インド 著名商標の申請制度(2)

出願手続、申請費用

著名商標の申請は、インド商標局に対して、オンラインで行います。
著名商標の申請費用は、100,000ルピー(約16万円)となります 。通常の商標登録出願費用が9,000ルピー(1区分、約1万4千円)であることを考慮すると、比較的安価に、全区分に渡って商標を保護できる制度といえます。

提出書類

インド商標局発行のPublic Notice によると、著名商標の認定の申請は、インド商標局が発行しているForm TM-Mを使用します。また、出願時には以下のような書類の提出が求められます。
・著名商標である旨の声明(Statement of Case)
・商標が著名であることを示す証拠
 証拠書類としては、以下のものが挙げられます。
・商標の使用の証拠、出願及び登録の証拠、商標に関する事業の年間売上額、販売数量又は顧客数、商標に関する宣伝広告、広告費用、インド国内外における消費者の認知状況
・商標が著名と認められた結果、商標に関連する権利行使が成功したケースの詳細
・インドの裁判所又は商標局によって、商標が著名と認定された旨を示す判決文

その他、商標の認知度を示す消費者アンケートを提出することも有効と言われています。
上記の証拠書類は、全てデータで提出します。

審査の流れ

登録官は、提出された書類に基づき、商標がインド国内の広い範囲において、公衆の少なくとも一部に対して著名であるかを判断します。
提出書類に不備、不足があった場合、登録官は出願人に対し、追加書類の提出を求めることがあります。また、ヒアリングも必要に応じて実施されます。
著名商標の申請が拒絶された場合、IPAB (Intellectual Property Appellate Board) への審判請求も可能です。
登録官による審査を通過した商標は、30日間、異議申立のために公告されます。異議申立が無かった場合、商標は著名と認定され、著名商標一覧に掲載されます。
審査が滞りなく進んだ場合、申請日から1年-1年半程度で公告となります。


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