駄作集

ごみ溜め

ウォッチャー

会いに来て
わたし

わたし どこ

自分 が ない

愛して

たしかに

闇が手招く

暗雲広がる

ぼくにあって きみにない

あたしになくて おまえにある

先を潰したクレヨン

描いた紙 破り捨て

胃が破裂するまで

詰め込んだ─

詰め込んだ。

ああ、魂は見ている

不幸を見ている

落ちる

落ちていくんだ何もかも

ただ それさえ

心地よかったんだ…

おとなとこども

小さな子供が
胸の中にうずくまっている

おとな それは
あの人と煙草を喫みにいくこと

おとな それは
お酒を飲んでだらしなく胸中をさらけ出すこと

おとな それは
大きな責任と幸福を両立させること

小さな子供が
胸の中で涙を流している

おとな それは
胸の中にいる小さな子供を忘れること

イカロス

ここから何が見える?
空が見えるよ
青空と
焼けるように暑い空気に
天高く手を伸ばしてみる

最近首輪がきついんだ
鎖は断ち切ったはずなのに
まだ耳障りな声がする


そうさ、きっと変われない
愛なんてない
わかるかい

駄菓子屋のおまけで
ついてきたメランコリック
10円当たりで交換だ
あの頃の視点になってみる

こんなに低いところから
あんなに高い場所を見ていた

それでも
空は今より輝いていた
空気は今より澄んでいた

そうさ、きっと変わらない
夢なんてない
わかるかい

愛LOVE

神さまを
引っ掴んで打(ぶ)った
そんなあたし
昔じゃ
考えられないくらい
悪い子

思考Rain
雨Thinking
五光でこいこい

おやすみなさいが言えなくて
ずっと1人のままでいる
暗闇の中這いずって
出口をずっと探してる

おはよう
その言葉が呪術的で
僕はクローゼットの奥に四葉の栞を隠した

今日こそ、きっと、悪夢が待っている

あいたりない

先に寝ないで
寒い寒い寒い
離れていかないで
怖い怖い怖い
抱きしめていて
ずっとあなたの腕の中に居させて
足りない
無い、無い、無い
どこにもない
探しても見つからない
騒がしいのに静かすぎる
早く来て
眩しくて
暗い暗い暗い
目が痛くなるから
嗚呼
過ぎていく日が
早い早い早い
どうして
わからないわからないわからない
お願いお願いお願い
ひとりにしないで

愛の味

傷痕を舐め合いながら私たちは生きていく
本当の愛の味なんて知らないまま
ただれた傷痕から漏れ出す膿を舐めあっている

みんな知っているけど知らないフリをしている
そうした方が楽だから
まがい物でも今の私達にはこれがお似合いだった

栄養価の低い愛には常に副作用が付きまとう
やがて依存し薄っぺらなそれを次から次に求める
私達はお互いに憎しみ合う、愛し合う、泣き合う
やがて疲れた頃には元の形を忘れている

本当の愛の味ってどんな味なんだろう

調味料だらけのこれは未だ棄てられない

失ったものたち

肚の中を尖った爪で引っ掻き回すように
失くしたものの残骸が飛び回っている
土砂降りの日に私は外を走っている
手足を動かし肺で息をする度に中身がこぼれていく
あの日ベッドに拘束されて動けなかった少女は
今こうして夜の街を駆け出していく
荒い呼吸音
口の中に血の味が広がる
内側から壊れてしまえ 壊れてしまえと 私は足を速めた
民家を見た
暖かな光が漏れだしていた
その瞬間に

心がぐしゃりと潰れた

待つ

祈り疲れたよ
いつか来るあなたを
待っていること
もう出来ないから
掻きむしる
古傷から
綺麗だった思い出だけが
ぼろぼろ無くなっていく
消えていく
空に解けていく
さようなら
さようなら

もう戻れない
ついに足の骨は折れて
肺も腐った

アイロニカル

私ってどこ?
私のいきたい場所はどこ
溺れる もつれる 耳に水が入る この感覚が
去年の春夏を思い出してきた 鎖が枯れる瞬間

ほらもう崩壊寸前ぼろぼろじゃらり
ゆらゆらゆれて描きだせない
脳の奥を刺激して化学物質
構築した魂はなにを見る?その目で何を見る?

いまその目玉はガラスのように透き通って硬くて重いのだが
夏空 冬真っ暗 どっかぐりぐり踏みつけてまるめた春と冬

どっか行っちゃった あたしは
トリップ時空でランデブー

子守り歌を歌ってやろう
ねんねんころりよおころりよ ぼうやはよいこだねんねしな
あたしわるいこどうでもいいの こんなんなんじゃねむれない

A・ああ――

空気 空気 空気があり
それがこわれずに今口元に吸い込まれていく
人はこれを呼吸という

おいしくないまま食事をつづけた
なにかしないといけないため

               down down down

下に下に下に下に下に落ちていく真っさかさまの

いろいろカラフルアイロニー 白痴の道化

したいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたいしたい

誰かが言ってたことなんてあたしに関係ない事だ
         誰かが知ってた人生なんて歩けないほど

腹の底

あんたがたどこさ あたしんがた な どっけあったっちゅうかい
うちんがた ん むすこんこ ん やいやい ゆうちきたじゃいろ
どがんじゃいろ ええとこさ わからんて ゆうちょったばい こやんかつコリャ まァた もう どがんもこがんもできゅんなか て よ

ほっといてェ 放してェ 

くちびるつめたくてあーあーおおごえ出せない
おぉおぉ 耳元でカチリと音がした 夢の中に夢の中に夢の中に


終わり


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