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遊戯王VRAINSの好きな曲

Spotifyさん後援の企画にせっかくだから乗ってみよう!という記事です。

 アニメ「遊☆戯☆王VRAINS」の主題歌およびサウンドトラックから、この良さが語りたい!という3曲を、選んで語ってみたいと思います。最初に言っておくと「calling」については敢て何も言いません!私が言わなくてもみなさんご存知だと思うので。

Believe In Magic

 初代EDであるこの曲は、私にとって、主人公・藤木遊作/Playmakerの第一印象です。ロックな曲調に乗る尖った歌詞の全貌はこちらを見て頂くとして。

 私が特に好きなのがこちらの歌詞です。

確かなことなどない
この孤独な時代
迷わず Set Yourself Free
Cuz  We Still Believe In Magic

 英語部分を勝手に訳すなら 

迷わず自由になれ、だって僕らはまだ魔法を信じてる

 くらいなんじゃないかと思います。
 孤独の中で自由になれ、だってまだ魔法を信じてる。

 復讐という薄暗い目的を目指す一期の遊作は、あえて孤独に身を置くような生き方をしています。第一期最終話の46話では、その孤独が望んだ生き方ではないという事もまた明かされます。けれど、孤独の中で取るべき選択として「自由」を歌い、まだ「魔法」を信じている、「奇跡を諦めない」というこの歌からは、遊作があくまで攻めの姿勢で生きているというイメージを感じます。

 また、「魔法」や「奇跡」という単語は、Aiに初めて会ったときの「お前には救世主になってもらう」という言葉や、46話でリボルバー、というより了見に言った「お前は俺を救える!俺はお前を救える!」にもイメージが通じます。遊作は基本的にはクールな人ですが、祈りや希望のような儚いものを信じる人でもあるんだろうと思います。

 孤独の中で、光を信じて前に進む。そんなこの曲が第一印象だからこそ、私の遊作、というか「Playmaker」のイメージは、どんな苦境でも諦めない、アグレッシブに希望を目指す人です。最終回ラストでVRAINSにログインするPlaymakerのカットには、やっぱりそんな変わらないアグレッシブさを感じます。

友情のリユニオン

こちらはサウンドデュエル4に収録されているBGMです。

 「リユニオン」は再会。友情の再会というタイトルのこのBGMがいったいどこでかかったかというと、第3期の106話冒頭。財前晃を狙うという犯行声明を出したAiに対して、Playmaker達が追跡を始めるシーンです。(他にもあるかもしれない!)

 他にもあるかもしれないけれど、このシーンのためのタイトルと考えていいなら、友情は「遊作とAi」の友情のことなのではないか。もしそうなら、こんなにも深読みし甲斐のあるタイトルはありません。二人の再会は、Aiの反乱による敵同士の再会です。

 どこかおどろおどろしい出だしながら、戦いに対する高揚感のようなものを感じる勇壮なメロディー。不安感とワクワクが同時に襲ってくるようなこの曲のタイトルが「友情のリユニオン」。

 Aiの反乱は、最終的には、同族の仲間を失ったAiが、残されたたった一人の友達である遊作を自分のせいで始まる争いの犠牲にできないから選んだ道でした。そのために自分の存在を消し去ることを決めたAiが、最後に望んだこと。118話の「最期はお前と一緒にいたいんだよ」「このデュエルは本気でやろうぜ、それがお前のかつての相棒、Aiちゃんの望みだ」は、私は嘘ではないんだろうと思っています。

 「友情のリユニオン」は、悲しい戦いを、それでも大切な友達と遊べる最後のゲームとして始めたAiの心情なのかなと想像しています。

Thankful Moment

 こちらもまたサウンドデュエル4収録のBGM、サウンドトラックのなかで最後に収録されている曲になります。

 タイトルは「Thankful Moment」、感謝の時間。

 私はBGMにあまり敏感な方ではなく、サウンドトラックを購入したものの、どの曲がどのシーンでかかったというのをすぐに分かることはほとんどありませんでした。(いわゆる勝利BGMなどは比較的分かりやすいのですが)

 しかしこの曲だけは「絶対聞いた!これは絶対聞いた!!」という思いに駆られ、105話「迎撃」で、遊作と葵が会話するシーンだということを自力で突き止めることに成功しました。とても好きなシーンです。

 このシーンは、Playmakerの正体を知らないままブルーエンジェル/ブルーガール/ブルーメイデンとして共に戦ってきた葵が、その正体が遊作だと知ったあとのシーンです。

 葵は、Aiと戦うのは遊作にはつらいだろう、Aiとの戦いは任せてくれと言います。けれど、正体を知らなかった葵が「Playmaker」を探していたのは、本当は今までのお礼を言うためでした。このあたりはかなり深読みなのですが、Playmakerの力を借りないなら、万が一自分が倒れてしまえば、お礼を言う機会はこれが最後になるかもしれない。そんな覚悟で探していたということが伺えます。

 葵にとってPlaymakerとの出会い、遊作との出会いがどんなものだったのか。雨上がりの陽だまりに残る水滴のような、リズミカルに澄んだ優しい音と、「感謝の時間」というタイトルに、それを感じられる気がします。


ここまでお読みいただきありがとうございました!