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【娯楽メモ vol.18】異国日記




あらすじ

大嫌いだった姉を亡くした35歳の小説家・高代槙生は、姉の娘である15歳の田汲朝に無神経な言葉を吐く親族たちの態度に我慢ならず、朝を引き取ることに。他人と一緒に暮らすことに戸惑う不器用な槙生を、親友の醍醐奈々や元恋人の笠町信吾が支えていく。対照的な性格の槙生と朝は、なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに、家族とも異なるかけがえのない関係を築いていく。

映画.comより


感想(※ネタバレあり)

家族でも家族じゃなくても、自分とあなたは別々の人間なんだから、完全にはわかり合えない。

人にはそれぞれ得意なことと苦手なことがある。文才があっても部屋の片付けが苦手な人。家事が得意でも自分をさらけ出すのが恥ずかしい人。

好きなことや嫌いなこともみんな違う。音楽に興味があって、隠しごとされるのが嫌いな人。どんなに姉のことが嫌いでも、その娘までは嫌いになりきれない人。

人それぞれなんだから、わかり合えなくて当たり前。でもこの世界では共に行きていかなくてはならない。

相手の気持ちを考えた気になってズカズカと踏み込んでくる人もいるけれど、それは自己満足でしかない。

本当に必要なのは、「無理にわかろうとしないこと」。

ゆっくりでいい。心を閉ざしさえしなければ、いつかきっと距離が縮まっているから。

そのために僕は、これからも素直で居続けたいと思う。

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出演者たちの自然すぎる演技力

もしかしたら自分の身近にもこんな日常があるのかもしれない、と思わせるほど自然な演技が光っていました。

改めて、配役が完璧だなと。

まず、ガッキー(高代槙生役)の演技がすごく好きでした。

落ち着いた、飾らない感じ。ポッケに手を突っ込んで「うぃ」って感じで歩く姿とか、いかにもガッキーそのものって感じで笑。

家で服装と髪型気にしない所とかも、リアルな引きこもり小説家って感じがして好感持てました。

あとメガネがよくお似合いで。どこのメガネですか、教えてほしい。

そして憩ちゃん(田汲朝役)、かわいいですね。

スカートの丈気にしたり、おやすみ詐欺のLINE、人懐っこくくっついていく所など、リアルにいる少し田舎の高校生って感じがしました。

本当に素直で、健気で。いい子だなと微笑ましくなります。

この子なりに色々考えていて、でも現実はうまくいかないことも多くて。そんな中で時折見せる、心を許した笑顔がとっても素敵でした。

そして、瀬戸康史と夏帆も。ちょい役ではあるけど、見る側の印象に残してくるの流石です。

二人ともすごくいい友達で、近すぎず遠すぎず。困った時はすぐに駆けつけてくれる。こういう存在って人生において大事だよな、と思いました。

特に夏帆さんは、架空OL日記やブラッシュアップライフを見ているようで笑。自然すぎる日常演技が光っていました。3人で餃子を食べるシーンはずっと眺めていたいです。

餃子で思い出しました、朝がギターケースに付けていた餃子のキーホルダーかわいかったですね。映画のグッズにも餃子キーホルダーあって、めちゃめちゃかわいくて欲しかったです(早くも売り切れでした…)。

それから、朝のクラスメイトたちも。

えみりは彼氏の話を避けたシーンで、あー女の子が好きなのか、と。体育館のシーンでは「付き合ってる人がいる」と言っていたけれど、本当の気持ちはやっぱり朝へなのかなと深読みしたり。どうなんでしょ。

森本さん、一生懸命努力していたのに大人の都合で踏みにじられてしまって…悔しいよね。優等生なのに一緒に遅刻したり、雨に打たれても全然濡れてなかったりは気になったけど、プライドが高すぎないいい子だなと。屋上で流した涙がとてもきれいでした。もっとこの子の絡み見たかったです。

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気になるトラックとMacBook


交通事故というと、どうしていつもトラックが突っ込んで来るんでしょうか。なぜトラックなら仕方ないみたいな処理になるのでしょ…。

もう定番化されすぎて、後ろからトラックが迫ってきたり、左右確認せず走り出したりすると「あぁ気をつけて…」って身構えてしまうんですよね。

ドラマとか見てると、「いや今の止まれただろ」みたいな距離の描写もあったりするので、何か他の交通事故パターンはないものかと考えたり。

もう一つ引っかかったのは、30万のMacBookを朝が黙って購入してしまったシーン。

ここだけ場面の切り替わりが唐突で、気になってしまったんですよね。

いくら大人に反対されるのを怖がる朝ちゃんでも、素直ないい子ではあったから、黙ってここまでのことするかな、と。

原作ではもしかしたら、何かその辺りの脈絡を描いているのかも、です。

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あさのうた


エコーというワードから歌詞を連想するシーン。朝はちゃんと高校生、槙生はさすが小説家って感じの言い回しで、二人の歳の差というか人生経験の差みたいなものが表現されていてすごいなと。

そしてバンドのボーカルに挑戦するシーン。「緊張する」と不安がる朝に対し、槙生は「大丈夫、次があるよ」と。

人によっては、やる前からそんなこと…と思う人もいるかもしれませんが、僕はいい返しだなと思いました。僕が同じ場面で言われたら、一番安心できる言葉だろうから。これから使っていきたいです。

そして本番。透き通るようなきれいな歌声で、大丈夫?楽器の音に負けちゃわない…?と心配になるほど。歌詞もとっても良くて、心に響きました。

その姿を応援するえみりと森本さん、そして画面越しに嬉しそうに見つめる槙生。大好きなシーンでした。

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「日記」

タイトルにもなっている「日記」。朝の書くノートがラストに関係してくるかなと思ったけれど、最後は朝のお母さんの日記(?)の言葉でした。

盥(たらい)ってこう書くんだ…という所から始まり、「ぽつーーーん」とか「うなぎ」とか、イラストも含めて超かわいかったです。

あと、大人の友達って確かに見たことないかも!と。親や先生が、友達同士で仲良くしてるのあまりイメージできないので、ワクワクする朝ちゃんの気持ちがよくわかりました。

考えてみれば、今の自分の友達も子どもから見たら大人の友達なんだけど。不思議。

最後に、「異国」はどういう意味なんだろう。ただ単純に、わかり合えない者同士ということなんでしょうか。

アニメのHPを見ると、キャッチコピーが「ちがう国の女王の王座のかたすみで眠る」とありました。原作読んだらわかるかな。今度読んでみます。

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