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草刈り場

ガラケー・サービスがなくなるというので、やむなくスマホに買い替えて3年ほどたつ。それまでも会社の支給スマホがあったから、ふたつ持ち。個人のはガラケーで十分だった。

ガラケーはD社のものだった。回線品質は十分だしスマホもD社かと思っていたら、「乗換え」とやらでスマホが1円だという看板に心が動いた。U社の店前で思案していると呼びかけられた。

「どこのを使ってますか?」
「今ならこの価格で。電気はどこの?Wifiは?ご家族は何を?...」

U社はA社の子会社なのだそうだ。彼らのいう割引条件にほとんどあてはまって、トシヨリ割り、カケ放題をプラスして3GB/月で1780円という価格に即決した。回線はA社だし、環境も5Gだし、不自由なく使えていた。

先日A社の看板に引っかかった。U社からの乗換えで、iphone14が47円だ書いてある。1円だったiphoneSEも悪くはないけど、14のほうがいいに決まっている。買えば12万円もする。47円にまた心が動揺した。

「1年間は使い放題ですよ。カケホをつけると少し高くなるけれど、5分間OKにすると、この値段です」
「1年後は高くなるんでしょ?」
「またU社に戻れはいいだけですよ」

「なぜU社からの乗換えなの?UはA社の子会社でしょ、共食いじゃないの?」
「いいんです」

他のケータイ会社に乗り換えられるくらいなら、客をウチウチでまわすほうがマシだという。プラスよりもマイナスにならないこと。乗換え競争、子会社の草刈り場なのだ。

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