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松田聖子;名演奏の歴史(まえがき)

圧倒的な自己演出力

僕は松田聖子のデビュー後の生まれなのでリアルタイム世代ではなく、物心ついた当時は矢口真里もびっくりレベルの不倫おばさんとしてマスコミを賑わせていたので、特に思い入れもなかったのですが、歌っている動画を観てみたら感動しました。歌唱力の高さもさることながら、ステージ上での振る舞いが圧巻。純粋な歌唱力なら、同期の河合奈保子の方が上かなと思うけど、歌う姿はいたって常識的(まあ、そりゃそうなんだけど)。それに対して聖子ちゃんの画面での輝きが半端ない。根本的には、河合奈保子は歌手で、聖子ちゃんはアイドルなんだなと。

夜のヒットスタジオ

そういう理由もあって、レコードの音源も別に悪くはない(むしろソニーの気合い入った良質な録音です)けれども、まず聖子ちゃんに入るなら当時の歌番組を観て欲しいです。特に、『夜のヒットスタジオ(夜ヒット)』での演奏がおすすめ。

◎夜ヒットの良いところ:
1. バックバンドの、ダン池田とニューブリードが上手い。特にブラス(金管楽器)セクション。
2. 2番までのほぼフルコーラスでしっかり聴ける。
3. B面曲やアルバム曲など、ライブや他の音楽番組でも披露していない曲の演奏がある。
4. カメラワークが洗練されている。おそらく綿密なリハーサルの賜物。
5. 井上順&芳村真理の軽妙な掛け合いが楽しい。『ザ・ベストテン』の久米宏&黒柳徹子のコンビはちょっとやかましい(芸風だから仕方ないけど)。
6. 演出も、やり過ぎず物足りなさ過ぎずの、いい塩梅だと思う。

×イマイチなところ:
1. ストリングス(弦楽器)がやる気ないことがしばしばある。
2. スポンサーの都合で競合他社のCM曲の演奏は少ない。特に、代表曲の『青い珊瑚礁』を演奏していないのが痛い。

そんなわけで、次回から聖子ちゃんの夜ヒットの演奏を時系列に評価していきたいと思います。まったく動画が無いのは寂しいので、歌唱・伴奏・演出すべてにおいて完成度が高い、聖子ファンの間では有名な「ひよこの夏の扉」を紹介して終わります。


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