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本能を信じる

人間も動物ですから、種々の生命的な危険を回避し生き残るための種々の本能を生まれながらにして持っています。物事を判断するには、情報を収集し、もっている知識をフル活用し、いろいろ思索と考察をめぐらす必要があるとは思いますが、時に、そういうものを超越した直感とでもいうべきものが重要な場合があります。その多くは、いわば危機管理にかかわるものです。ここ1番という勝負に強い人は、そういう危険予知の感覚をうまく生かすことができているのかもしれません。

動物的ともいえるそのような本能にも、いろいろな側面があるかと思います。勧められても食べたくないとき、飲みたくないとき、何かをきっと感じているのではないでしょうか。必ずしも毒を盛られているわけではないでしょうが、いやな予感がするのでしょう。若い女性が「生理的に無理」と言われるのは、たぶん十分な理由があります。たいてい、脂ぎった見るからに汚いおやじが思い浮かびそうですが、おそらく外観だけでなく、その内面も含め、接近しない方がよいという強い危険予知、危機回避の本能の感覚が働くからではないかと想像します。それはもちろん、その場を立ち去り、近づかないのがきっと正解です。人生はそれほど長くないのに、つまらないトラブルに巻き込まれ、大事な時間を失うのは本当にもったいないです。本能はそのようなことを告げているのでしょう。もちろん、極端なリアクションは、かえってマイナスです。本能が告げているのは、あなたを危険に巻き込まないようにするためであったはずなのに、自らの行動で騒動を大きくし、他の人を巻き込み、トラブルを大きくしてしまっては、本末転倒です。

親しかった友人、知人でも、何かのきっかけで、それまでに知らなかった一面を知って、あるいは背信行為を発見して、強い嫌悪感を感じるようになったら、その感覚もたぶん本能が身の安全のために、遠ざかるように示唆しているのではないでしょうか。本能に従うことで、大筋において正しい結果につながることが多いかもしれません。戦争や大災害、世の中を大きく動かす異変の時、周囲の人の本質が見えることがあります。その気づきは将来に影響を与えるでしょう。頭で考えるだけでなく、おそらく、匂い(香り)が嫌だ、しぐさを見るだけでも嫌だという風に、強い嫌悪感を感じることもあるでしょう。本能が強く警告しているのだと思います。あなたが信頼し、安全だと信じている人、一緒に時間を過ごし記憶を共有することに幸せを感じる人に対して、そんな感覚を持つことは決してないのではないでしょうか。

このように非常に重要なポイントでは、本能的な危険予知の感覚を信じるのがよいですが、ふだんから、そのような自分の動物的な感覚を劣化させないようにも気をつける必要があるように思います。

https://www.youtube.com/watch?v=IHOE2PW07T8

https://www.youtube.com/watch?v=Iqcn2L-g3zo

https://www.youtube.com/watch?v=HkxdWot23hM

https://www.youtube.com/watch?v=CZ4RX095Bfc



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現代は科学が進歩した時代だとよく言われますが、実のところ知識を獲得するほど新たな謎が深まり、広大な未知の世界が広がります。私たちの知識はほんの一部であり、ほとんどわかっていなません。未知を探索することが科学者の任務ではないでしょうか。その活動は、必ずしも簡単なものではなく、後世からみれば群盲評象と映ることでしょう。このマガジンには2019年12月29日から2021年7月31日までの合計582本のエッセイを収録します。科学技術の基礎研究と大学院教育に携わった経験をもとに語っています。

本マガジンは、2019年12月29日から2021年7月31日までのおよそ580日分、元国立機関の研究者、元国立大学大学院教授の桜井健次が毎…

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