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群盲評象ショーケース(無料)

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桜井健次のマガジン「群盲評象」の代表的な記事をご覧いただけます。こういうものを毎日読みたいという方は、1年分ずっと読める「群盲評象2024」、お試しで1か月だけ読んでみようかとい… もっと読む
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2020年7月の記事一覧

我が亡き後に洪水よ来たれ

2020年(令和2年)の6~7月、日本各地で水害、土砂災害が発生しました。不幸にして亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。実のところ、2020年後半の台風被害も心配しています。この何年か、災害が続いています。目立って大きいものだけでも 2014年(平成26年) 8月豪雨による広島市の土砂災害, 2016年(平成28年)台風第7号, 2017年(平成29年)7月九州北部豪雨, 2018年(平成30年)7月豪雨, 2019年(

千夜一夜物語と毎日note

One Thousand and One Nights (千夜一夜物語, アラビアンナイト)は、あまりにも有名です。note には、毎日連続して投稿される方が大勢おられるようですので、千夜一夜物語を毎晩語るScheherazade(王妃)とnote の毎日投稿者のスタイルを比較してみたいと思いました。 千夜一夜物語は9~10世紀頃のイラクで生まれた作品です(その当時のタイトルは1001夜ではなく1000夜だったらしい)。その後、イスラム圏やインドに広がったようです。1704

勧善懲悪

日本書紀の記述によれば、604年、聖徳太子によって17条憲法が制定されました。その全条文も日本書紀に出ています。その第6条は「懲惡勧善」、今日でいう「勧善懲悪」から始まります。なんだか、聖徳太子が現代の日本人に喝をいれているような文言です。内容を見ると、懲惡勧善には違いないですが、勧善は最初の一言だけで、残り全部が懲悪です。 書き下すと次のようになるでしょうか。 現代語訳(私的な勝手な意訳)は次の通りです。 聖徳太子は、国家の基本として、また政治権力の中枢に位置する人々

良いことはなぜ続けて起きるのか

毎日同じように過ごしているつもりでも、好不調の波があります。その周期は一定というわけではありませんが、調子の良いときもあれば不調のときもあることを十分自覚できる程度の間隔で波の上下があります。バイオリズムのような個人の健康、体調のリズムもあるでしょうが、仕事など、社会活動のなかでの成果の好不調、対人関係の好不調も入り混じって、複雑なパターンになっているでしょう。しかし、私たちは良いときと良くない時を平等には扱っておらず、常にバイアスがかかっているように思われます。どちらかと言