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新規事業開発・商品企画開発プロジェクトのヒント

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ソニー(株)で約25年、独立して4年約30社の新規事業・商品企画に携わってきた経験から、企画やプロジェクト現場へのヒントになる記事をまとめています
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2023年2月の記事一覧

プロジェクトミッションの効果

本日も新規事業開発や商品企画のヒントになる情報をお届けします。 前回、前々回と「聴診音のAI診断支援」の企画についてお伝えしました。 その記事はこちら この「聴診音をAI診断で支援する」という企画の中で ”プロジェクト理念”を定義したことにより 企画が加速したことを実感しました。 今回はその経験より「プロジェクト理念を定義する効果」についてお伝えしたいと思います。 ◇ヒアリングだけでは思いが伝わらない◇ 医療系のサービスビジネスを立ち上げるというミッションが与えら

アイデアはつくるもの~その2~(後半)

今回は「アイデアはつくるもの ~その2~(前半)の続きをお送りいたします。 前回「聴診音のAI診断支援」の医療サービスの立ち上げに携わることになり ヒアリングやブレインストーミングを行い アイデアを絞っていったことについてお話しましたが 医療サービスの立ち上げに携わることになり ヒアリングやブレインストーミングを行い アイデアを絞っていったところまでお話しました。 その記事はこちら 絞ったアイデアの一つ「手術映像の管理・配信システム」 でした。 私は以前に映像配信シ

アイデアはつくるもの~その2~(前半)

前回の記事では”アイデアはつくるもの”という概念で 「ノックスライド式USBメモリー」の商品企画についてご紹介しました。 その記事はこちら 今回はもうひとつの私自身の体験談として 「聴診音のAI診断支援」という企画を どのように進めていったのかについてお伝えします。 残念ながら この企画はソニーは最終的に手を引く形となり パートナー企業に推進を引き継ぎました。 とはいうものの、アイデアの形が変わりながら企画が進んでいった よい事例だと思いますのでご紹介します。 ◇サ

アイデアはつくるもの

前回の記事ではアイデアの種は必ず出るので小さなものでも出そう! ということをお伝えしました。 その記事はこちら アイデアを出すのは簡単なように見えて実際はとても大変。 「乾いたぞうきんを絞って一滴の水を出す」感覚です。 でも、アイデアの種は必ず出ます。 そしてその種を育てる。 「アイデアはつくるもの」だと私は思っています。 今回は 数々の失敗談(そのうちお伝えします)がある中 いかにしてアイデアをつくり ヒットモデルとなったのかをお伝えします。 ◇窮地に追い込まれ

アイデアは必ず出ますか?

◇アイデアは必ず出せる◇ 先日、新規事業開発や商品企画について インタビューを受ける機会がありました。 その際に 『ブレインストーミングなどのアイデア会議でアイデアは必ず出ますか?』 と聞かれたのです。 実はよく聞かれる質問です。 聞かれるとたびに 『はい、必ず出せますよ』と断言しております! 画期的なアイデアが出るかは保証できませんが アイデアの種の種のような『小さなアイデア』は必ず出ます。 もっと言うと 「アイデアが出るかな?」と思って進めるのと 「アイデア

エンドユーザーだけがお客様なのか?(その2)

前回の記事では エンドユーザーだけがお客様なのではなく、 販売店や関わるすべてのステークホルダーもお客様ととらえ、 そこにビジネスのヒントがあることをお伝えしました。 また、ソニー(株)で記録メディアの商品企画をしていたとき、 コンビニやスーパーマーケットからの要望により 物流バーコードを導入した体験談をお話しました。 今回は「その2」として 監視カメラ事業の技術マーケティングを担当していた時の 体験談をお話したいと思います。 ◇カメラのブランドを選んでいたのは・・・◇

エンドユーザーだけがお客さまなのか?

「顧客メリット」以上に「顧客ベネフィット」が大切 という話は何度かお伝えしてきましたが 今回は、お客さまは「ステークホルダー」すべてがお客さまである ということについてお伝えしていきたいと思います。 ◇ステークホルダーのベネフィットを向上させる◇ 「顧客ベネフィット」とは ・誰の ・どのような課題を ・どのように解決するのか つまり お金を払ってでも解決したい課題を お客様に提供できることになります。 一方 以前このことをお伝えしたときに エンドユーザーだけでなく