地方再生の「アドベンチャーride」の役割を考える@九州Heaven Ride 2017
「何が価値があるのか?」
地方再生には、地域の外側から人が来てくれ事が大事。そのためには、その地域の魅力を紹介する事に工夫が必要になります。ケーススタディの一つとして、ニセコの事例から学びたいと思います。
【ニセコの資産は、20年前外国人によって発掘された】
サイクリストにとって、ニセコクラッシック・ロードレースでもご存じでしょう。今でこそ、パウダースノウで世界的にも27年前(要するにバブル期前)は、東北や北関東にいくらでもある単なるスキー場と温泉があるだけの、交通が不便な町のひとつに過ぎませんでした。観光と言えば、スキー学校や修学旅行のような団体で、地元に落ちるお金もわずか。想像を超える事は無い程度に過ぎなかったそうです。
90年にオーストラリアから移住してきた、一人のオーストラリア人がラフティング事業を始めた事から、国際的なリゾート地へ変貌を遂げてゆきました。地元の人が「誰もそんなに高い価値があるとは思わなかったニセコの大自然」が世界からお客さんを呼べる大きな資源になることを、最初に注目したのは外国人でした。
ほとんど放置されていた遊休地を資産だと着目したのも、外国人でした。言い換えると、ニセコは外国人(他から見た価値を知る者)と地元民が一緒になって長い時間をかけて作り上げたのです。
最初の一人である、ロス・フィンドレー氏は海外からの観光客のための英語ガイドや標識などの整備について、たびたび役所に陳情に来ていたそうである。
そのときに、倶知安町役場の人々が「外国人」である事を理由に、フィンドレー氏の提案を取り合わなかったら、またその後徐々に増えて行った外国人スタッフを町民が受け入れなかったら、今のニセコは無かった。
この話は「リノベーション」普及の発案者であるLIFULL HOME'S 総研所長 島原万丈氏と取材で話したことです。
https://www.homes.co.jp/souken/member/
ちなみに、余談であるが、中国人の北海道ブームのきっかけとなったのは、映画『非誠勿擾』(邦題『狙った恋の落とし方。』)。この映画に登場する風景は非常に美しいが、田舎のスナックで、40年前の写真で騙して入店させるおばちゃんたちが出てくるし、生玉子を落としたウニいくら丼が、生臭い、“気持ち悪い食べ物”として描かれている。
「狙った恋の落とし方。:非誠勿擾」予告編
https://youtu.be/GcQ276BlbEE
映画は、壮大な景色の中で中国人たちがおりなす恋愛ドラマ。登場人物らの旅資金はベンチャービジネスで当てたものであり、旅館の浴衣を着た彼らに、給仕の和服の日本人女性が正座で頭を床につくほど下げるシーンが出てくる。かつて経済的に大きく先を行っていた日本の、この“描かれ方”が彼らの心をくすぐったのはまちがいない。
物事の見え方は様々であり「何が価値があるのか?」それは「アウトサイダーだから見える」という事だと思う。だからこそ、いつの時代も新しい挑戦は、可能性を切り拓くのだと思います。
「アドベンチャーride」は、単なる観光ではありません。その地域の魅力を参加者が「自らの体験」「自分の言葉」を自然な形でSNS等で情報発信してくれます。九州Heaven Ride 2017参加者も、#kshr2017 思い思いのUPをしています。
九州Heaven Ride 2017 インスタグラム #kshr2017
https://www.instagram.com/explore/tags/kshr2017/
地域再生にも様々な形があると思います。九州Heaven Ride 2017も自然にそのうちの一つに成長していければ素敵だなと思います。
【九州Heavenライド2017編集室】
「Tea room茶のこ」
熊本県阿蘇郡南小国町赤馬場101−1
プロジェクト担当・池松
Mail:kshr2017.edit「@」gmail.com
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