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群盲評象2023(370過去記事、2023年12月末まで)

370
本マガジンは、2023年1月1日から2023年12月31日までの365日分、桜井健次(筑波大学数理物質系名誉連携教授、イメージング物理研究所長)が毎日投稿するエッセイを収録します…
現代は科学が進歩した時代だとよく言われますが、実のところ知識を獲得するほど新たな謎が深まり、広大な…
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2023年7月の記事一覧

秘密警察的工作與目的

ねえねえ、宣伝したいんだって まあ、落ち着きなよ 何をどう宣伝したいのさ? それが今回はなんと秘密警察だって なんと… 秘密なのに宣伝するのか ひょっとして優秀な人材のリクルート? あるいは、何かの作戦の一環だったりするのかな 奇抜な宣伝がいいんだって そんなの秘密警察の宣伝というだけで十分奇抜だよ 宣伝だから、意味が伝わらないといけないが、ストレートすぎるのはつまらないってか 中国古典の漢詩、七言律詩で、秘密警察を宣伝してみるってどう? そうきたか こんなので

永遠の探訪の旅へ

2023年から、毎週日曜日、マガジンご購読者のみがお読みいただける特別記事(タイトル以外は非公開)をお送りしております。 現代はインターネットの時代ですので、note に記事を普通に書けば、見知らぬどなたの目に触れるともわかりません。それが新たな出会いやコミュニケーションのきっかけを生む可能性があり、楽しく有意義です。 他方、昨今は、いろいろな問題に対し、特定の主流意見と、それに対立する意見に二分され、溝が生まれることも多くなりました。2020~2023年で言えば、COV

輪郭がぼける時

書く時間旅行って、それ本当なの? ああ、本当だとも 人は過去へも未来へも行くことができる そう、ただ書くだけで だって、仮にそれがあるなら過去の事実を改竄できるんじゃない? まだ起きていない未来のことを今から決められるってのは、ますます信じられない そういう君は、いま現に書いているじゃないか 勝手に、その書いている内容が現在のことだと決めつけているようだな ほとんどのことは、そうじゃないはずだ 少し前のことも含む過去について書いたりしているだろう 日記とか、記録とか、全

ライシーマン・ステップス

2023年2月から、毎週金曜日、「金」または「経済問題」または「錬金術」または「金星」または「金曜」に関係するワードをテーマに含む短めの記事を書くことにしております。この頃は、現代のマネーに翻弄される人々の姿に重なる愚かな守銭奴たちを描写した近代文芸作品を取り上げることが多くなっています。 Riceyman Steps(「ライシーマン・ステップス」)は、イギリスの小説家アーノルド・ベネットが1923年に発表した小説です。この物語に登場する主人公、ヘンリー・アールフォワードは

渡り鳥が絶滅する?

毎週火曜日と木曜日は、最近Voicy ラジオ放送で語った内容に補筆、追記、改訂を行い、まとめ直したコンテンツをお送りします。多くのものは2回、3回にわけて放送したものですので、それらの内容を1つにまとめ直し、参考資料へのリンクを入れ、さらに、それらについての解説も追記しております。この記事は、マガジンご購読の皆様限定になります。ただし、この記事のもとになっているラジオ放送は、インターネット上で、どなたでも無料でお楽しみ頂けます。 今回お送りする記事のコンテンツに対応するラジ

波瀾壯麗的阿爾諾河日落

イタリアのフィレンツェを流れる川と言えば、アルノ川です。そんな川、あるの? はい、あります。そこには古い橋がかかっています。ヴェッキオ橋です。ローマ時代にかけられました。現在のものは、その後あらためてかけ直されたものですが、それも1300年代のことですから、やはり古い橋です。この橋の上に建物があり、そこはヴァザーリの回廊と呼ばれる1キロにわたる通路の一部です。アルノ川をはさんで両側にあるヴェッキオ宮殿とピッティ宮殿がつながっています。映画「インフェルノ」では、主人公のロバート

海にミネラルを撒いてCO2削減?

毎週火曜日と木曜日は、最近Voicy ラジオ放送で語った内容に補筆、追記、改訂を行い、まとめ直したコンテンツをお送りします。多くのものは2回、3回にわけて放送したものですので、それらの内容を1つにまとめ直し、参考資料へのリンクを入れ、さらに、それらについての解説も追記しております。この記事は、マガジンご購読の皆様限定になります。ただし、この記事のもとになっているラジオ放送は、インターネット上で、どなたでも無料でお楽しみ頂けます。 今回お送りする記事のコンテンツに対応するラジ

運命の共同ひねり

皆様、新郎新婦が入場します 盛大な拍手でお迎えください 数千年も前の頃だろうか かつて、結婚式でケーキカットが行われた時代があった 新郎新婦が1つのナイフを一緒に持ってケーキを切るというセレモニーだ 若い2人が初めて行う共同作業という、その理念は残った 無駄に背が高く豪勢なケーキの代わりに使われるのは、30センチほどの長さのポッキーまたはスパゲティのスティックである そのポッキーもしくはスパゲティのスティックの端のそれぞれを2人が口に咥える それぞれ中央まで食べ進み完食

踏み絵とあぶり出し

2023年から、毎週日曜日、マガジンご購読者のみがお読みいただける特別記事(タイトル以外は非公開)をお送りしております。 現代はインターネットの時代ですので、note に記事を普通に書けば、見知らぬどなたの目に触れるともわかりません。それが新たな出会いやコミュニケーションのきっかけを生む可能性があり、楽しく有意義です。 他方、昨今は、いろいろな問題に対し、特定の主流意見と、それに対立する意見に二分され、溝が生まれることも多くなりました。2020~2023年で言えば、COV

コウモリの復讐

食べる夜行性動物と聞いても、日本人はピンとこない そんなの、食べないよ 東南アジア、オセアニア、中国、アフリカではかなり普通だよ コウモリを捕まえて食べるんだって 森って昼と夜では支配者が違う コウモリは夜の森を飛んでいる そこに仕掛けた網に引っかかる 必死で逃れようと鋭い叫び声をあげ、網を食いちぎろうともする もちろん無駄な抵抗だ 昼間飛んでいるコウモリは飛び道具で撃ち落とされるようだ レストランとか知人宅の家庭料理だったら、気づかずに食べちゃうかも 解説されなけれ

誘拐されて

2023年2月から、毎週金曜日、「金」または「経済問題」または「錬金術」または「金星」または「金曜」に関係するワードをテーマに含む短めの記事を書くことにしております。この頃は、現代のマネーに翻弄される人々の姿に重なる愚かな守銭奴たちを描写した近代文芸作品を取り上げることが多くなっています。 19世紀スコットランドの作家、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの作品、"Kidnapped" (誘拐されて)は、実話をもとに作られた小説で、主人公デイヴィッド・バルフォーが数奇な体験を

ミチオ・カク先生、量子コンピュータ新刊

毎週火曜日と木曜日は、最近Voicy ラジオ放送で語った内容に補筆、追記、改訂を行い、まとめ直したコンテンツをお送りします。多くのものは2回、3回にわけて放送したものですので、それらの内容を1つにまとめ直し、参考資料へのリンクを入れ、さらに、それらについての解説も追記しております。この記事は、マガジンご購読の皆様限定になります。ただし、この記事のもとになっているラジオ放送は、インターネット上で、どなたでも無料でお楽しみ頂けます。 今回お送りする記事のコンテンツに対応するラジ

可怕的暴风雨之夜

19世紀ビクトリア時代の英文学と言えば、ブロンデ姉妹が思い浮かぶでしょうか。エミリー・ブロンデが1847年に発表した生涯唯一の作品 "Wuthering Heights" (「嵐が丘」)の舞台は、ブロンデ姉妹が実際に住んでいたヨークシャーのハワーズです。家の主人の娘のキャサリンと、元は孤児で引き取られていたヒースクリフは本当は相思相愛ですが、その子たちの世代も巻き込んで、決してうまくいかない悲劇の物語です。若きヒースクリフがついに家を飛び出す日、嵐が吹き荒れました。今日は、そ

エアフィルタに生物DNA!

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