Vol8.井戸掘りスタート
鞘管を埋めたら、いよいよ打ち抜き井戸の堀りがスタートだ。
鞘管の中に井戸堀り器を入れていく。
パイプの先端についているのが井戸堀り器というやつだ。
井戸堀り器にもいくつか種類がある。「井戸堀り器」で検索してみるといい。
大きくはこの写真のような形で、先端に弁がついた筒状の形態で、水を入れてかき混ぜると筒の中に泥が貯めて掘っていくタイプと、先端にらせん状のドリルを入れて回して掘っていくタイプがある。
井戸堀り器は自分で作ることもできる。自分が使っているタイプと似た形で、曽我部さんが発明した「曽我部式」というのが有名で、塩ビパイプを組み合わせた堀り器で安価に作る事ができる。
筒状のタイプは地層が砂中心で比較的柔らかい場合に向いており、らせん状のドリルタイプは粘土質で固い地層を掘るのに向いている。自分は筒状のタイプでありながら筒が金属製で粘土も砂も掘れる写真のタイプを購入した。
その後、地層に合わせていろいろな道具も作ったが、ほとんどこの井戸堀り器で掘り進めた。
最初は水を入れながら掘る。どんな固い地層でも水を入れて井戸堀り器でグチャグチャとこねくり回すと泥になって掘れていく。
井戸堀り器に土が貯まってきたら引き上げて土を取り出してまた掘る。これを延々と繰り返す。
ある程度掘った所で鞘管を押し込むとズブズブズブと埋まっていく。鞘管が沈む時はとても快感である。
150cm位掘ったところから水がしみ出し始める。と同時に急に掘りやすくなって一気に進む。
どうやら砂の層に当たったようだ。180cm~190cm位までは一気に進む。なので砂層の厚さは30~40cmか。
地層は10cmで1,000年の歴史が積もっているという。つまり、150~180cmということは1万5千~8千年前ということか。とすると縄文時代が始まるかどうかという位か。
札幌の歴史を調べると、1万5千年位前から縄文時代が始まり1万年前~⑤千年位前の期間は海面上昇により札幌の北側地域の平野は石狩湾が入り込んで海だった所もあったようだ。ひょっとしたらこの辺も海だったのかもしれん。そう思えば砂からなんとなく海の匂いがする。
地面のところまで沈んだら継ぎ手を接着剤でつけて鞘管を追加する。
鞘管を追加した当初は結構高さがあるので脚立などに上がっての作業が必要となる。
2m掘ったところで20cm程水がたまるようになってきた。
(Vol9に続く)