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2度目の頂へ

2021年シーズンの結果を以て、大分トリニータの来季J2降格が決定した。

苦しみ、足掻いて、なんとかしがみつこうとしたJ1 3年目だったが結果が出ず、チームはもちろん我々サポーターにも暗い影を落とした。悔しい。

2015年シーズンの結果で、文字通りJ3に「陥落」したトリニータの指揮を2016年シーズンから執ることになった片野坂監督。
彼でなければ、J3→J2→J1への2段階昇格を果たすことはできなかったと思う。

「古巣の危機を救いにきました」
就任時のこのコメントは絶対に忘れない。
そして、言葉どおりトリニータの危機を救ってくれた。

片さんが選手でトリニータに在籍していた時の記憶はうっすらと残っている。
左サイドバックで、diadoraのカンパーニャというスパイクを履いていたと思う。
白のスパイクでオレンジのロゴが妙に印象的だった。
左サイドバックの選手で、相手にもガツガツ行くし、サイドで労を惜しまないタフな選手というくらいの印象。
私は小学校高学年くらいだったと思う。
正直、スパイクの派手さ以外はあまり覚えていない。

監督としての片さんは現役時代のイメージとは異なり、とにかく緻密で戦略家。
ポゼッションサッカーを嗜好していたが、ただのポゼッションサッカーとは違う。
相手にボールを握らせないために自分達が握るという考え方。

そして、キーパーも含めた最終ラインからボールをつなぎ、相手の陣形を揺さぶって出たほころびを突いて一気に刺す。
この独特な戦術は他のどのチームもやってこない。
いつしかカタノサッカーと呼ばれるまでになり、トリニータのスタイルとして定着した。

片さんのおかげでたくさんのゴールも勝利も、そして昇格も見ることができた。

終わりはいつかくるとわかっていた。
冒頭書いたように、来季はJ2を戦う。
そして、片さんはトリニータを去る。

いつだったか、片さんのコメントで見かけた記憶がある。
「トリニータでタイトルを獲る」

今、トリニータはその目標を目指せる位置にいる。
天皇杯準決勝、相手はリーグ王者・川崎フロンターレ
倒さないといけない相手にしてはあまりにも高い壁だなあ…笑

最後に片さんが国立で宙を舞うところを見たい。
そんな姿を目に焼き付けたいという思いから、準決勝の結果すら出ていないのに決勝のチケットを買った。

12/19に新国立競技場の空を舞う片さんの姿を想像して、私は今日を過ごしている。

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