現役書籍編集者@山田

編集プロダクションで20年以上毎年50冊以上の書籍編集に携わる。パソコン書とビジネス書…

現役書籍編集者@山田

編集プロダクションで20年以上毎年50冊以上の書籍編集に携わる。パソコン書とビジネス書が得意。出版コンサルとして全国で多くの著者を輩出。これから出版したい人にSNSを使ったファン作りの方法を指導し、SNSの専門家としても活動中。 https://www.ks-pro.co.jp/

最近の記事

出版クラウドファンディングについて

最近、出版クラウドファンディングのことがよく話題に上がります。 まぁ、ようするに著者が自分の企画で出版するための資金を集めるというものです。 で、この出版クラウドファンディングを自費出版の出版社がやるなら理解ができるのですが、商業出版の出版社がやるというのは…。 ようするに、最近よくある「出版したけりゃ金出しな(買い取り含む)!」というのと同じです。 それを出版クラウドファンディングという、ちょっと聞こえのいい言葉に置き換えているだけで、結局、出版社のリスクを軽減させ

    • 大事なのは目的!

      出版したいと、私のセミナーに参加される人に、「何で出版したいと思ったんですか?」と聞きます。 すると… 「とにかく出版したいんです」 「出版してビジネスを加速させたい」 「出版して多くの人を救いたい」 「出版して印税生活をしたい」 「出版してチヤホヤされたい」 などと答えられます。 でも、これらの答えを見て、何か違和感を感じる答えがありませんか? そもそも“出版”ってなんなんでしょう。 私は、本というのはツールだと思っています。 なので、ツールを使う以上

      • 働き方改革もいいけど…汗

        いよいよ第25回参議院議員通常選挙の公示がされましたね。 国会では『働き方改革』が話題になっており、やはり、大手出版社ではこの流れに準じる方向らしく、残業や休日出社が厳しくなったそうです。 でも、そもそも編集という仕事は、答えのない仕事。 なので、編集者が納期までに「よし、これで完成!」と思えるまでが仕事であり、そこまでの完成度にもっていくために徹夜をしたり、週末をつぶして作業に没頭したものです。 が、しかし、『働き方改革』なるもののおかげで、それができなくなった…。

        • ブログなんだから好きなことを書けばいいのに…

          よく、ビジネスを加速させるのにブログを開設しましょうと言われます。 そして、コンセプトを決めようとか、ターゲットを設定しようとかとも…。 個人的にはそれ自体は間違っていないし、正論だと思います。 しかし、その結果、多くの人がブログを更新し続けられなくなってしまっているようです。 それでは、何のためにブログを開設したのか、意味が分かりませんよね。 そもそもブログを開設して、ビジネスを加速させるためには、“アクセス数”と“継続性”が必要です。 アクセス数は、設定した読

        出版クラウドファンディングについて

          編集という仕事

          出版業界における編集という仕事は、実に幅広いです。 企画立案や著者探しから、原稿依頼、原稿整理、校正、割付(レイアウト)、装幀、進行管理など、実務作業全般を意味します。大きく分けると、企画と制作という作業です。 同じ編集者といえども、出版社ごとに職務範囲が異なりますし、同じ出版業界でも、書籍と雑誌でも違いますし、書籍の中でも文芸と実用でも、全く違います。 私が出版社に勤務していた20年以上前の話しですが、先輩に『編集者というのは制作進行過程の潤滑油である』と教えられまし

          Kindleは出版と言えるのか?

          ここで言うKindleというのは、紙の本として出版したものをKindle化(電子書籍化)したものではなく、Kindleだけで出版したものを指します。 そもそもKindleってどうやったら出版できるか知っていますか? はい、そうです。著者がお金を出したら、誰でも出すことができるんですね。ということは、自費出版しているのと一緒なんです。 では、自費出版をして、著者としてブランディングできると思いますか? また著者としての自覚や自信は得られると思いますか? しかも、Kind

          Kindleは出版と言えるのか?

          閉鎖されていたからこそ平和だった出版業界

          ずっと出版業界は閉鎖されていると言われ続けた業界。まぁ、一般の人とは本を介した接点しかなく、その本づくりの過程において、一般の人と関わる必要がないのだから、ある意味、仕方のない部分もある。 そんな出版業界は、長年の商慣習の中で良く言えば“信頼関係”、悪く言えば“なぁなぁ”で仕事をしてきた。通常、仕事の契約書を仕事が終わった後に取り交わす業界って、そうそうないだろう。弊社で担当する著者に一番よく言われるクレームも「本を出す前に契約書を取り交わさないのはおかしい!」というものだ

          閉鎖されていたからこそ平和だった出版業界

          書籍編集者の末路

          出版社で書籍編集者をしていると、編集部内での出席競争のようなものがあります。出版社という企業体の中でのことなので、当たり前ですね。 で、当然、どれだけ売れた本を作ってきたかという実績で評価され、出版社の規模にもよりますが、だいたい40歳から45歳ぐらいまでに編集長になれるかどうかというのが、ひとつの目安。 編集長になれなかった編集者は、フリーランスになっていくというのが一般的。で、後輩たちからお仕事をいただくという…。 ただ、その後輩たちからすると、体力が落ちて無理が効

          書籍編集者の末路

          集客コンサルタントやソーシャルメディアコンサルタントのノウハウをそのまま実践しても成果が出ない…

          よくソーシャルメディアで集客コンサルタントやソーシャルメディアコンサルタントの人が投稿しているのを見て、「ああいう投稿で集客できるなんて素敵♡」と思って、その人のセミナーに参加したり、コンサルを受ける人がおりますが、それを実践しても成果はでません。 理由は簡単。 何か本業がある人がソーシャルメディアで投稿しているのではなく、集客コンサルタントやソーシャルメディアコンサルタントが、ソーシャルメディアで集客するために投稿していることだから。 編集者的な観点で言うと、コンテン

          集客コンサルタントやソーシャルメディアコンサルタントのノウハウをそのまま実践しても成果が出ない…

          編集者に必要な素養

          今まで、編集者に必要な素養って、何かに特化した専門知識と文章力だと思ってた。 編集者である以上、何かに特化していてもいいからちゃんとした専門知識がないと本の内容を検証できないし、文章力がないと著者やライターの原稿をチェックできないし、加筆修正の手も加えられない。 まぁ、ウチが元々パソコン書専門の編集プロダクションだったので、せめてこのどちらかがないと話にならなかったから。   でも、最近思うのは、好奇心とコミュニケーション能力だと思う。 何事にも面白がれるのか、興味のないこと

          編集者に必要な素養