8割報道への警鐘 あえて印象操作的に書いてみる

注意事項

今回は注意事項がかなりあります
・この記事は、2020/12/31時点情報に基づき作成しています。
・以下で使用するデータですが、実は幸田町の分が欠損してます。データ入手後書き換えますが、現状はそのつもりでお願いします。
・あえて、かなり印象操作的な記述を含ませています。お読の際はその点ご注意ください。

8割不正報道&ご意見

愛知県知事リコール活動、愛知県選管による署名調査が、各市町村選管で開始されています。そのなかでも、一部の選管からは回答があった模様ですね。
それについていくつかネット上の記述を見てみましょう。

中日新聞ではなく、東京新聞をあえて選んだ(苦笑)。てか、東京新聞って魚拓取れないんですね。。。残念。

画像1

あと、とある市議さんのブログも。

<魚拓版>

東京新聞の内容引用します。

(略)署名の提出があった県内64選管のうち、14の選管の署名を調べたところ、署名の8割超が選挙人名簿に登録されていない人物や、同一人物の筆跡と疑われる署名があったと明らかにした。(略)

横井市議のブログ引用します。

現在、署名簿が仮提出された64市区町村のうち、14市町村から調査結果の報告が県選挙管理委員会にあがった(12月25日現在)。
■ 14市町村の調査結果
同一人物の筆跡と疑われる署名や存在しない人の名前などが記された署名は全体の82%にのぼった

愛知県選管の発表は?

残念ながら、県のHPなどにもプレスリリースは2020/12/31 18:00時点では見つかりません。しかしながら、プレス配布資料には「8割」「82%」といった情報はなく、以下だったとの情報がありました。


「 県選挙管理委員会では、2020年12月21日から、愛知県知事解職請求に係る署名簿の調査を実施しているところです。
 各市町村選挙管理委員会からの回答期限を特に設けておりませんので、団体からの報告について適宜情報提供させていただきます。
 署名穂が仮提出された64市町村のうち、2020年12月25日現在で、14団体から報告を受けておりますが、報告の中には、選挙人名簿に登録されていない者の署名や同一人署名と疑われる署名など現行制度の問題点や課題を示すものが非常に多く見られるところです。
 現在、県選挙管理委員会において鋭意確認中のため、個々の団体名や詳細な内容については、現時点ではお答えすることはできません。
引き続き調査を進め、直接請求制度が適切に運用されるための検討材料とするとともに、現行制度の問題点・課題等を整理していきます。
(以下略)」

上記のプレス配布資料の信憑性も不明ですが、正しいとすれば、「8割」「82%」等の発信をされている部門・個人の方は、独自のルートでの調査、ないし選管オフレコ情報等なのかなーと推察します。

調査ってすぐにできるのでは?

 一部の請求代表者、受任者が短時間で「不正署名だ!」と見つけられるぐらいのものです。選管であればあっという間に見つけられるのでは?
 結局、どんな調査をしているか不明確ですが、有効数に達した際の審査事務手続きは既出のnote記事に書きました。

 今回も同様かはわかりませんが、事務取扱資料記載方法で行うとして、1冊5名の署名簿を審査するとしての時間をえいやっと見積ってみましょう。なお、私は機械装置の建設工事の工期見積もりはよくやりますが、この手の事務作業工期見積もりはあまり得意ではないです。適当なのでそこはご容赦ください。

①形式的審査(見るだけのもの)
 1冊で請求要旨、代表者印34個、受任者記載有無、印象確認
 →5分/冊
②形式的審査(調べもの。PCに打ち込んで照合)
 1冊で受任者の名前住所が選挙人名簿にあるかの確認
 →3分/冊
③カードへの署名書き写し(手書き)
 →5分/筆→25分/冊
④選挙人名簿と署名カードの称号、判断(調べもの。PCに打ち込んで照合)
 →5分/筆→25分/冊

 少し強引ですが、1人でやった場合で、1冊58分、まあ1時間としましょう。皆さんはこの時間見積もり、甘いと思いますか?厳しいと思いますか?

 ていうか、オンライン等でできるようになれば、すごい選管さんは楽になるのになぁ…お疲れ様です。。。

市町村毎の署名簿数ってどうよ?

愛知県内63の選管において、提出分の署名数、署名簿数を、少ない方から並べて、積み上げにしたグラフがこちら。各行のオレンジの部分が、各市町村毎の署名簿数です(幸田町のデータが欠損してます。ご容赦ください)。

署名簿数

ちなみに、署名簿数の少ない地域から14番目までの市町村(豊根村~愛西市)で、全体の署名簿数の約3.4%となります(幸田町除きでね)。
署名数で並べると、順番が若干前後します。が、今回は事務処理を考え、署名簿数でみることにしましょう。

どれだけの人員をかけた?

12/21に指示し、12/25時点の報告です。
5営業日。1日の営業時間を、9:00~17:00の1Hr休憩とすると、実働7時間。17:00~18:00休憩で、22:00まで残業として残業4時間。
そうすると、人員労働数は11時間/日・人。すなわち、署名簿チェック能力としては11冊/日・人です。5営業日なら55冊/人ですね。

第14位の愛西市では、568冊でした。
さすれば、568冊/(11冊/日・人)/5日=10人・・・計算ミスってて書き直してるけど、結構いい線かも。。。

可能性の話

・冊数の大小関係なく、早く大量に処理し報告した自治体もあるかも
・たとえ3.4%サンプルでも中で8割の不正?偽造?があったのだから、他も同じ割合で出てくるかも
・途中経過を報告した自治体もあるかお
・そもそも、8割の分母は自治体の署名全数ではないかも
 (ある受任者の8割は…私の担当した分の8割は…ある地区の8割は…)

人間の思考回路

人は、不確実な情報を与えられたときに、利口なので自分で勝手に補完して考えてしまいます(コンピュータプログラムや、機械装置のシーケンス動作設計をした事のある方なら、この人間の補完能力のすごさを実感している人も多いかもしれません。)。私も8割報道を見たとき、43万の中でそんなにあるの?と思ってしまいました。つまり、自分で勝手に
 ・代表サンプルは取れている
と補完して読んでいました。
 しかし、そもそもの調査工期、地域ごとのばらつき、何の8割かなどが不明確だなーと思い、もう少し正確な情報が出てからでもいいかな、と思いました。

 ある程度信頼のおける筋からも、まとまった数のヘンテコ署名を見たとのお話も伺っています。多分存在はしていると思います。存在そのものが問題だと思いますが、また数量をことさら出すにはまだ早いと思います。

 以下は穿った個人的見解です。
現時点で、8割だー大量だーと殊更アピールする方は、以下のいずれかと思っています。
 ①自分で知らずのうちに不正確な情報を補完し、思いにより叫ぶ人
  (自然な反応です)
 ②不安や疑念をあおり、自己の地位や利益向上を狙う人
  (これが一番厄介)

偉そうなことを最後に書いてしまいましたが、私自身、自制の意も含め、自分で調べ自分で考えを心掛けていきたいと思います。
本記事が、皆様の自ら調べ、自ら考えのきっかけになれば幸いです。

今回はこれぐらいで。

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