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20. MAKER FAIRE再び

2015年8月初頭。

ぼくは再び東京ビッグサイトにやってきた。
MAKER FAIRE TOKYO 2015に出展するために。

思えば9か月前。
知人O氏から「自分たちで宇宙開発やろうと思っているんだけど、オタクの集まりにはしたくない。宇宙に興味がない人からも意見を聞きたい」と秋葉原に呼び出され、その数か月後H氏から急に「とある展示会に出展します。もう申し込みしちゃいました」とぶっこまれ、挙句の果てに「宇宙開発のド素人が集まって人工衛星を作る」なぞととんでもない目論見にすっかりどっぷり巻き込まれ別に宇宙が好きでもないし宇宙開発する気も欠片とてなかったのにいつの間にかビッグサイトのブース内に立っていたあのMAKRE FAIRE TOKYO 2014。
その始まりの場所にぼくは再び戻ってきた。リーマンサット・プロジェクト(仮)の二度目の展示をするために。

前回は準備期間がたったの二週間しかなかったけれど、今回は違う。
開催情報を事前に入れて、三ヶ月くらいかけて準備をしたのだ。
いやでもこれが普通でしょなんにもできてないし何をするかも決めてないのに二週間後に出展するとか絶対に間違っている意味がわからない無謀にもほどがある、などと過去に想いを馳せないでもなかったが、ひとまず今はよき思い出として処理することにしよう。

なにをかくそう今回の出展はすごい。前回が構想の発表とポスターだけの付け焼刃どころか焼かずに糊とかでぺって張り付けた程度のものだったからすごくしかならないからひと際すごい。

具体的にはこのように素晴らしい。

■単独出展である
前回は某団体のブースを間借りしての出展だったが、今回はリーマンサット・プロジェクト(仮)で申請をして単独で区画を確保した。
今回は相乗り展示ではなくリーマンサット・プロジェクト(仮)の単独ブースである。
すごい。

■ポスター自作
現実時間(2019年8月現在)ではリーマンサットが地上波に取り上げられて、立ち上げ当初に作ったポスターについて、某芸能人から「名前とデザインは一流」と称されたが、さもありなん。
名前は誇るべきものである。が、ポスターについては、広告会社に勤めるS氏が力を尽くしてくれたとはいえNASAのフリー画像があまりに精巧にできているから一流に見えたと言わざるを得ない。

しかし今回は違う。メンバーにイラスト描ける人がいたのでその人に一から作ってもらった。前回の99%他力本願から100%自作に移行できたのはかなりの進歩だ。とてもすごい。

■モックアップとコンセプトモデルを展示
前回は「これから作る」と言っていただけで肝心の人工衛星が影も形も存在すらしていなかったのだけれど、今回は違う。キットを組み立てたと言えど実物大の人工衛星、そして「ゆくゆくはこういう人工衛星を作っていきたい」という思いを込めたコンセプトモデルを作った。ついでに「お祭りにはTシャツ」ということでリーマンサットのTシャツも作った。
一年前は本当に構想しかなくてハッタリしかなかったのに、技術者やデザイナーのメンバーたちがモデルとはいえ実物を作り上げてくれたのだ。まじですごい。

■5人⇒十数人
昨年は立ち上げメンバーの5人だけの出展だったが、今回は十数人、いや二十人ちょっといたかもしれない。どうしてこんなに集まっているのかいまだによくわからないけれど、これが一番すごい。
これだけ人数がいれば、初日でぐったりして次の日は完全サボタージュしなくても大丈夫! しかも前回は宇宙好き3:興味ない2だったのが、宇宙好き10以上:興味ない2くらいになっているので、宇宙に対する熱量が違う。
これで宇宙好きじゃないのに宇宙開発に無理やり人を呼び込む苦労が軽減される。素晴らしいことこの上ない。

前回出展の時にはポスターと構想しかなくて、まあぼくら以外に5人くらい集まってくれて大人の工作クラブみたいにゆるゆるできるようになればいいよね、とか思っていただけなのに、あれよあれよと人が集まってきてできることが増えて、二度目の展示の時は「俺たちで、人工衛星マジで作る!」という出展になった。

9か月前とはあまりにも状況が変わりすぎて、なんでこんなことになっているのか理解できないまま流されてきたように思っていたのだけれど、改めてできあがったものと集まってくれた人たちを見ていると、ひと際感慨深いことこの上ない。

まだまだ決めることもやることも山積みであるけれど、ちゃんとぼくらは進んでいたんだ。当時のぼくら、きみたちはちゃんとやっている! と過去の自分たちにエールを送る。


リーマンサットに興味を持ってしまった方はこちらへ
https://www.rymansat.com/


PHOTO BY NASA

皆さまのご厚意が宇宙開発の促進につながることはたぶんないでしょうが、私の記事作成意欲促進に一助をいただけますと幸いでございます。