はるかな尾瀬 - 秋の日帰りハイク
9月上旬の週末、以前から行きたかった尾瀬に出かけてきました。
登山好きの知人と2人。
といっても私は日帰り登山や山歩きレベルで、彼女は泊まりがけでアルプスなどの高山に行くタイプ。
どちらかというと経験豊富な友人に先導してもらう形での実施です。
山の話はたびたびしてきたのに、一緒に山に行くのは今回が初めて。計画段階から楽しくて仕方ありませんでした。
当日の予定は、まず私が早朝出発して友人の自宅まで。友人の自宅に私の車を置かせてもらって彼女の車に乗って一緒に尾瀬まで。
一応今回の目標地点を決めて、あとは歩ける範囲で回ることにします。
この日は快晴で、絶好の山歩き日和。
とはいえ秋の尾瀬は寒さが厳しい日もあるので、もちろん防寒具も用意して行きました。
週末だし好天だし、予定より到着が少し遅れたこともあって混雑が少し心配だったけど、道は空いていて駐車場も空きがある状態。
一般駐車場から出発地点の鳩待峠までは、シャトルバスのチケットを買って送迎バスに乗車。片道980円。
周囲を見ると、家族連れ、若いペア、本格的な登山装備のグループや外国人グループ。比較的ラフな格好の人から、かなり本格的な登山装備まで様々でした。
目的の間口が広いのも尾瀬の魅力ですね。
細くて曲がりくねった山道をバスに揺られながら数十分。
車酔いしやすい人は酔い止めがあると安心です。
私は平気なタイプなので、景色を楽しんだりスマホいじったり。
ちなみに、この移動中すでに電波が届きません!
鳩待峠
尾瀬に向かう入口の一つ、鳩待峠に到着。
大勢のハイカーたちで賑わっていました。
装備の最終チェックやお手洗いはここで済ませて、準備ができたらいよいよ出発。
スタート地点が峠だけあって、最初は下り。
延々と続く下り石段を進みながら考えるのは「帰りはここを登るのか。。」という不安。
下りが長ければ長いほど不安が増します。
熟練度に差がある場合、誰がペースメーカーになるべきか考える必要があるけど、個人的には経験者に先導してもらう方が楽。
身軽で山慣れしている友人は徒歩ペースが早く、ひょいひょい進みます。
私も山特有の足場の歩き方はまぁまぁ知っているので、気を付けながら後を追います。
会話の余裕もあるし、時々、景色や植物の写真を撮りながら、もう少し早くても大丈夫と判断してペースアップ。
傾斜の強い山道の階段が、傾斜がゆるやかになると尾瀬独特の木道が現れてきます。
木々の間から尾瀬を象徴する山の1つ、至仏山が見えたので撮影。
いよいよ尾瀬だという期待が高まります。
山ノ鼻
至仏山の麓にある山荘と休憩場所に到着。
至仏山荘の向かい側にある休憩場所とテラスで、最初の一休み。
ここでタコからとノンアルビール。
酒好き同士のメニューです。笑
唐揚げと一緒に出てきたまさかのワンカップ!?は、ただのお冷でした。
普段、運転などで飲めないときはソフトドリンクを選ぶくらいにノンアルビールは飲まないのだけど、この時のノンアルビールは最高においしかった!
紙の地図を広げてこれからの行程の確認。
ちなみにこのエリアはネット環境があります。
友人が愛用している登山サイトを見たりしていたら、ちょっと長めの休憩になってしまいました。
これからが本番だというのに。
尾瀬ヶ原へ
さて、尾瀬ヶ原に向かって出発。
少し木立の間を進むと、突然視界が開けて定番の尾瀬の風景が一気に広がります。
キター!!(心で叫ぶ)
湿原に渡された2本の木道は、基本的に右側通行。前の人を追い越すときや立ち止まっている人を避けるときに左側に渡ったりします。
最高の天気に、程よい来訪者。
すれ違う人と挨拶をかわしながら、どんどん足を進めます。
牛首分岐(三又)とその先
最初の分岐点、牛首分岐です。広めの休憩場所があります。
振り返ると、青空にキレイな至仏山が映えます。
人が多いので、ここは休まずに直進することにしました。
ところで、足場の木道はけっこう痛んでいる箇所がありました。
浮き上がったり割れたり削れたり。
つなぎ目が危険な場所も多く、修復されながらとはいえ常に足元は注意が必要。
しかも地面からの高さがけっこうあって、さらに雑草の丈が伸びていると杭が隠れて見えないので、木道を左右に渡る時なども注意が必要。
足を踏み外す人はいないんだろうかと心配になります。うっかりしていると自分も危ないくらい。
橋の工事をしている人たちがいました。
こうして絶え間なく修復し続けて、尾瀬の木道は維持されているんでしょう。ありがとうございます。
挨拶をして通り過ぎます。
友人「こういうところ撮影するのってケイさんだよねー」
尾瀬に点在する池と、浮かぶスイレンの葉がことごとくキレイでした。
正面に見える特徴的なシルエットの燧ヶ岳(ひうちがたけ)が、だんだんと近付いて存在感を増していくのも楽しみの一つ。
道中にあった分岐の案内に「ミズバショウ群生地」の文字。
尾瀬といえば水芭蕉!
意気揚々と向かってみましたが、残念ながら湿原が広がっているだけでした。
今は9月。当然です。
尾瀬の水芭蕉の見頃は5月中旬から6月中旬頃。
誰もが聞き覚えのある歌「夏が来れば思い出す〜」よりも少し早いようです。
竜宮の湧き水
木道には様々な案内プレートがあります。
竜宮現象?
事前調査不足で、何が珍しいのかを知りませんでした。
この辺りの水は「伏流点」で地下に流れ込み、水脈を経由して木道をはさんだ反対側の「湧出点」に湧き出しています。
尾瀬ヶ原の広大な湿地帯が自然の濾過装置となって、付近のきれいな清流を生み出していました。
そういえばこの付近で「川に魚がいるー」って写真撮っていました。
とりあえず何でも撮影しておくと、あとで理由が分かったときに見返すことができて便利。
竜宮小屋へ
上空からモーター音が聞こえてきました。
ヘリにしては姿が見えず音も軽いので、ドローンだと気付きました。
青空によーーく目を凝らすと、なんとか小さな機体を発見。
と思ったらすぐに見失って音だけが響いています。
明らかにドローン飛ばしてる人たちを発見。
その後、休憩場所で一緒になったので話を聞いたら、池の形の調査をしている研究グループだそうです。
数日泊まり込みで尾瀬の調査。ステキすぎる。
もうすぐ竜宮小屋という所に設置されている定点カメラ。
NHK BSだって。映っちゃったかも。
そして、竜宮十字路にある竜宮小屋へ到着。
小屋の前に立てかけてある背負子は、歩荷(ボッカ)さんの仕事道具。
背負子で山小屋に荷物を運んで歩く人です。
友人が憧れる職業だそうですよ。ステキ。
小屋の前のベンチで、ランチタイム。
チーズとハムのホットサンドです!
ちなみに山は火気厳禁の場所も多いので、バーナー使用については確認してくださいね。この時はOKでした。
この後の計画を立てます。
赤は通ってきたルート、黄色は当初行く予定だったヨッピ吊橋です。
時間的に少し厳しいので、今回は諦めました。(山ノ鼻でのノンアル休憩が長かった。。)
ランチを終えたら片付けて準備を整えます。
小屋の裏にあるトイレは清潔で使いやすくて、こういうところも尾瀬の良さなのだと思いました。
寄付箱があります。
この環境が守られるように、ご利用の際は是非ともお財布持参で!
山ノ鼻までの帰路
元来た道を戻ります。
この日は本当に天気が良くて、撮影のために来ているだろうと思われる人もよく見かけました。
写真撮影の団体がいて、講師の撮影ポイントが通りすがりに聞いても面白くて、勝手に近くで立ち止まって盗み聞きしながらこちらも撮影したり。(笑)
休日だけど混み合うほどではなく、程よい人の行き来。
秋に入った尾瀬ヶ原の景色を楽しむ絶好の日でした。
週末だったこともあり、午後の時間帯にすれ違う人は宿泊客と思われます。
山ノ鼻方面から湿原に出てきた人たちが一斉に「おぉー」って歓声を上げて感激しているのを聞いて、分かる~って共感したり。
そしてふたたび山ノ鼻に到着。
観光ポイントはほぼ見終えていたこともあって、行きに比べて帰路はかなりハイペース。あっという間でした。
鳩待峠から駐車場へ向かうシャトルバスの最終時間まではまだまだ余裕があり、無理せず焦らなくて良い時間。
ジェラート、食べちゃうよね♪
甘い休憩を終えて、いよいよ最後の山歩き。
ところで、この山ノ鼻はキャンプ場があってテント泊の人たちが多いポイントです。
山小屋が近くてライフラインが整っていてさらに電波も飛んでいるこのあたりは居心地が良さそう。
いつかテント持参で泊まりに来たいです。
基本的に山歩きは車のあるスタート地点に戻るので、行きに「ここを戻るんだ」と道の状況を確認します。冒頭で書いたとおり、鳩待峠への最後の登りがとにかく怖い。
始まった。。
案の定、私は徐々に息が上がり、先導の友人にペース落としてもらいます。会話も途切れ、さっき抜かした人たちに抜かし返される。
人に抜かされるのがイヤな友人、ごめんね。
いつまでも登りが終わらなくて、ベンチで休憩を取りながら登ります。
残りの距離とベンチ数が分かるのが救い!
同じように、行きは行楽気分で楽しんでた家族連れとベンチのたびに出会ったり。笑
この、一番疲れている最後の最後で登りの障壁が立ちふさがるのが、峠スタートのトラップなのです。
次のベンチまで頑張るのを繰り返して、足元の石積みが規則的な階段から不規則な石になったらゴールは近くです。行きにちゃんと覚えていました。
山歩きスキルの一つ、往路での記憶はぬかりない。
ゴール、鳩待峠!
ついた!
一休みして、駐車場までのバスチケットを購入。片道980円。
待ち時間で売店を見て、お土産に群馬の玉こんにゃくを買います。
山は早くも日が暮れてきました。
バス乗り場まで徒歩で移動。
時間は特に決まっていなくて、17:20の最終便までは人が集まったら出発という感じでした。
帰りは疲れて一瞬で爆睡して、駐車場に到着。
汗だくの服を着替えたかったけど、物陰のない駐車場で脱ぐのはためらって、そのまま出発。
駐車料金は1000円。
無料の足湯でくつろぎタイム
途中コンビニに寄って、着替えと買い物。
沼田インターに向かって進んでいると、農産物直売所に足湯ののぼり旗を発見。
無料!
ありがたく浸かってきました。
入りやすい施設で、疲れた足も心も癒されました〜。
売店もあり、駐車場にはSLが置かれていて、お子さん連れにも良さそうです。
帰り道中、友人からは寝て良いよって言われて、実際に眠いときはお互い遠慮なく寝る派たけど、結局帰宅まで話し通しでした。
車乗り同士でもあるので、長距離運転あるある話が盛り上がる。笑
出来たばかりの新しいSA、赤城高原サービスエリアへ初めて立ち寄ってみたり。
広くて綺麗な店内。
群馬の名産品が並んでいて、ここでもお土産ゲットしました。
順調に友人宅に戻り、自分の車に乗って夜9時頃帰宅。
とても心地よい1日でした。
終
スキやシェア、コメントはとても励みになります。ありがとうございます。いただいたサポートは取材や書籍等に使用します。これからも様々な体験を通して知見を広めます。