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コスプレしなくなった理由

私はアラフォー腐女子を公表しておりますが
その状態で「コスプレしなくなった理由」って言われても
「トシだからでしょ?」と思われそうですが
そうではありません。

私はおおよそ10代からコスプレをしていましたが
20代中盤くらいにはほぼコスプレはしなくなっていました。
たまに知り合いから併せなどに誘われ
重い腰を上げるくらいで
自分からはほぼやらなくなっていました。

自己紹介にもあるとおり
なるべくネガティブな事をSNS等では言わないように
心がけていたため
その理由を口に出さず
徐々にフェードアウトしただけです。

ここにはその時考えていた事を
イラストなど交えつつ書いていこうと思います。

まず、はじめに私にとってコスプレとは
どういうものだったかを説明したのち
何故コスプレをしなくなったかについて説明したいと思います。
めんどうな人は目次で最後に飛ばして下さい。

コスプレを始めたきっかけと初期のコスプレ

私がコスプレを始めた時は
本当に出来心で
同人誌即売会に参加する際に
なんとなくやってみるか、くらいの気持ちでした。

最初にコスプレしたのはおそらく
中学生くらいの時で、年代がバレそうですが
スラムダンクの彩子さんや
ガンダムWのヒイロユイなどのコスプレをしていました。

理由は言わなくてもわかると思いますが
"既製品でなんとかなりそうな衣装"って感じです。

適当に思うかもしれないですが
当時のコスプレ事情は、現在とはだいぶ違い
これでも頑張ったという認識でした。

コスプレしなくなった理由1

当時のコスプレは一般的な認知度ほぼなく
アニメ・ゲームファンの中の更に一部が
人知れず楽しんでいる趣味という感じでした。
今現在"コスプレ"といえば、
間違いなくアニメやゲームの衣装を着る人を想像すると思いますが
当時だったら"イメクラ"を想像する人の方が多いんじゃないでしょうか……

インターネットも普及していないので
そもそも情報もなく
田舎の学校に通っているため
周りにコスプレしてる人が一人も居ませんでした。

情報としてあるのは
同人誌即売会で実際に見たコスプレイヤーや
アニメ・ゲーム情報誌のコスプレコーナーくらいでした。

当然、衣装の販売業者もいません
(情報がまったくないだけでいたのかもししれないですが
 ネットがない時点で買ったり参考にしたり出来ません)

お小遣いも貰っておらず、
バイトも禁止だったためお金もなく
同人もやっていたのでコスプレに使えるお金はかなりわずかでした。

それでもコスプレしようとしたのは
同人誌の作者は通常見た目だけでは
なんのファンかわかりませんが、
コスプレという見た目明らかなファン活動をする事で
イベントで交流しやすいと考えていたからだと思います。

今、インターネットも普及して
情報もたくさん見ることが出来て
中学生から本格的なコスプレをしている人を見ると羨ましい限りです。

コスプレ衣装製作

その後、高校生くらいになると
環境がだいぶ変化します。

バイトを始め少し趣味に使えるお金が増えてきましたので
全身手作りのコスプレが出来るようになりました。

コスプレの認知度も少し上がり、
公式衣装が販売されたり
アニメイト系列のCOSPAが有名な衣装販売店でした。
ACOSは当時まだありません。
COSPAは衣装のクオリティは高かったのですが
かなり高価で、制服系でも5万程度、凝ったデザインのものは数十万円した気がします。(曖昧)

しかし、インターネットの普及で
コスプレ写真や衣装の作り方など
色々情報収集がしやすくなり
非公式で衣装製作を請け負う個人などもいました。
公式やCOSPAと比べると手作り衣装という感じでしたが
価格はその分抑えられ
制服系で2・3万、凝ったデザインのもので5万くらいでしょうか?(曖昧)

今だと個人でもハイクオリティで数十万する衣装を販売したり
ものすごく安価で量産されていたり多種多様ですが
当時は個人がオーダーメイドで請け負う程度のものでした。

それでも自分にとっては高価で、
"自分で作れば材料費だけ"という気持ちから自作派になりました。
制服系でよく使われている「T/Cツイル」などでも1m400円程度なので
5m使っても2000円程度!!
ファスナー・ボタンなどを買ってもかなり安いです。

高価な衣装は買えなかったですが
インターネットで衣装を見て
参考に出来るようになったのは大きいです。

ちなみにここで
手芸の楽しさに目覚める人もいるとは思うんですが
個人的にはそこまで「衣装制作が楽しい!!」とは思いませんでした。
「作れば好きなキャラのコスプレが出来るから頑張ろう!!」という感じで
"やりたいことのために乗り越える苦労"くらいに思ってました。

作り方については
"コミックグリフォン"という東雲社さん主催のイベントがあり
そのパンフレットに「コミグリ・コスプレ講座」というコーナーがあって
毎回コスプレ衣装の作り方が紹介されていました。
そこで紹介された衣装の作り方だけをまとめた
「再販リミックス」という再録同人誌(コピー誌)を3冊購入して
それだけを見て、裁縫を一切したことがない人が
ミシンもなく手縫いで衣装製作をし始めました。

本には型紙の縮図が掲載されているので
それをもとに新聞紙で型紙を作り
購入してきた布に型紙を当てて切り
手縫いで縫い合わせて作りました。

それでも意外になんとかなるもんで
それなりのものが仕上がりました。
型紙のサイズが私にピッタリのサイズだったのもラッキーでした。
(型紙の補正方法も載っていましたが)

洋裁の基礎知識は自分で勉強して下さいって書かれてましたが
すごく初心者でも作りやすく書かれていたと思います。

今調べると"コミックグリフォン"は開催されていないようですが
「コミックグリフォンonline」という
レトロゲームオンリーイベントが開催されているようです。
東雲社さんも令和2年までは現役で衣装販売していたようで……感慨深いです。

東雲社
http://www.diana.dti.ne.jp/~grifon/
https://www.facebook.com/tounsha/

初めて衣装を制作したのは
ストリートファイターZEROのさくらの衣装で
「再版リミックス2」に掲載されていた作り方を参考に作りました。
ハッキリ言ってセーラー服作ったようなものですよね(滝汗)
でも、実際のセーラー服と違って
肩が丸っこかったり、丈も短じかめだったり
さくらってぽくてとても気に入りました。

コスプレしなくなった理由2


この衣装が完成した時の頭は
「えっこれスカーフとか変えたら
 "制服Verの麻宮アテナ"できそうじゃない??
 襟変えれば"ときメモ"とか"CCさくら"も出来きそうだし……
 肩のところ変えたら"ToHeart"とかもできそう、えっすごっ」

こんな感じで、型紙をアレンジする事でいっぱいになり
衣装作りはじめの頃、制服系衣装を
しぬほど作りました

コスプレしなくなった理由3

途中、母が見かねてミシン買ってくれて
数千円のすごい安いやつなんですけど
手縫いと比べると天と地くらい差がありましたね。
手縫いだと布の端の処理とか困るんですけど
ミシンだとロックミシンとかかけれますしね。
そして早い……捗る……

また、型紙から作るものとは別に
型紙なしで長方形だけでコスプレ衣装を作るという事もしていました。

どういうものかというと
長方形の布を縫い合わせてゴム通すだけで作るという謎手法
それでラビアンローズ(うさだひかる)を作りました。

コスプレしなくなった理由4

この作り方でなんとかなるキャラは結構限られてますけどね。
当たり前ですが
立体裁断とかした方が仕上がりは綺麗です。

その後、被服の専門誌をみたり
ネットで作り方を調べたり
技術向上を測りつつ、
裁縫道具も徐々に揃えていき
ジャケット系・着物系などの型紙も買い足して、
かなり色んなジャンルのコスプレ衣装を制作するようになりました。

たまにですが、樹脂・ウレタンなどを使った
甲冑・小道具・装飾品なども作っていました。

コスプレにハマった理由

「えっハマってないのにそんなに衣装作ってコスプレしてたの?」って感じですけど
実際そうなんです。
結構どっぷりやっているように見えたかもしれないですが
それでもまだなんとなく、
イベントの時に"祭にはっぴで行く"くらいの気持ちでやってました。
もちろん楽しかったんですが
同人誌の制作が忙しい時は
私服でイベントに行く時もありました。

しかし、どっぷりとハマる原因となる出来事がありました。
それは自分の推しキャラを見かけたことです。

それはあまりに推しキャラ本人過ぎて本人過ぎて本人過ぎたんですが
普通に街を歩いていたんです。
街徘徊可能のイベントとかではなくて。

「コスプレで出歩くなんて非常識じゃ?」って思うかもしれないんですけど
正確に言うとコスプレしているという訳でもなさそうなんです。
"私服が推しキャラとダダ被りしてる"とでも言いましょうか……
もしかしたら本人にキャラに寄せた意識があったのかもしれないですが
そこはわかりません。

もともと私服っぽい服装のキャラという事もあるんですが
本当に自然にこの世界に存在していたんです。

それを見てしまってから
このキャラが実在していてたら
こういう感じだろう、
髪質はこうで、服の生地はこうだろう……
と、いうような事をしばしば考えるようになりました。
それは2次元より3次元が良いとか、3次元化したいとか、
そういうものではいっさいなくて
2次元のキャラの"存在感"を楽しむようになったんです。

キャラクターグッズで"香水"というものがありますが
あれを家具やクッションにかけてキャラの存在感を
香りで感じて楽しむのと似ている気がします。

それから私は
コスプレによってキャラの"存在感"を表現したいと考えるようになり
とにかくコスプレにどっぷりとハマって行きました。

衣装制作も手作り感が出てしまうと
リアリティがなくなってしまうので
なるべく普通に売ってる服のようなイメージで作るようになりました。
当時コスプレ衣装を制作する際に"サテン"というツヤツヤテカテカの生地を
使って作る人が多かったのですが
個人的には
"その生地で出来た服を普段から着ている人っていないしな"
と思ってました。
もちろんファンタジー系の衣装とか、
魔法少女の衣装とかには向いてると思いますが
日本が舞台の作品だと合わない気がしていました。

付け足ですが、単に私のイメージがそうだったというだけで
アニメのキャラはサテンとか着てそうだという認識の人や
サテンという生地の質感が好きだという人もいると思いますが
それは人それぞれ。
自分の解釈で楽しめば良いと思います。
逆に「そういう解釈もあったかー!」と驚かされる衣装も
たくさん見てきました。

パールサテンで作られたロケット団の方、
エンボス加工の入ったベルベットでウテナのアンシーを作られていた方、
とても素敵に作っていた方は今も忘れることは出来ません。
自分の解釈以外を認めていないわけでは決してないのです。

撮影する場所は
そのキャラクターが存在しそうな場所へ行き
ロケ撮したりスタジオ撮影したりしていました。
当時は撮影許可との戦いというところもありましたので
可能な範囲で行きましたが、協会・学校・廃墟などなどへも出向きました。

写真全体で見た時に
シーンの一つになるような
自然な背景・自然な衣装・自然なポーズの写真が撮れるといいな
と思っていました。
部屋の写真の中に小さく小道具だけ映っている写真なども
さっきまでそこに居た、という雰囲気で好きでした。

撮影自体は知り合いと数人で
私はカメラマンもするので撮り合いがメインでした。
カメラのみの人はいないケースが多かったです。

背景のないキレイなバック紙の前で
作ったポーズ・作った表情でカメラ目線で撮ったりするのは
違和感を感じていました。

ただ、マンガやゲームでも背景を
書き込み無しの1色で表現したりする場合もありますし、
カメラ目線のイラストもいっぱいありますので
バック紙の写真だから素敵じゃないとは思ってません。
良いと思う写真ももちろんありました。
私もそういう撮り方をした事も普通にあります。

その頃になると
個人で行く撮影は写真という作品作りの為に行き、
イベントは同人誌メインで、
交流・素敵なコスプレイヤーさんの発見
写真を撮らせて頂くなどの目的で行くようになっていました。

この頃は本当に毎週のようにコスプレして
毎日のように衣装を作成して
得るものがあったかはわからないけど
一生懸命やっていてる充実感を楽しいと感じていたと思います。

コスプレをやめた理由

はい、色々言ってきましたが
コスプレをしなくなった理由は大きく分けると三つ。

①私がしたいコスプレと評価されるコスプレの違い
②衣装を作成する文化がなくなっていった事
③当日知り合う文化が無くなってきた事


①私がしたいコスプレと評価されるコスプレの違い
これは、ハマった理由に書かせて頂いた内容に
大きく関係してくる話になります。

世間ではコスプレが思ったより流行り始めました。
販売業者等も増え、
衣装でもウィッグでも小道具でもカラコンでも
安価で揃えられるようになりコスプレへのハードルがぐっと下がりました。
それに関しては自分も嫌だという気持ちはありませんでしたが
コスプレ人口が増えれば増えるほど
自分がしたいコスプレと一般的に評価されるコスプレが
かけ離れていることに気づきました。

一般的には
原作を絵柄もそのままに
完全再現するようなコスプレが評価されていました。
学生キャラであっても不自然なまでにメイクをして
顔のパーツが原作の絵柄と同じ形になるようにしたり、
キャラとまったく同じ色味のウィッグをかぶり
原作と同じ毛束の形になるようにボンドなどで固め
顔から動かないようにアラビックヤマトで
顔に髪を貼り付け
アホ毛なども毛束で同じ形になるように再現
服はアニメ感のある派手な布を使い
ボタンやアクセサリーや靴など
絵柄上極端に大きくディフォルメされてたものも
同じスケール感で作成
動きがついたマフラーやリボンは
布に針金などを通して同じ形をキープ
そのように完全再現したコスプレを
完コスと呼んでコスプレの中で最上位であるかのように扱われていました。

それはそれで良いと思っています。
「原作を完全再現するのが好きなんだ!」って人に
何か言うつもりは一切ありません。
それが本人の楽しみ方だと思うので自由だと思います。
本当に完全再現されていたりすると
見入ってしまいますし、
再現するために創意工夫されていたりすると
すごいなぁと思って
見るのがすごく楽しみです。

しかし、"日常には存在しない"って
思ってしまう部分はどうしてもあるんです。
普段からアラビックヤマトで髪貼り付けて
生活してる人はいないと思いますし
そういう設定のキャラでもないですよね。
私は"コスプレにハマった理由"でも説明した通り
そのまんま立体化するのではなく
キャラクターが実在して現実世界を生きていたら
どういう風になるか、
よりリアルに想像して表現するのが好きでした。
キャラをリアル化するというよりは
"キャラのモデルになった実在人物がいるとしたらこんな感じだろう"
というイメージで作成するのが好きなんです。

コスプレしなくなった理由5

最初は「私がやりたいようにやれば良い」と思っていました。
しかし、完コスは一般的に評価され
私が表現したいものを理解してくれる人は少数派です。
制作する大変さをとっても
別にラクしている訳ではありません。
よりリアルにするために真剣に衣装製作に取り組み
地毛で髪型を表現するために
髪の毛を伸ばしたり紙質を変えたり
苦労はそれなりにありましたが、
表現したいものがそこにあると思ってやっていました。

しかし、
表現した意図が伝わらずに
「中途ハンバ」、「手抜き」、「改悪アレンジ」、「似てない」
批判を頂く事が増えていきました。

私は決して
"ウィッグを買うの嫌だから地毛済ませよう"とか
"そのままのスケールで作るのが大変だから普通サイズにしてしまおう"とか
手を抜いてそこにたどり着いている訳ではなくて
そこを目指して作り込んでいるのです。

私自身は完コスも嫌いではありません。
どちらにも部類しないようなコスプレをしてる人も
もちろん嫌いではありません。
それぞれのキャラの解釈を見て楽しんでいたのに、
私のやりたい事はなかなか理解されず
次第に疲れていき
"そこまでして人に見せるようなものではないのかもしれない"
というような気持ちになっていきました。

その辺りから自分から進んでコスプレをしなくなり
人から誘われた場合は
誘ってくれた人のコンセプトに合わせて衣装を用意するようになりました。
併せの時に一人だけリアル寄りな衣装だったら
迷惑だという事はさすがに理解出来ます。

②衣装を作成する文化がなくなっていった事

私も衣装制作が好きというわけではなく
コスプレするための手段の一つだと思っていたので
購入するのが悪いとはまったく思っていません。
私も購入した事はあります。
もちろん版権無視した業者からの購入は
良い目では見ていませんが。

しかし、私はコスプレの衣装も
創作物のうちの一つという気持ちがあって
それぞれ違う表現したい物を
創るためにはやはり多かれ少なかれ
自分で手を加える必要があるのではないかと思ってしまいます。

特に私はリアルな存在感に拘って衣装を制作していたため
自分が求めるタイプの衣装が販売されていないケースが多く
作ったほうが自分の理想のものになりました。

少し違うかもしれませんが
同人誌で言うと絵も描かず文も書かず
フリー素材を並べて同人誌を出すような感じでしょうか?
それくらい違和感があります。
絵や文がたとえ得意じゃないなくても
自分が伝えたい事を表現するため
頑張って描いて同人誌を出すものではないかな、と思ってしまうんです。

衣装が気軽に安く手に入るようになって
着るだけでイベントへ参加する人が増えてきました。
それはかつて私が既製品で出来る範囲のコスプレしていた時期や
作れる範囲でコスプレしていた時期と同じで
コスプレする事自体に意義をなしているんだろうという目で見ていたので
批判したいという気持ちはまったくありませんでした。

コスプレの目的・楽しみ方は人それぞれだと思います。
私も人から見て取るに足らない衣装でも
頑張って作った衣装をイベントで着れた日は
人知れず達成感を感じていました。

しかし、気軽に安く買った衣装と
他人が一生懸命創作した衣装は一緒にはしないで頂きたかったのです。

気軽に安く買った衣装と他人が一生懸命創作した衣装を
混同されている人は
かなり気軽に"作って"、"貸して"
創作物を自分のものにしようとします。

これもまた少し違うかもしれませんが
同人誌で言うと、他人が頑張って描いた同人誌を
私のサークル名で出してもらえませんか?と
頼むようなものだと思います。

コスプレ衣装は着てしまうと、
着ている人の作品というイメージが強くなります。

借りた衣装を着た人が
「衣装のクオリティがすごい!」「細部の作り込みがすごい!」と
声をかけられ
笑顔で「ありがとうございます!」っとだけ言っているのを見て
唖然とした事もあります。

併せをした時に拘って衣装を制作したところ
当日に
買った衣装が入らなかったから交換してと言われた事もありました。
試着すらしないのかな、とも思いましたが
それ以上に気軽に交換出来ると思っている事が怖かったです。
私は試着もしていない衣装を着るのは嫌ですし
メイク道具等もキャラに合わせているので急な変更は困ります。
展示会等で衣装を主催が用意する場合などもありましたが
そういう時は対応出来るよう
めちゃくちゃ荷物を持っていきました。

頑張って創作した自分ならではの衣装は
すごく大切な"自分だけのもの"です。
絵が絵を描いた本人以外の著作物にならないのと一緒です。
そんなに気軽に他人の衣装を着れると思っている神経がわかりませんでした。

勝手な想像ですが、
気軽に安価で売り買い出来る様になって
衣装を大切に思っているという発想が
なくなってきているのではないかと思いました。

その認識の違いによってたくさんのトラブルがありましたし
衣装の大切さを理解出来ない人からは
「性格が悪くて人に衣装貸す事も出来ない人」「ワガママ」というような批判もされました。

5人で衣装を持ち寄って
それぞれ交換して着て、どれが一番似合うか投票してもらおう!
みたいな企画を持ちかけられたこともありましたが
「何目的なの??」と本気で思いました。
既に作品のファン活動としてのコスプレを逸脱して
コスプレイヤー本人の人気を測るような企画になっていると思いましたし
ファンとしての活動は
他人から見て似合うとか似合わないとかの問題でもないと思いました。
それが本当にファン活動なのか今でもわかりません。

今現在だと、コスプレイヤーさん自身に注目が集まったり
人気のあるコスプレイヤーさんというのはいつの時代もいるとは思いますが
着ている本人の人気云々より、
その人がどういう作品が好きで、キャラクターをどう解釈して
コスプレをしたかが私にとっては重要です。

更に言うと
作りかけの衣装をSNSで投稿したところ
「自分で作れるアピールうざい」というような空リプがあり
衣装を自作しているというだけで中傷される対象になってきたんだな、と感じました。

③当日知り合う文化が無くなってきた事

それは個人的な事情でもありますが
コスプレだけの趣味として活動している方は
日頃から衣装を制作したり
コスプレファン同士でSNS等で交流する事は出来ると思うんですが
私は日勤で仕事をし、同人活動もしていたため
普段からSNSでコスプレファンと交流する事はあまりありませんでした。

それでも
見かけした素敵なコスプレイヤーさんに
写真をお願いして撮らせて頂いたり
同じ作品のコスプレをされている方や
自分が好きな作品のコスプレをされている方と
交流して楽しめるイベント当日を楽しみにしていました。

一時期イベントごとに
コスプレイヤーさんの写真をイベントごとに
掲載するWEBサイトも運営していましたので
色々な方の写真を撮らせて頂き掲載していました。
体感ですがその頃「写真を撮らせて下さい」と言って
断られるケースはほぼありませんでしたし、
WEBサイトの写真掲載も
断られるケースもかなり稀でした。(断る人もいました)

しかし、イベントに参加した際
「写真を撮らせて頂けますか?」と確認したところ
「えっ」という感じにすごく驚かれて
「そういうのはちょっと……」という感じに断られました。
さらに、私にそういった声をかけられたことを周りに共有し
かなり警戒されていました。

色んな事情の方がいると思いますので
写真を撮らないでほしいというのは
なんら不思議ではないですし
無理強いするつもりは一切ありませんが
"写真は撮らないでほしい"という雰囲気ではなく
"完全に不審者扱い"だったんですよ。

確かにコスプレしていない
見知らぬ人が声をかけて「写真を撮らせて下さい」と言ったら
不審ではあります。
マナーの悪い方・悪質な方・盗撮・写真の強要などをしたらイベントでも不審者です。
しかし、イベント会場で普通に写真を取りたいと声をかける人は
そこまで不審でしょうか?
少なからず撮影を依頼される可能性のある現場ではあると思うんです。
写真を撮られたくない人も
撮られたくはないが依頼される可能性は想定すると思っていました。

でも、本当にビックリしている様子で不審者扱いされてしまって…

たまたまかもしれないと思い、
主にコスプレを趣味として活動していて
SNS等でもコスプレファンと交流しているという方に確認すると
最近はSNSやコスプレ専門のコミュニティサイトなどを利用して
予め当日の同行者を募り
更には同行して写真を撮ってくれるカメラマンまで募って
予定していた人と動くのが主流との事です。
なるほど。

写真が取りやすいコスプレイベントに参加した際は
キッチリと別れたグループが
終始固まって動き
それぞれ予定していた撮影だけして帰る。
「これって既にスタジオシェアの撮影会みたいなもんだよね……」って感じで
ついていけなくなってしまいました。

もちろん、ロケーションに拘った写真を撮る事は好きでしたし
イベント関係なく撮影に出かける日はありましたが
同人誌即売会などの作品のファンイベントは
ファンとしての交流や出会いを楽しみたかったので
徐々に居場所を感じなくなってしまいました。
撮影するだけならイベントじゃなくて良いと思ってしまうどころか
混んでる分イベントは撮影には不向きだと思っていましたで……

これはイベントの形や目的が多様化していき
撮影を目的としたイベントなども増えてきたので
うまく棲み分けが出来れば良かったのかもしれないですが
自分の力でなくとかなるような問題でもないですし
そもそもイベント当日以外に、
SNS等に裂く時間が無かったので
事前に知り合ったり募集をかけたり出来ない時点で
私は行動しにくいなってしまったな、と感じました。



このようにいくつかの原因が重なり
徐々に徐々に
コスプレから離れていきました。

だからどうという事もないし
その流れを変えようという気持ちもありませんでした。

それから長い月日が流れ
今はイベントに行かなくてもたくさんのコスプレイヤーさんを
ネット等で目にする機会が増えました。
またに拝見させて頂いて楽しんでいます!!!

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