[メキシコ] 2020年商標法改正 (2)

2020年7月1日付で、メキシコ産業財産法の改正が官報に公示されました。改正法は、2020年11月5日に発効しました。

著名商標制度、周知商標制度

メキシコの消費者に認識されている商標は、「周知商標」(Well Known Trademark - 特定の公衆や商業分野にて認知されている商標)または「著名商標」(Famous Trademark - 消費者の大多数が承知している商標)として保護を受けることができます。
法改正において、「著名商標」の定義に「消費者の大多数が商標を周知している場合」に「国際取引において十分に浸透または認知されている場合」も追加されました。
さらに、商標の周知性、著名性を証明するための必要証拠の一部が削除され、宣言に係る手続が簡素化されました。

商標管理に関する注意点

日本企業の多くは、国際登録出願(マドプロ)制度を利用し、メキシコに出願するケースが多いと考えられます。
メキシコで商標権を維持するためには、使用宣言書の提出が要求されることから、商標管理には高度の注意を要します。この点に関し、直接出願であれば、代理人の期限管理に期待することができます。しかし、メキシコを指定した国際登録出願について、暫定拒絶通報を受けずに保護確定に至った場合、現地代理人が存在しない状態となります。
さらに、日本企業がメキシコで使用宣言書を提出するためには、現地代理人を選任する必要があります。そのため、保護確定後にメキシコ代理人を前もって選任し、期限管理を依頼することをお勧めします。

登録証の取り扱い

国際登録出願については、権利者の請求があった場合にのみ、メキシコ産業財産庁は登録証を発行します。メキシコでは登録証を電子データで発行していますが、原本としての法的効力を有します。


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