肩書きの罠

部長、所長、社長、特命係、肩書きは沢山ある。就職活動をしていても肩書きや経歴を全面にアピールすることの重要性みたいなものをよく感じる。


ただ僕はあんまり肩書きにピンとこない。
というのも父の仕事があまり役職が変わらない職についていることがあると思う。


あと私にとって身近な職業はお笑い芸人なのだが、お笑い芸人にはあまり肩書きはつかない。強いて言えばM-1やキングオブコントの優勝になるのだろうか。ラジオスターなんて肩書きもあるか。


ここで僕の肩書きを振り返ってみようと思う。笑


【小学生】
小学校3〜6年生で代表委員に所属。
球技クラブ部長。
野球チームのキャプテン。


【中学校】
1〜3年 生徒会所属。生徒会長。
野球部キャプテン。
東京都代表として北方領土返還活動


【高校】
軽音楽部 部長。ドラム。

【大学】
ボランティアサークル 代表


書いてて面白いくらいキャラじゃない。キラキラしてるぞこいつ。


少し思い出したのでこの中から一つ。

球技クラブの部長は忘れられない。

私が通っていた小学校は二クラス制で、それぞれのクラスのボスはどちらも私と同じ町会で家もそれぞれ近所だった。
二度のクラス替えを経てどちらのクラスを経験した僕はどちらとも良好な関係を築いていた。


最高学年になり球技クラブの部長を決めるるために立候補を募った際、それぞれのクラスのボスが立候補して、それぞれのクラスメイトが推薦するという分かりやすい対立構造が生まれた。僕は隣のクラスのボスとは同じ野球チームだったし、同じクラスのボスとは4年間同じクラスで非常に仲が良かったから本当に困った。
先生も非常に困り、いっそのこと2人を代表にするという暴挙に出た。しかし、それでは毎月どの球技をするかの対立が生まれて全然決まらない。そんな時に、“おまえがなんとかしろ”と言う無責任な一言により3人目の代表にさせられ、この板挟みに挟まれる仲介役を担った。

この板挟みは本当に大変で、隣のクラスのボスとの予定を同じクラスのボスとの予定が入りそうだったためにリスケをお願いしたら、泣きながら罵詈雑言を受けた記憶がある。


罪な男だ。


きっとこの板挟みの経験が未来に生きることを祈っている。ってか頼むよ。


肩書きの話に戻る。肩書きと人柄ってどれほどリンクするのかすごく不思議に思う。

この肩書きを見た時に想像する人柄はどんな人だろう。

きっとこの肩書きの人は身長が高くて180㎝はある。あと絶対ワンピース読んでる。好きなアーティストはback numberと髭男。あとケツメイシとか言いそうだな。

地元には友達多くて、お祭りとかあればそこらじゅうに友達がいてその兄弟や親とまで仲良くしてそうだ。


間違ってもゴールデンウィークに一人でバスツアーに行っておばさんと仲良くならないし、家のぬいぐるみが彼女だと訳のわからないことを叫ばない。おかあさんといっしょの曲を急に歌い出すこともないだろうし暇だからといって裁判を傍聴しに行くこともないだろう。

なんだかすごく悲しくなってきた。

僕の経歴には秘密がある。それはほとんどが自主的なものではない。誰かに嵌められたものか、誰かの代役が多い。推薦と言えば聞こえはいいが僕は絶対に違うと思っている。


ただ肩書きを使うのは自由だ。嘘はついていない。だから僕は今日もこの肩書きを背負って面接会場へと向かう。まだ剣として使ったとこは一度もない。



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