略で頭文字をとってABA(エービーエー)と呼ばれます。ABAの特徴は、行動の理由を個人の性格や障害などの内的な要因ではなく、環境との関係で捉えていくことです。「友達をたたく」という子どもの行動を目にしたとき、一般的には「何かイライラすることがあったのかな?」「あの子は意地悪だからね」等と説明されることがあると思います。一見、納得できる理由のように思えますが、問題解決の点から言うと、「友達をたたく」行動にラベ

          ①応用行動分析学における行動の捉え方