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「liar」第六話レビュー:父と子の歪んだ愛情

第六話あらすじ:遂に市川(佐藤大樹)から本当の気持ちを聞くことが出来た美紗緒(見上愛)は幸せでいっぱいだった。やっと恋人としてのスタートラインに立つことが出来たと実感する美紗緒。2人はこれまでのすれ違いを埋めていくかのような、甘い交際をしていた。そんなある日、美紗緒は市川の父である雅哉(升毅)から電話で呼び出される。そして美紗緒は、かつて田所(川島海荷)が自分との浮気が原因で自殺未遂をしていたこと、そして市川と別れるようにと告げられてしまう…(公式サイトより)

「君と付き合い始めてから、一哉は変わった」
父親が言う通り、市川は変わり始めていたのかもしれない。
美紗緒に好きだという気持ちをさらけ出せないのは自分の未熟さによるものだと認めた市川。美紗緒の気持ちに応えようと、不器用ながらも愛情を表現しようとするし、独占欲も隠さない。

市川が恋愛を通して相手と深い関係性を築くことに臆病になっている原因には、もちろん文里への不毛な恋もなのだけれど、もっと根深い理由がありそうだ。
第六話には、市川の脆さに繋がっているであろう、彼が育った環境についてのヒントが散りばめられている。

母親があまり料理をする人ではなく、家政婦さんが作っていたから家で食べるご飯が嫌い。そう言いながら美紗緒が作った朝食を食べて嬉しそうな顔をする市川。美紗緒に「お前は、いろよ」と言う市川の、何かにすがるような、心細そうな様子からは母親の不在を強く感じさせる。
そんな市川は、美紗緒の目にも小さな子供のように映っている。やはり市川は無償の愛を求めているのではないか。

一方、父親・雅哉に対して市川が抱く感情は複雑だ。憧れ、畏怖、嫌悪、反発。
市川が田所と結婚しようとしたのは父の期待に応えようとしたからだ。とっくに成人した息子の父親としては過干渉だし、市川も過剰に背負い込んでると言わざるを得ない。

きっと市川は、雅哉にどこか似ている。美紗緒が市川に対して「お父さんみたい」と思ったように、彼女を心配するあまり、相手の気持ちを考えずに先回りして物事を運ぼうとしたりするところとか、高圧的な態度を取ってしまうところとか。
だから雅哉が美紗緒に接触して別れを迫ったのも、市川を大事に思うがゆえの行動なのだと思う。
けれどその歪んだ愛情は、市川と美紗緒の幸せに大きな影を落とす。

追い詰められて身を引こうとする美紗緒。
「他に好きな人がいる」。
美紗緒だけは信じられる、美紗緒しかいないと心に決めた市川をこれ以上に突き落とす言葉なんてない。

ボロボロの2人は立ち直り、また赤い糸を結び直せるのだろうか。
市川に接近するが、裏がありそうな松永。何かと美紗緒を気にかけ、優しく受け止めてくれる出野。
運命の糸は残り2話、まだもつれ、絡まる予感を残す。

【今週の出野部長】
先週の残業シーンでも思ったけど、やっぱり出野さんはちょっと昭和な人なんだと思う。でも今週はいい意味。だってそれを感じさせるのが、部下のプライベートまでちゃんと気にかけているところだから。
出野さんの優しさはちょうどいい。たぶん全部知っているのに、相手が話そうとしないことを無理に聞き出したりしない。でも話す気になれば、いつでも何でも聞いてくれるという安心感を与えてくれる。
私には見えてしまいました、出野温泉の入口が。これはもはやキュンのような刺激ではない。一度浸かってしまえば、いつまでも入っていられそうな絶妙な温度。そしてのぼせた私を温かいオフトゥンのように、低反発枕のように、出野さんの愛で深く受け止めて欲しい。ああ、春の二度寝のようにその魅力に抗えない…って、もしかして本編からのスピンオフで眠いんでしょうか、私。

ところで出野さん、イチにパーカー買ってあげました?それってもしやBのL?(違う)っていうのと、「てんてんてん」「いや間違えてるから」って美紗緒が何を間違えたか気になって夜も眠れないので、私にも素敵なお店でサラダ取り分けてください♡(さっき眠いって言った人誰)

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