働かざる者たち3話:好きこそものの?

今回の橋田 Meets 働かないおじさんは、仕事もせずポケモンGoで遊んでばかりいる新聞印刷工場の作業員・山中(甲本雅裕)。

夜中のサーバーエラーで新聞印刷工場に呼び出された橋田。
新聞の発行部数が減少した今、印刷工場では自社の新聞だけでなく、他社から委託を受けてゴシップ新聞の印刷まで幅広く手掛けていることを知る。

自分自身の働く意義が見えていないゆえか、最近働かないおじさんがやけに目につく橋田。
つい山中に「もうちょっと真面目に働いた方がいいんじゃないんですか」と話しかける。
「でもなぁ…魂からっぽで上っ面だけ合わせて働いてるお前みたいな奴は働かねぇ俺以下のクソ野郎だぜ!…なんつって」
逆に言い返された言葉に、橋田は自分の薄っぺらさを見透かされたような気持ちになる。
「仕事を頑張るって決めたくせに、漫画も捨てきれてない。結局、何の覚悟も決まってないんだ、俺は」

沈む橋田に、いつもいい加減なようで核心をついたセリフに定評がある(私が個人的に!)川江はこう語りかける。
「だって、実際そうじゃん。働かなくたってお給料もらえるもん、この会社。そういう風にできてんだって。だったら、働くことってそんなに偉いことなの?」
収入のためなら、働かなくたって用は足りるのだ。
ならば、なぜ人は働くのか?

再びシステムの不調で工場に呼び出された橋田は、ふざけながら仕事をしていてあわや輪転機に巻き込まれそうになった若手を山中が助ける場面を目撃する。
山中は仕事に対する姿勢を叱るとともに、印刷工場の仕事の意義を説くのだった。
「あとな、トロい色調整してんじゃねぇよ!新聞載った人間にとっちゃ一生モンなんだぞ!…なんつって」

山中を見直した橋田は、再び山中と話す機会を持つ。
山中には6歳の娘がおり、かつては父親が刷った新聞を自慢していたという。と
だが、今や山中が刷るのはゴシップ誌。とても娘には見せられない。
「つれぇんだよ、プライド持てない仕事すんのがつれぇんだよ」
涙をこらえる山中に、いたたまれなくなる橋田。

山中がもし救われるとしたら、助けた若手がプロの仕事を教えてください、と頭を下げに来たことだ。
「自分の好みで色考えてるうちは半人前。大事なのは読者にその色がどう映るかだ」
プロの仕事は乳首の色調整にだって宿る。
やりたかった仕事でなくても、娘に誇れる仕事でなくても、そこにはプライドがあるのではないか。

わからなくなった橋田は、いつもの居酒屋で新田に相談する。
「新田くんさぁ…仕事に誇りを持つってどういうことなんだろう」
橋田らしくない悩みに戸惑う新田。
「なんかよくわかんなくなっちゃってさ。仕事って、自分がやりたくないことでも求められたらやらなきゃいけないじゃない?かといって、自分がいいって思ってやったこともさ、必ず評価につながるわけでもない、なんかこう、他人の評価と自分の矜持?どっちを選んだらいいんだろうって」

新田の答えは今回もブレずにまっすぐだ。
「僕のモットーは、読者のための記事を書く、ってことなんだ。中にはそれを疎ましく思ったり、批判する人もいるかもしれない。けど僕は常に新聞の先にいる読者が求めている真実を記事にしたいと思ってる。だから、賞を取ろうが取るまいが、そんなことはどうでもいいんだ」

「もしかして橋田くん、今の仕事以外にもやりたいことがあるんじゃない?」
記者のカンか、橋田に問いかける新田。
「まぁいずれにせよあれだよ、好きこそものの上手なれってことだよ」

橋田はきっと、一生懸命働きたいのだと思う。だから新田がまぶしく見える。でもその目的が見つからないからモヤモヤしてしまうのだ。
朝日の中でゴシップ新聞を広げる橋田。
「誇りを持って働くのがどういうことなのか、まだよくわからない。でも誇りを持てるよう目の前の現実から逃げず、今より真剣に仕事と向き合ってみようと思う。そこから何かが見つかる気がする」
その目に映るのは、山中たちの技術による綺麗な乳首の色だ。

少し前向きになった橋田だが、技術部長に就任する多野の登場で、何やらシステム部は波乱の予感がする4話。
情報収集に暗躍しそうな新田にも期待だ。

今週のつくね:口までの到達距離推定10cm

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