「知らない彼女」

シナリオ・センターの課題②身辺雑記

人物 間宮 翔(25)市香の後輩
   横峰市香(27)間宮の先輩


〇職場ビルの裏口・外(夜)
曇った空からは雨が降り、辺りは暗い。
間宮翔(25)、傘を差して立ち止まったまま、右手に持った携帯を見ている。


裏口のドアが音を立てて開く。
間宮が携帯から目を離し、ドアを見る。
横峰市香(27)、ドアから出てくる。


間宮「あ」
市香「あ、間宮くん。お疲れ様」
市香、傘を差して間宮に近づく。
間宮、携帯をバックポケットにしまい、市香に笑顔を向けてお辞儀をする。


間宮「横峰さん、今までお世話になりました。ありがとうございました!」
市香「こちらこそ。向こうでも頑張ってね」


間宮「はい、頑張ります!あの横峰さん…」


そう言った間宮の視線が、傘の柄を持った市香の左手にいく。


間宮「えっ…」


市香「…ん?」
市香が言葉に詰まった間宮をみて首を傾げる。


間宮が市香の左手から目を離す。
間宮「…あ、いえ、横峰さんも、お元気で」


市香「うん、ありがとう」
市香が間宮に微笑む。
間宮も市香に笑顔を返す。


間宮は市香に背を向け歩き出す。


間宮が歩き始めてすぐ、市香も反対方向へ歩き出す。


歩いていた間宮の足が止まる。
後ろを振り返る間宮。


遠く小さくなっていく市香を、間宮は見つめる。



降る雨の音が、大きくなった。   fin



こんな感じでいいのだろうか…
脚本やシナリオより、小説に親しんできたから表現の仕方が難しい。

今回は課題が身辺雑記ってことなので、
時期的にありそうな心情を、一場面に書こうと思ったのだけど、
なにせ原稿用紙2枚が決まりだから、
上記にあげた文字数は入りきらず。

画像1

絞った結果が写真のとおり。
なんだか物足りないよね、雰囲気もあっさりしすぎてて。
まぁ、今はそこまで求められていないのだろうから、指示に従う事を優先に。


この場面で表現したかったのは、
間宮が市香に、伝えたかったことを言えなかった寂しさというより、
仕事を通して長い時間を過ごしてきたのにも関わらず、市香のプライベートに関して間宮は今まで知ることがなかったんだなっていう、
親しい間柄にある距離の遠さでした。

…肝心な、親しさを表現しきれてないけど。


市香は、仕事中は指輪を外していたのかな。
それとも、最近婚約したのかな。
それで、今日仕事中には付けてなかった指輪を退勤時に付けて職場を出るということは、
これから相手と待ち合わせをするところなのかな。

どう思っているかはわかりませんが、間宮はそう思って、彼女を見ていたことでしょう。


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